
文部科学大臣杯2009全日本学生レスリング選手権(インカレ)最終日の9月17日、フリースタイル男子決勝までが行われた。大会は東京・駒沢体育館に大学の精鋭971人が結集、4日間にわたりグレコローマン・フリースタイル・女子レスリングの3種目に熱戦を展開した。最終日最終試合のフリースタイル120kg級決勝に山学大のムジコフ・ボリスが登場、圧倒的強さで相澤優人(日大)にテクニカル・フォール勝ちした。一昨日のグレコローマンに続く優勝で両スタイル制覇。ボリスは昨年の大会も2冠に輝いており、2年連続の2種目制覇、グレコは3連覇ということになった。併せて大会最優秀選手に贈られる文部科学大臣杯を小幡邦彦コーチ以来7年ぶりに受賞、山学史上最強最高の5冠の王者となった。フリー55kg級の小俣将太が準優勝に輝いた他、グレコローマンで96kg級の渡辺瑞其と金澤勝利の2人が3位の表彰台に上がった。
【フリー120kg級決勝】≪ムジコフ・ボリスVS相澤優人≫
ムジコフ・ボリス ○
(山学大) |
TF6−0
2 0
TF6−0 |
● 相澤 優人
(日大) |
最終学年になったムジコフ・ボリス(4年 ロシア)はさらに強さを増し、グレコだけでなくフリーにも敵は一人もいなかった。準決勝までの3試合を圧倒的強さで制し、決勝で相澤優人(日大)と対戦した。第1ピリオド開始早々にバックを取り1ポイント、さらに相手が入ってくるところを押さえてバックに回りローリングさせて第1ピリオドを奪った。第2ピリオドは開始30秒に相手の左足を片足タックルしてバックを取り、ローリングで5-0と大きくリード。さらに52秒に今度は右足を片足タックルしてポイントを奪いテクニカル・フォール勝ち、決勝も相手にレスリングをさせない圧勝で2年連続の両スタイル優勝を飾った。大会最優秀選手に贈られる文部科学大臣杯の受賞は、山梨学院としては藤田尚志・小幡邦彦(現山学大コーチ)以来7年ぶり、留学生としてはルイス・ヴァレラ(日大)以来14年ぶりの受賞となった。
ムジコフ・ボリス選手は「緊張したが、やりたかったことは出来た。いつも勝つことを目標にやって来たがもう4年生、時間がとても速く過ぎていると思う、残りの試合も全部優勝したい」とだいぶうまくなった日本語で語った。
【フリー55kg級決勝】≪小俣将太VS藤元洋平≫
小俣 将太 ●
(山学大) |
0−3
0 2
0−1 |
○ 藤元 洋平
(早大) |
小俣将太(4年 霞ヶ浦)は赤のユニホームで決勝のマットに上がった。小俣は第1ピリオド開始早々から片足タックルを試みるなど軽快なフットワークで攻めた。藤元は守りの姿勢を固めて対抗し両者ポイントなしで2分間終了、ボール・ピックアップで出てきたのは藤元の青色、小俣は必死にこらえたが持ち上げられて倒され、この時左足を痛めた。第2ピリオドの小俣は痛みをこらえて攻めるが、ガードを固めて隙を見せない藤元はポイントを許さない。ピリオド終了直前に両足タックルに行ったところを逆にバックに回られて1ポイントを取られそのまま試合終了、準優勝となった。小俣将太選手は「足をちょっと痛めたが前に出た。ガードされて自分の組み手になれず攻め切れなかった、もっと色々な技を覚えなければいけない。減量が大変だが来週から始まる国体は山梨のために頑張る」と話した。
この他の選手の成績、グレコローマンは96kg級の渡辺瑞其(4年 宮城県工)と金澤勝利(1年 種市)の2人が3位。55kg級梶 雅晴(2年 育英)、74kg級長洞啓太(4年 東北工大附)、96kg級有薗拓真(2年 育英)、120kg級増田拓也(2年 佐倉南)、原口卓也(1年 三井)がベスト8。フリースタイルは55kg級梶 雅晴、84kg級小室直人(4年 霞ヶ浦)、96kg級金澤勝利がベスト8だった。
高田裕司監督は4日間の大会を振り返り「優勝を期待したフリー66kg級の森川が3回戦で敗れるなど全体的な成績はよくなかったが、ボリスは4年間よく頑張ってくれた、小俣も減量がきつい中で健闘した。優勝数が多いのは早大3、日体大2、山学大2で、戦国時代になって来た」と語った。
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