
第56回NHK杯全国高校放送コンテストが7月22日から24日までNHKホール(東京都渋谷区)などを会場に開催された。NHK杯全国高校放送コンテストは、アナウンス・朗読・ラジオドキュメント・テレビドキュメント等6つの部門で構成され、山梨県では6月20日にぴゅあ総合(甲府市)で県大会が開催され13校が全国大会の切符を手にした。ラジオドキュメント部門においては、「プロフとリアル」をテーマにした作品を出品した山梨学院高校放送部が初優勝し全国大会出場を決めた。山梨学院高校放送部は、1年生から3年生まで30人が在籍し、発声練習や朗読・アナウンス練習、大会前には発表作品の製作などを行っている。また、「3年生を送る会」の運営や毎年6月に行われる「学院祭」では、合唱コンクールの紹介アナウンス、自主製作ドラマの上映、体育祭での実況なども行っており、学校行事の様々な場面で活躍している。さらに、今回のコンテスト作品で監督を務めた穐山大輔さんは、7月7日に山梨学院大学で開催されたアルテア七夕まつりにおいてFM甲府が開設した特設スタジオ“アルテア放送局”から生放送を行うなど勢力的に活動している。
NHK杯全国高校放送コンテスト山梨県大会は、6月20日にぴゅあ総合(甲府市)で行われ、山梨学院高校放送部は「プロフとリアル」をテーマにした「ふみはずすな!高校生!」というタイトルで作品を出品。“プロフ”や“リアル”といった事柄を高校生の視点から考察し、現代の社会事情や若者文化の現状を校内での取材やインタビュー音声とともに構成・編集。学院祭と中間テストの忙しい合間を縫って
萩原皆美・市川優・穐山大輔・陶翔一の4人が、監督・脚本・シナリオ製作・編集などを担当し協力して作品を完成させた。
県大会優勝の瞬間について4人は、「まさか1位になるとは思わなくて、頭が真っ白になってボロボロ泣いてしまいました。みんなに感謝の気持ちでいっぱいになり「ありがとう」という気持ちになりました。」(萩原さん)「1位になったことが信じられなかった。言葉で表現できない嬉しさがあった。」(市川さん)「1位に決まって驚くとともに、これまでの努力や苦労が報われました。最高の思い出の時間になりました。」(穐山さん)「2位が発表された時点でダメだと思いました。これで引退かと思ったけど、1位が発表されて自分の中で時間が止まりました。」(陶さん)と語った。
全国大会第1日目(準々決勝)は、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)に、全国各地から都道府県大会を勝ち抜いてきた各部門総勢529校が集結。部門ごとに会場が分かれ、各会場で0.1秒にまで熱い気持ちがこめられた作品が発表された。
山梨学院高校の発表はセンター棟304号室のA会場で行われ、代表の
穐山さんがエントリーナンバー・学校名・作品名を読み上げると作品が会場内に放送された。会場内は一言一句、音の強弱まで聞き逃すまいと静けさの中に緊張感が漂っており、各校の放送部員は、熱心にメモをとり、作品の録音などを行い、全国レベルの作品を余すところ無く吸収していた。作品発表後に4人に自分達や他校の発表について聞くと、「ただ聞くだけなのに緊張した。」「他校の発表はメモを取りながら聞けたけど、自分たちの発表では手が止まってしまった。」「全国クラスの作品が集まってくるから、構成・音質・表現力・効果音など勉強になる点が多く、“音”だけで感じるもの・伝わるものがあった。」「全国レベルの作品を後輩にも聞かせてあげたかった。」などと興奮しながら口々に語った。
準々決勝の審査結果は7月23日朝発表され、準決勝に進出する40校の中に山梨学院高校放送部の名前はなく、準決勝進出はならなかった。監督や脚本を担当した穐山さんは、「残念な結果になりましたが、これからも作品は作り続けたい。」と結果を噛み締めながら前向きに語った。こうして4人の熱い夏は終わったが、将来の進路について聞くと
穐山さんは「やっぱりラジオが好きなので、メディアや放送関係のラジオに携わった仕事がしたい」と語り、
萩原さんは栄養士を、
市川さんは幼稚園の先生や保育士を目指したいと笑顔で話し、
陶さんは「これから見聞を広め、自分の将来をじっくりと考えたい。」と語った。(Y.Y)
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