日本高等学校野球連盟と朝日新聞社は8月8日、阪神甲子園球場で第91回全国高校野球選手権大会の開会式を行った。真夏の球児たちの行進は、21年ぶり出席の皇太子殿下と約4万人の観衆が見守るなか行われた。第1回に出場した宇治山田の高橋俊平主将(3年)が先導役を務め、昨年優勝校の大阪桐蔭 中谷良也主将が大会優勝旗をもち行進。大会出場校は旭川大(北北海道)から行進し、山梨県代表の山梨学院大附は19番目に姿を現し、羽田翔主将(甲府南シ・3年)が県大会の優勝旗を持ち、市澤広地選手(青葉緑東シ・2年)の掛け声で、登録選手18名が胸を張り、手を振り上げて元気良く堂々と行進。49番目には興南(沖縄)が行進した。4041校(169449名)が参加して行わ れた地方大会の栄冠を勝ち取った球児たち49校(882名)が完全リニューアルされた甲子園を元気一杯に行進し勇士を披露した。満員に詰め掛けた観衆からは盛んに拍手がわき上がっていた。
日本高野連の奥島孝康会長は「君たちの一投一打に全国のファンは感動します。また、ひた向きに最後まで諦めないのが神髄です。17万人の部員の代表として、全力でプレーしてください」と、球児に励ましの言葉を送った。
第70回記念大会以来の皇太子殿下は「球児のひた向きではつらつとしたプレーは国民に夢と感動を与えてきました。母校の故郷代表として、日頃鍛えた力を十分に発揮し、すますます国民に親しまれることを、球児の活躍を、更なる発展を、願っています。選手の健闘に期待します」と述べられた。
優勝旗返還では、前年優勝校の大阪桐蔭の中谷良也主将(3年)が、チームは大阪大会準々決勝でPL学園に敗れ出場は果たせなかったものの、深紅の優勝旗を胸を張り立派に返還した。
選手宣誓で伊万里農林(佐賀)の吉永圭太主将(3年)は「最高の仲間と絆を深め、一生懸命に白球を追い、全国の人々に希望と感動を与えるとともに、91回受け継がれて来た伝統と言うバトンを未来に向けて力一杯伝えていくことを誓います」と、爽やかに力強く宣誓文を読み上げた。
掛け声を担当した市澤広地選手(青葉緑東シ・2年)は「リハーサルでは緊張しなかったが、本番では緊張した。声はリハーサルより大きい声で確り出ていた。合格点です」 と、大奮闘し声がかすれて絞り出すように答えた。
エース右腕・山田祐也(猿橋中・3年)は「楽しく行進できた。球場が広くて綺麗で、観衆が多くて感動した。マウンドから見える景色がイメージ出来て良かった。大会まで体調に気をつけて万全な状態で戦いに挑みたい」と、早くも戦闘モードに気持ちを切り替えていた。
県大会の優勝旗をもち先頭で行進した羽田翔主将(甲府南シ・3年)は「今日の行進は百点満点。後ろも前も間隔がぴったりでとても良かった。大会が開会して山梨県の代表としてプライドをもち、自分たちの野球に徹して頑張ろうと決意を新たにした」と、山梨県代表としての自覚を胸に戦う闘志を再燃させていた。
田中信幸部長は「選手の行進を見てわくわくした。可もなく不可もなく、変な力みがなくて、自然体で堂々と行進してくれた。大変良く出来たと思います」と、選手たちの勇士に手放しで喜んでいた。
ヘリで球場に落とされたボールで、第1回出場の広島国泰寺(広島)の田中怜朗主将(3年)が登板し始球式を行った。主審の合図で投球し、ワンバウンドで捕手のミットに収まった。
西宮市民有志約1200人の『ようこそ』『甲子園へ』『西宮市へ』『ファイト』という人文字が外野席に描き出されると観客席から大きな拍手が沸いた。市民の熱い歓迎に観衆は勿論のこと、選手ら関係者も胸が熱くなったことだろう。
10時20分からは常総学院と九州国際戦が行われ15日間(22日)熱戦の幕が切って落とされた。(H.K)
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