
第85回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)競泳競技2日目の9月5日、熊本市・アクアドーム熊本で男女5種目が行われた。初日の100m平泳ぎで鈴木聡美が日本新で優勝するなど最高のスタートを切った山梨学院大水泳部は、100mバタフライ決勝に飯窪麻未・松下絵里奈・中坊彩の3人が揃って進み40点を獲得するなど2日目も各種目で順調に得点を伸ばした。中でも大学対抗レースの華、400mメドレーリレーで亀崎あゆみ・鈴木聡美・松下絵里奈・前原優理の4人が大会記録を上回る素晴らしい泳ぎで準優勝を獲得、得点争いに大きく貢献した。男子は、山崎智史が200m個人メドレーB決勝で、決勝の7位に相当するタイムでB決勝1位になった他、400mメドレーリレーでB決勝6位となり得点争い13位タイにつけた。女子は2日目の段階で2位以下に100点近い大差をつける大躍進、創部わずか10年の新興チームが伝統校を押しのけ、一気に参加110大学の頂点に立つことをほぼ確定させた。
女子400mメドレーリレー決勝 ≪亀崎・鈴木・松下・前原≫
山学チームは第1泳者背泳ぎの亀崎あゆみ(4年 近大附)、第2泳者平泳ぎの鈴木聡美(1年 九産大九州)、第3泳者バタフライの松下絵里奈(2年 豊川)、第4泳者自由形の前原優理(2年 山梨学院高)の布陣。予選でチームベストの4分06秒05の大会新をマーク、予選トップで決勝に進出した。2連覇の懸かった決勝レース、山学応援席は総立ちでリレーメンバーを出迎え、ハイタッチで4人をレースに送り出した。第1泳者の亀崎は誰よりも強く反り返ってスタートした。50mを3位で通過し100mは僅差の4位でリレー。第2泳者は100m平泳ぎ優勝の鈴木、すぐに逆転し200mでは1mのリードを作った。第3泳者の松下は100mバタフライ決勝を5位で泳いだ直後にもかかわらず、力強く泳ぎ1位をキープ。アンカーの前原も素晴らしい泳ぎをしたが、世界選手権代表の近畿大アンカー山口美咲にゴールタッチでかわされ、4分04秒70(大会新)で泳いだ近大が優勝、4分04秒73で泳いだ山学大は0秒03差の準優勝となった。レース後、責任を感じて号泣する前原をリレーメンバーだけでなく、主将の山崎ゆかと先輩の坂井菜穂子が駆けつけて慰めていた。チーム一丸となって優勝を目指している今年の山学チームを象徴するシーンがそこに映し出された。亀崎あゆみ選手は「頼りない私をみんなが2年連続で表彰台に立たせてくれた」と感激の涙を流した。鈴木聡美選手は「こんなに興奮したのは初めて、プレッシャーは少しあったがチームの一員として楽しめた」と体を緊張から解放させた。松下絵里奈選手は「4人で力を合わせて頑張った結果」と泳ぎに満足した笑顔を見せた。泣きじゃくっていた前原優理選手は「悔しいけれど、先輩たちが励まして下さって心が少し楽になりました」気持を懸命に切り替えていた。
女子100mバタフライ決勝に揃って進出した山学トリオの成績は、飯窪麻未(4年 山梨学院高)が4位、松下絵里奈が5位、中坊彩(1年 京都外大西)が8位となった。女子200m自由形で決勝に進んだ山岸奈央(1年 春日部共栄)が健闘し5位に入った。女子200m個人メドレーでは坂井菜穂子(3年 東京立正)が6位、山崎ゆか(4年 近大附)が7位となった。
男子の主な成績は、200m個人メドレーB決勝で山崎智史(3年 山梨学院高)が、決勝で泳いでいれば7位に相当する2分02秒45の泳ぎでB決勝1位になった他、400mメドレーリレー(勝村正輝・大須武・山中将義・水口淳一)B決勝6位など。学校対抗得点争いは22点を獲得、天理大・福岡大とともに13位タイとなっている(昨年最終成績11位)。
神田忠彦監督は「個々には取りこぼしもあったが、得点争いの上では最高の出来。100mバタフライ決勝に3人が進み、昨年加藤ゆかさんが優勝して作った20点の2倍にあたる40点を獲得するなど全員が良く頑張っている」と語った。
2日目順位
女子ベスト5
1位 山学大243点、2位 近畿大151点、2位 早稲田大151点、4位 鹿屋体大143点、5位 日体大139点、
男子ベスト5
1位 法政大270点、2位 中央大249,5点、3位 中京大203点、4位 日大199点、5位 早稲田大161点、
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