第62回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第5日)は9月19日、甲府市の小瀬球場で2回戦3試合を行った。第3試合には夏の甲子園に出場した山梨学院が登場。山梨学院は甲府昭和と対戦し、御箱の繋げる野球で9対0(7回コールド)で勝ち3回戦に進出した。シードの山梨学院は1回裏、先頭打者の青山祐己と鈴木悠介の連打で無死一二塁。続く3番・山田凌の犠飛で先取点を挙げると、山梨学院は2回裏にも相馬彰吾の安打と犠飛で2対0とした。3回裏には山梨学院の繋ぐ野球が炸裂、1四球と5安打を絡める打者一巡で4点を奪い試合を決めた。結局、3打数3安打1犠打2打点の3番・山田などの活躍で、12単打2四球5犠打3盗塁と、繋ぐ野球で9得点を奪った。投げては、エース左腕・中根龍也が6イニングを72球(3安打2四球3三振)投げ、公式戦初登板の1年生右腕・田口蒔人が1イニングを14球(1安打1四球1三振)投げ、継投で甲府昭和を完封した。山梨学院は22日、小瀬球場の第2試合(午前11時30分)で、駿台甲府と巨摩の勝者とベスト8進出を賭けて戦う。
■山梨学院は1回裏、先頭打者の青山祐己(2年・浦安シニア)が「相手遊撃手の動きを見て、転がせば何とかなる」と狙い澄ましての安打で出塁。続く2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シニア)「監督からバスター・エンドランのサインが出ていたので、2球目をバントからバットを引いて強振した」と左前安打し一三塁とした。3番・山田凌(2年・八王子シニア)は「最低でも外野フライでランナーを還したかった」と左への犠飛で先取点を奪った。
■2回裏、先頭打者の6番・相馬彰吾(2年・猿橋中学)は「2球続けて変化球で0ー2となったのでストレートに絞り振り抜いた」と左前安打で出塁。相馬はパスボールで2塁に進塁し、さらに内野ゴロで三塁に、8番・中根龍也(2年・大田シニア)の左犠飛で生還し2ー0とした。
■3回裏の一死後、2番・鈴木は「サードの動きを見てセーフティーバントで出塁できる」と判断し内野安打。左打ちの3番・山田は「ランナーを進めようと引っ張りを意識して打席に入ったが、真中に甘い球が来たので左前安打できた」と一二塁とした。続く4番・小林夏樹(2年・長野北シニア)の左飛で二三塁とした二死後、主将の5番・松浦航平(2年・青葉緑東)の四球で満塁とした。6番・相馬は「2ー3から決め球のストレートを狙い撃ちした」と左前2点適時打と捕手らしい読みで4ー0とした。続く、7番・角田皓太(2年・千葉市シニア)の中前適時打で5ー0、8番・中根の左前適時打で6ー0とした。
■4回裏、先頭打者の青山が四球で出塁し、2番・鈴木の犠打で二塁。3番・山田の右中間安打で三塁に進塁し、4番・小林の中犠飛で生還し7ー0とした。
■6回裏、8番・中根の代打、大平智徳(2年・八王子シニア)は2ー3からファウル、ファウルと粘り8球目を中前安打し出塁。9番・高橋雅英(2年・三島シニア)の二塁ゴロでフォースアウト。高橋は1番・青山の0ー2のとき、俊足を生かし盗塁。青山は「監督のサインは打て。最悪でもランナーを進めるために自分の持ち味を生かす一塁側にセーフティーバントをした」と一三塁とした。続く2番・鈴木の右犠飛で、高橋が生還し8ー0とした。二死二塁で3番・山田は、2ー3から6球目を中前適時打し9ー0とした。
■投げてはエース左腕・中根龍也(2年・大田シニア)が「新チームになりエースナンバーをもらい、初戦ということもあり多少緊張し、球が甘くなった」と反省。中根は6イニングを72球の3安打2四球3三振の無失点にも不満げだった。また、公式戦初登板の右腕・田口蒔人(1年・青葉緑東シニア)は「公式戦初登板だったので、コースだけを意識して投げた」4番、5番と2アウトを取り勝利を意識したのか6番に「0ー1からの2球目の球を置きに行ってしまった」と左越え二塁打を打たれる。これにリズムを崩されたのか続く7番打者に四球を与えて一二塁とされたが、8番を遊撃飛に打ち取り1イニングを14球投げて1安打1四球1三振とした。エース左腕・中根と右腕・田口の継投で甲府昭和を完封した。
■新主将の松浦航平(2年・青葉緑東シニア)は「チームは甲子園と言う大舞台での経験者が多いので、試合なれしていて心強い。しかし、今日は初戦とあって課題が多かった。守りでは連携ミスや四球で無駄なランナーを出してしまった。打撃では犠飛が多く、安打で得点できなかった。次回までに、これらを修正したい。1年生大会でキャプテンを務めたので負担ではない。チームをまとめるのが自分の仕事。自分は今日、ノーヒットだったので次回はヒットを打ってチームをリズムに乗せたい。 一戦一戦大事に戦い、関東大会に駒を進めて甲子園に行きたい」と、初戦を終え緊張感が解けたのか落ち着いて試合を振り返り抱負を述べた。
■須田喜照監督は取材陣に「今日のチームの、試合運びを見てまだ物足りなさはある。守りでは、1回の表に声を掛け合うアピールプレーをしていたなら、何でもない内野ゴロなのに失策してしまった。内の野球は守りから攻撃に繋げる野球。次回までには、ここの精度を上げたい。中根はノラリクラリのピッチングなので、エースとして何の心配もしていない。田口は、怪我と風邪で思う練習が出来ていない。オープン戦6イニングの実践しかない。今がどん底の中で、良いデビュー戦だったと思う。これからは、練習を積み上向く一方、頑張ってもらいたい。チームは、一戦一戦、目の前の相手を倒し、一歩一歩前に進みたい」と、試合を冷静に振り返り答えた。
■山梨学院は、夏にチャレンジャーとして甲子園の出場を決めた。世評では2年生の甲子園組が多く残っているので、最強チームとの評価が高い。選手や監督の言動からは、「新チームは、どこのチームとも横一線。相手は関係ない、自分たちのプレーが出来ることに集中する」。そして、「常に課題をもち練習に励みチャレンジして行く」と、至って沈着。そんなチームに、つい多くを期待してしまうのは私だけか? (H・K)
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