山梨学院パブリシティセンター
第91回全国高校野球選手権山梨大会 準々決勝 
〜山梨学院高が塩山高を下し、準決勝進出を決める〜
〜5番小林夏樹が殊勲の逆転2ランホームラン〜

第91回全国高校野球選手権山梨大会は7月23日、甲府・小瀬スポーツ公園野球場で準々決勝の残り2試合を行った。未明までの雨で第1試合は30分遅れで開始、時折雨が降るコンディションの中で身延高が駿台甲府高との接戦を制し2―1で準決勝進出を決めた。第2試合の山梨学院高対塩山高戦は真夏の強い日差しが戻った午後2時前に開始された。山学のマウンドは山田祐也(3年 猿橋中)、塩山のマウンドは澤登勝、両チームのエースがベスト4最後の椅子を賭けて投げ合った。試合が動いたのは2回裏、塩山の8番三枝が3塁打を放ち、1番佐野の3塁強襲ヒットで生還、中盤までは塩山が試合をリードした。山学は6回表に1死1・3塁のチャンスを作り、4番羽田翔(3年 甲府南シニア)の犠飛で同点、5番小林夏樹(2年 長野北シニア)の2点本塁打で一気に逆転した。山田祐也は塩山打線に9安打4四死球を与えながら、ランナーは出しても要所を締める粘りのピッチングで完投、山学が4−1で塩山に勝利し準決勝進出を決めた。
≪夏の高校野球準々決勝 山梨学院高VS塩山高≫ 於 小瀬球場
山梨学院高
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3
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1
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4
塩山高
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0
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×
1
山学投手 山田(祐)  塩山投手 澤登   
【本塁打】小林(山学)【3塁打】三枝(塩山) 【2塁打】小林(山学)、佐野・三枝・澤登(塩山)

第1試合時折激しく降った雨が去り、強烈な日差しに変わった第2試合の1塁側スタンドは、白と水色の揃いの帽子と黄色いメガホンを手にした900人の山梨学院高生徒と、赤いメガホンを手にした野球部父兄で埋め尽くされ「勝つぞヤマガク、ファイトヤマガク」の大声援と共に試合が始まった。
塩山のエース澤登勝は1回表の立ち上がりからスローボールを多投した。山学の打線は“打てそうで打てない遅球”にこの試合悩まされることになる。いい当たりをしても野手の正面を突くことが多く5回までヒット4本に封じられ、ゼロ行進が続いた。山学のエース山田祐也は甲府城西戦の時と比べると直球・変化球ともに切れを欠いた。2回裏に8番三枝にストレートを右中間3塁打され、9番河村フォアボール、2死1・3塁から1番佐野にスライダーを三塁強襲ヒットされ先制点を与えるなど5回までにヒット7本を許し1失点、守備陣は2つのエラーを記録、試合の流れは塩山にあった。流れが変わったのは6回表、山学は1死から2番鈴木悠介(2年 青葉緑東シニア)が三遊間安打で出塁、3番山田凌(2年 八王子シニア)の時に1塁牽制悪送球で鈴木は一気に3進、山田フォアボールで1死1・3塁のチャンス。この場面でキャプテンの4番羽田翔がライトに犠牲フライを打ちまず同点、続く5番小林夏樹が初球の変化球をレフトスタンドに2ランホームランして3−1と逆転に成功した。小林は8回表に回ってきた次の打席でも2死3塁の場面でセンターオーバーの2塁打を放ち4−1と突き放す殊勲打、一人で3得点をたたき出した。エースの山田祐也は毎回のように塁上にランナーを出したが3度のダブルプレーで切り抜けるなど要所を抑える粘りのピッチングで141球の完投、今大会2勝目をあげた。ヒット数は山学の8本に対し塩山はそれより多い9本を放った。しかし、残塁数は山学6に対し塩山は11残塁、ランナーを出してから山田が粘りの投球で凌いだ事を公式記録の数字が示していた。山田祐也投手は「ランナーを出してから抑えるのが自分のピッチング。8回裏1死後の初球に左足太ももがつれたが最後まで投げるんだと踏ん張った。次の身延には秋の大会で負けているのでリベンジしたい」エースは気力で投げた粘投を振り返った。3打点の活躍を見せた小林夏樹選手は「前の打席で変化球で打ち取られたので、変化球に狙いを定めていたら初球に真ん中にカーブが来た、公式戦でホームランは初めて」2年生のヒーローはニキビだらけの顔をほころばせた。羽田翔主将は「祐也と小林に助けられた。エラーから点を取られたが、中盤で点が取れて勢いが出た。相手がどこであっても自分たちのプレーを全力でやるだけです」リーダーは次の試合も全力で自分たちのプレーに取り組むことを誓った。須田喜照監督は「山田はランナーが出てから粘り強く投げるところがいい所、粘って投げてくれた。1番の松浦は自分のスタイルを崩しているが、チームの雰囲気には欠かせない選手。苦しむ経験をしてこれを克服してほしい」と各選手を分析し「次に対戦する身延の望月君はストレートが早く変化球も切れるいいピッチャー。低めのボール球をいかに見送るかが勝負の分かれ目になると思う。接戦に持ち込みチャンスに一本打てるかだ」と準決勝の対戦相手身延高との試合の勝負所を分析していた。
夏の高校野球山梨大会は、明日24日は休養日、25日に準決勝戦2試合が行われる。第1試合甲府工対東海甲府(10時試合開始)、第2試合山梨学院対身延(12時30分開始予定)と対戦相手が決まった。第1シード、第2シードが初戦で姿を消した“波乱の夏”を勝ち上がったベスト4が“甲子園の夏”を賭けて激突する。(M.I)
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