山梨県高校野球連盟は7月25日、小瀬球場で第91回全国高校野球大会山梨大会(12日目)の準決勝2試合を行った。第2試合は第3シードの山梨学院高校と第2シードを破った身延高校が対戦した。後攻めの山学はエース右腕・山田祐也(3年・猿橋中)が、今試合3試合目となる中一日の先発登板となった。山田は、2回表の一死後に死球と2安打で満塁とされると2番への「低めに投げたチェンジアップをライト前に上手く運ばれた」と2点先制された。7回表には二死三塁から5番に「狙いどおりの外のストレートをライト前に打ち返された」と適時打されるなど、44打者に対して15安打4四死球4犠打を与えながらも、山田らしい両サイドに散らす粘りある投球術で3失点のみに押さえ込 んだ。攻めては、5回裏に1番から7番にシフトした松浦航平(2年・青葉緑東シ)が「好投の祐也さんを楽にしようと思った。スライダーが内から真中に入って来た。思い切って振り抜いた」と2対1と追撃となる左越えの本塁打を放った。1対3とリードされた8回裏の二死後、小林夏樹(2年・長野北シ)が「甘く入って来たインコース真中のスライダー。角度も良かったので入ったと思った」と、起死回生の逆転3ランで4対3と試合を決めて決勝戦に進出した。山学は明日13時から小瀬球場で、ノーシードで勝ち上がって来た古豪・甲府工業と9年ぶり4回目の甲子園出場を目指して戦う。
《夏の高校野球 準決勝戦 山梨学院VS身延》於 小瀬球場
身延高 |
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2 |
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1 |
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3 |
山梨学院高 |
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1 |
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3 |
× |
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[山梨学院]投手 山田祐也 本塁打 松浦航平 小林夏樹 二塁打 青山祐己 松浦航平 山田凌
山梨学院は、今試合3試合目となるエース右腕・ 山田祐也(3年・猿橋中) を中一日で先発登板させた。山田は1回表の立ち上がり四球と2安打で二死満塁とされるが、6番を内野フライに打ち取り0点とした。
1回裏、6番から1番に抜擢された8打数6安打と絶好調の青山祐己(2年・浦安シ)が左中間を破る二塁打で出塁。2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シ)の犠打で3塁に進塁した。しかし、後続が打ち取られ生還することは出来なかった。
エース・山田は2回表の一死後に四球と2安打で満塁とされると「2番に2-2からの低めに投げたチェンジアップをライト前に上手く運ばれた」と2点先取された。
2回裏の二死後、1番から7番にシフトした松浦航平(2年・青葉緑東シ)が「打てなくて苦しかった。監督の期待に応えたかった」と、中越えとなる二塁打で出塁するが得点に繋がらない。0対2の5回裏、松浦は「前打席で念願のヒットが出て気持ちが吹っ切れていた。祐也さんを楽にしようと思った。スライダーが内から真中に入って来たので、思い切って振り抜いた」と2対1と追撃となる左越えの本塁打を放った。
1対3とリードされた8回裏の二死から、ノーヒットに抑えられていたクリーンナップ。3番・山田凌(2年・八王子シ)が左線を深く破る二塁打で出塁、続く4番主将・羽田翔(3年・甲府南シ)が死球で出塁し一・二塁とした。5番・小林夏樹(2年・長野北シ)は「監督から『甘く入ってくるスライダーとストレートを狙って行け』という試合前の指示を思い出して無我夢中で打席に入った」。「ここが勝負、後がない」と腹をくくった。「甘く入って来たインコース真中のスライダー。望月投手の唯一の失投」を無心に振り抜いた。「角度も良かったので入ったと思った」と起死回生の逆転3ランで4対3と試合を決める一打を放った。
エース・山田は9回表、先頭打者に中前安打されるが、続く4打数3安打と分の悪い5番を一塁フライに打ち取った。続く6番には右ラインに落ちる安打を浴び一死一・二塁とされるが「安打になった当たりが、何れも打ち取っていたので行けると思った」と、ランナーを背負いながらも代打を三振に打ち取り決勝進出を決めた。山田は、15安打4四死球を与えながらも両サイドを丁寧につく「打たして捕る」山田らしい投球術で3失点としチームに勝利を呼び込んだ。
主将の羽田翔(3年・甲府南シ)は「ナイン、ベンチの中、スタンドと全員の選手、応援してくださった方々の思いが、小林の逆転3ランに繋がったと思う。決勝戦では皆が負けないという気持ちを持ち、自分たちが出来ることを全力でやり抜き、甲子園を目指したい」と気を引き締めていた。
須田喜照監督は「見てのとおり、望月投手は連投にも関わらず、6安打と素晴らしい投球をした好投手だった。相手は15安打、良く祐也を中心に全員で守り抜いた。山田は立ち上がり力んで打者の手元でのキレがなかった。相手の打線に捕らえられていたので、一瞬、7回には中根にスイチしようかと考えたが、ランナーを出しても崩れないエース・山田と心中しようと思いとどまった。山田の力投に松浦や小林などの打線が良く奮起してくれた。明日は、山田祐也しかいないでしよう。平常心で粘れる野球が内の信条なので、粘って粘って甲子園を掴み捕りたい」と、笑顔で語った。(H.K)
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