
奈良県を中心に近畿2府4県で開催される2009インターハイ「近畿まほろば総体」は猛暑の中での熱き戦いが次々に始まった。山梨学院高からは29日のテニス女子団体に続き30日はソフトボール部が全国総体に挑んだ。奈良県生駒市北大和野球場で大阪府代表の羽衣学園と対戦、試合は山梨学院のエース田上沙也加(2年)と羽衣学園のエース信長香菜が投げ合う投手戦となった。4回までは両チームともにヒット2本に抑えられ、ゼロ行進が続いた。山学は5回表に2死1・2塁の場面を作ったがチャンスに1本が出ず得点を奪えなかった。その裏、羽衣は1死2・3塁の場面を作りスクイズに成功、6回裏にもバンドを多用して山学の守備を乱し追加点を上げた。チャンスを生かした羽衣学園が2−0で勝利、ピンチを守り切れなかった山梨学院は初戦で敗退、まほろばの地のグランドに涙を落とした。
≪インターハイ2回戦 山梨学院高VS羽衣学園高(大阪)≫生駒市北大和野球場
山梨学院 |
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0 |
0 |
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羽衣学園 |
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0 |
1 |
1 |
× |
2 |
山学投手 田上 羽衣投手 信長 【2塁打】藤原(羽衣)
生駒市北大和野球場1塁側スタンド最前列には“当意即妙で勝利へ!”の横断幕が張られ、控え部員たちは選手一人ひとりの名前と背番号を書き入れた手作りのウチワを振ってナインを送り出し、試合中声援を送り続けた。山学のエース田上沙也加はライジングボール・ドロップ・チェンジアップをコーナーに投げ分けて的を絞らせないナイスピッチング。一方、羽衣学園のエース信長香菜は全国トップクラスのスピードを誇る伸びのあるストレートで山学打線を抑え込んでいく。4回までは両チームともチャンス場面を作れなかった。山学は5回表に、この回の先頭7番石田美奈(2年)が1塁強襲安打で出塁、8番豊嶋真実(2年)が送りバンドを決め、2死後1番遠藤瑞穂(3年)が四球を選び2死1・2塁としたが後続が打ち取られ得点機を逃した。羽衣は5回裏のチャンスはスクイズで1点を取り、6回裏は先頭の3番がヒットで出塁すると4番・5番が送りバンドを仕掛けて山学の守備の乱れを誘い6番がセンター前ヒットを放ち2−0と突き放した。山学はその後の1死満塁のピンチは好守備で防いだが、羽衣に傾いた流れは呼び戻せず最終回三者凡退に打ち取られゲームセット。挨拶を終えた選手たちは、涙を止めることが出来なかった。この試合を最後に部活を卒業する
遠藤瑞穂主将は悔しさを堪えながら「負ける気はしなかった。どんなに強くても一瞬一瞬のプレーで試合は変わる。自分たちはこれで終わりだが、後輩たちはこの試合のことを忘れないでほしい、この悔しさを忘れないでほしい」。
田上沙也加投手は顔を上げることが出来なかった「3年生と一緒にやれる最後の試合なので、一球一球集中して投げたが点を取られてしまった。練習でやってきたことをやり切れなかった」。目を真っ赤にはらした
室井美月捕手は「自分の配球ミスで1点取られた、沙也加にも先輩にもすまない」2年生バッテリーは悔し涙が止まらなかった。
木場武文監督は「全国大会のレベルは1点を取るか取られるかの戦い、いい合宿を張っていい形で大会に入ったが、ミスをしてはいけないところでミスが出た。しいて言えばその後のピンチを凌いで大量点を与えなかったことは成長、粘りは出てきたと思う。2年生主体のチーム、この悔しさは来年に生かす」指揮官も唇を噛み締めていた。(M.I)
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