山梨学院パブリシティセンター
日本学生選手権水泳競技大会が開幕
〜鈴木聡美が日本新記録で優勝、飯窪・前原が3位〜
〜初の大学日本一に向けて最高のスタート〜

第85回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)競泳競技が“火の国熊本”熊本市・アクアドームくまもとを舞台に9月4日から6日の日程で始まった。競泳のインカレは個人戦の成績を集計して学校別得点を競う大学対抗戦。山梨学院大学水泳部からは男女35人が出場、女子は創部初の大学日本一を目指す。1日目の4日は50m自由形、200mバタフライ、100m平泳ぎなど男女6種目の予選・決勝が行われた。このうち女子100m平泳ぎに出場した鈴木聡美が、田中雅美さんが2000年に記録して以来9年間誰も敗れなかった最も古い日本記録1分07秒27を1秒近くも短縮させる“1分06秒32”の日本新記録を打ち立て圧倒的強さで優勝した。女子200mバタフライで飯窪麻未が3位、女子50m自由形で前原優理が3位に入賞、山学勢は初日に3人が表彰台に上った。1日目が終わった段階で山学大女子は前年優勝の鹿屋体大に36点の大差を付けてのトップ、創部初の大学日本一に向けて最高のスタートを切った。
■ 女子100m平泳ぎ決勝 ≪鈴木聡美≫
高校時代の鈴木聡美(1年 九産大九州)は無名な選手だったが、山学大水泳部のトレーニングで才能が一気に開花した。4月の日本選手権で3位、6月のジャパン・オープンでは1分07秒41で優勝、急激に力を伸ばし一躍日本のトップスイマーに躍り出た。午前中の予選で松島美菜(日大1年)が日本新(1分07秒23)を出し、2位通過の5コースで決勝レースに臨んだ鈴木は、心の中で密かに夢の6秒台を狙いスタートから猛然と飛び出した。25mで頭一つリードして50mは31秒42で通過、場内アナウンスが「鈴木選手の50m通過タイムは日本記録を上回っております」と絶叫、会場のボルテージが一気に上がった。75mを過ぎてもスピードは落ちない、それどころかさらに差を広げた、山学大応援席から「さとみ、行け〜」の大声援、圧倒的強さでゴール板にタッチした、ぶっちぎり優勝だった。レース後大勢の報道陣に取り囲まれた鈴木聡美選手は「前半から行く自分の持ち味を出せました、1分06秒台後半を目標にしていましたが6秒32という日本記録が出せて嬉しいです、大学の環境やトレーニングが自分に合っている」と語った。
■女子200mバタフライ決勝 ≪飯窪麻未≫
1年の時にこの種目で優勝した後、2年・3年と記録が伸びず、ずっと苦闘して来た飯窪麻未(4年 山梨学院高)が最後のインカレで有終の美を飾る素晴らしい泳ぎを見せた。予選を6位で通過し7コースから飛び込んだ、最初に浮き上がってきたのは飯窪だった。スタートから飛び出し50mはトップで通過、100mで2位に、150mで3位に下がったがそこから粘りに粘った。最後まで諦めず、自己ベストに近い2分09秒97でゴール、瞳を潤ませながら表彰台に上った。飯窪麻未選手は「2年・3年と結果が出せなくて苦しかった。後輩のみんなに格好いいところを見せたくて頑張った、みんなが応援してくれてすごく嬉しかった。順位には満足です、努力すれば報われることをメダルが教えてくれました、やっとチームに貢献することが出来ました」涙顔が最後は笑顔に変わった。
■女子50m自由形決勝 ≪前原優理≫
山学大から前原優理(2年 山梨学院高)と下中千明(1年 北陸大谷)の二人が決勝に進んだ。あっという間に勝負が決着する50m自由形決勝、ほとんど横一線だったが、前原一人がやや遅れて25mを通過した。その段階では最下位の8位だったが、前原はそこから一気に挽回。最後は1位から5位までが25秒台という大激戦となった。前原の成績は25秒83で3位、下中は25秒87で5位となった、二人とも自己ベストの泳ぎだった。タッチの差で3位となった前原優理選手は「すごくびっくりしています。冬からの練習に耐えてきた成果が出たと思います。女子は総合優勝が懸かっているので、いい流れを作れたと思います。リレーでも頑張りたい」と笑顔を見せた。
このほかの種目では女子200mバタフライで亀崎あゆみ(4年 近大附)が6位入賞、女子400mリレー(前原優理・下中千明・山岸奈央・霜上美智)5位などとなった。水泳のインカレは各大学の応援合戦で会場全体が3日間にわたり大歓声に包まれる華やかな大会、シード校に与えられる1階特等席中央に陣取った山学大応援席には部員全員で片目を入れた“必勝祈願だるま”が最前列に飾られ、勝負の行方に目を光らせている。神田忠彦監督は鈴木聡美の泳ぎについて「キック力は男子並みの強さがあるが、腕の使い方が悪かった。正直、短期間にこれほど伸びるとは思わなかった、素直でまっすぐな性格が強さの秘密かも知れない」と話し、チームの成績について「予定通り、優勝するつもりでだるまを買い求めて会場に持ち込んだ。全員が力を発揮して初日を終えた」と優勝への手応えをつかんでいた。
大会にはローマの世界選手権で金メダルを獲得した古賀淳也(早大)銀メダルの入江陵介(近大)など代表組17名も参加、日本のトップスイマーが母校の名誉を賭けて競う“火の国熊本頂上決戦”は6日まで3日間繰り広げられる。
1日目順位
女子ベスト3
1位 山学大130点、2位 鹿屋体大94点、3位 近畿大91点、
男子ベスト3
1位 法政大145点、2位 中京大136点、3位 中大120点

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