
第91回全国高等学校野球選手権大会(主催・日本高等学校野球連盟、朝日新聞社)第5日目が当初の日程から2日遅れて、8月14日に阪神甲子園球場で行われた。大会5日目第3試合、2回戦からの登場となった山梨学院の初戦の相手は、過去26回の甲子園出場を誇る岐阜県代表の県立岐阜商業高校。
山梨学院の大応援団は、大型バス33台で前日13日の午後11時半過ぎに山梨を出発。帰省ラッシュ等で大渋滞が心配されたが順調に道程を消化し、14日早朝に大阪入りした。途中時間調整を行い、阪神甲子園球場には13時頃到着し、大応援団は第2試合が終わるのをアルプススタンド入り口で期待を胸に待ちわ びた。
試合開始の14時半前には真夏の日差しが照りつけ、アナウンスで選手が紹介されると3塁側アルプススタンドでは、黄色いメガホンが振られ、アルプスの夏山に黄色い花が咲いたようであった。
3塁側アルプススタンドに展開した生徒・OB・保護者・教職員などで構成された大応援団は1,500人以上。生徒たちは、揃いの青いキャップに黄色いメガホン。さらに生徒会メンバーは、揃いの青いTシャツを着て大応援団の最前線で、ベンチ入りを果たせなかった野球部員とともに応援。観客席の列ごとにチアリーダーが彩りを加え、チアリーダーのユニホームとメガホンの黄色、キャップやTシャツの青 がアルプススタンドに映えていた。また、
野球部父母会は、甲子園出場を機に新調した揃いのウェアとキャップで選手たちに「いけー。ガンバレー。」と声援を送っていた。
大応援団は、初回の大量失点で士気が下がりつつも、ブラスバンドの迫力ある演奏とチアリーダーの元気いっぱいの声援で山梨学院らしいノリのいい応援を展開。反撃の機会を伺いつつ、応援団の
川久保大紀団長は「甲子園での応援は地方大会とは違い、雰囲気も相手の応援スタイルも違う。山梨学院は逆転する粘り強い力があるので、大きな声で最後まで全力で応援したい。」と力強く語り、生徒会の
穐山大輔生徒会長は「甲子園での応援は誇り。これまでこの日のために準備してきたので、全校生徒の力を合わせ、精一杯応援したい。」と溌剌とした表情で述べた。選手や観客に勇気や元気を与えるチアリーダー部の
渡辺真弓部長は「初めての甲子園で、緊張や楽しみがあった。チアリーダーにとって甲子園と言う最高の舞台で踊らせてもらえて光栄です。ここに連れてきてもらった、野球部の皆様に感謝の気持ちを持って精一杯応援したい。」と元気いっぱい語った。
ブラスバンドのテンポのいい演奏と大応援団の「ファイト山学、ファイト山学」の声援に、選手達も次第に普段どおりの粘りのある野球を行い、3回表に2点を返し、8回表にはさらに4点を追加し反撃の狼煙をあげた。
しかし、県立岐阜商業も山学に引けを取らない迫力のある統率のとれた応援を行い、選手を鼓舞。山学は9回にも勢いのある応援を行い、選手を後押しするも残念ながら勝利を手にすることは出来なかった。試合終了が決まると、チアリーダーの頬にはキラリと光るものがあった。それが汗か涙かは分からないが、彼女 たちの顔は、最高の舞台で最後まで応援できたことへの自信と誇りで満ち溢れていた。
山梨県大会優勝から19日。応援団やブラスバンド、チアリーダーの選手とともに駆け抜けた、真夏の物語が終わりを迎えた。山梨県大会からの山学ナインの最後まで諦めない姿には、見ている者に何かしらの感銘を与えただろう。そして彼らを応援し続けた者には、言葉には出来ない「宝物」が青春の1ページに書き 記されたことだろう。(Y.Y)
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