
関甲新学生野球2009秋リーグ戦は9月19・20日の両日、山梨学院・川田未来の森運動公園野球場で1部校6大学の第3節リーグ戦を行った。山学大は常盤大と対戦、19日の第1戦はエース雨宮 敬が粘りの投球で要所を締め1−0で秋のリーグ戦初勝利を挙げた。20日の第2戦は佐藤嘉紘が2安打完封、先発全員安打の猛攻で10−0(7回コールド)と連勝、勝点1を獲得した。関甲新(かんこうしん)学生野球は、平成5年に北関東・甲信越大学野球連盟から関甲新学生野球連盟に名称を変更、1部、2部、3部リーグを設立。19大学が加盟し1部リーグの6大学は2戦先勝方式の勝点制、2〜3部は2戦のみの勝率制でリーグ戦を行っている。山学大は春のリーグ戦では1部最下位の6位だった。秋のリーグ戦はここまで上武大・作新学院大に連敗していたが、第3節で流れを変える勝点を獲得、今春就任した元巨人の左腕エース高橋一三監督は「初めて投打が噛み合ったいいゲームだった」と選手を称えた。
爽やかな秋晴れの2日間、甲府市川田町の山梨学院・川田未来の森運動公園野球場には山梨学院チアリーダー部のパフォーマンスとウインドブラスアンサンブルの演奏が響き渡り、応援と声援が山学ナインの闘争心に火を点けた。
≪ 山梨学院大 VS 常磐大 ≫第1戦(19日)於 川田未来の森野球場
常磐大 |
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山学大 |
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山学大 ○雨宮―此川 常盤大 ●一丸―大橋
山学大の先発は雨宮敬(4年 山梨学院高)、常盤大の先発は一丸昂司(2年)。両チームのエース対決となったこの試合は、1点を争う投手戦となった。両エースの投げ合いで、淡々と進んだ試合は7回の攻防で勝敗が決まった。先にチャンスを作ったのは常盤大、7番大橋と8番藤田の連打などで2死2・3塁と雨宮を攻め立てた。しかし、ランナーは出してもそこから粘りの投球を見せてきた雨宮は、この場面でも冷静な投球で1番小松崎を3塁ゴロに打ち取った。ピンチの後にはチャンス、山学は4番高橋 将(3年 山梨学院高)のフォアボールを足がかりに1死2・3塁の場面を作り、7番の主将作田和樹(4年 木更津総合)がスクイズを決めて貴重な1点を奪った。雨宮はヒット9本を許しながらも得点を与えず、チームに秋のリーグ戦初勝利をもたらした。
雨宮 敬投手は「ブルペンでは調子が悪かった。要所で低めに投げるピッチングで粘りやっと勝てた、ここから波に乗っていきたい」と苦心の投球を振り返った。
≪ 山梨学院大 VS 常磐大 ≫第2戦(20日)於 川田未来の森野球場
山学大 |
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常磐大 |
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7回コールドゲーム
山学大 ○佐藤―此川 常盤大 ●藤原・藤井・高橋・斉藤―大橋
【本塁打】煖エ(山)【三塁打】山内・此川(山)【二塁打】此川・高木(山)
一夜明けての対戦はホームが遠かった前日とは一変、1回表から山学の猛打が爆発した。2死3塁で打席に入った4番のDH高橋 将がインハイの直球を真っ芯で捕らえ、レフトフェンス中段に突き刺さる2点本塁打で豪快に先制した。2回表には8番此川 悠(4年 山梨学院高)のタイムリー2塁打、黙々と努力する姿を見て高橋一三監督が先発に起用した川島一哉(4年 豊岡)のセーフティバンド、1番土橋浩章(4年 韮崎)と3番成田竜也(3年 木更津総合)のタイムリー安打など5安打を集中させ4点を奪った。山学打線は3回・4回にもリリーフ陣から追加点を奪い4回で10対0として試合を決めた。この試合の山学は先発全員安打、13安打の猛攻だった。先発完投した佐藤嘉紘(3年 清水商)は1回の立ち上がりは球が高めに浮いたが2回以降は完ぺきなピッチングを見せた。常盤打線をヒットわずか2本に押さえる7回コールド完封勝ちだった。
佐藤嘉紘投手は「前節は自分のサヨナラ負けでチームに迷惑をかけた、借りを返すことができた。このあと1週間あいだが空くのでしっかり調整して、次は今日よりもっと良く投げたい」気持ちを次の登板に向けていた。先制ホームランの
高橋 将選手は「インハイのストレート、打った瞬間に行くだろうと思った。上武大戦に次いでの2本目だが、打率が良くない。次は春優勝している白鴎大戦なので挑戦者のつもりでがむしゃらに挑んでいきたい」と話した。
作田和樹主将は「ホームでの戦い、応援の力を借りて一丸となって勝つことができた。1点差で勝つのも10点差で勝つのも同じ、勝ったということがチームにとっては大切。次の試合も普段通りの力を出せるよう、皆の気持ちを一つに高めるよう努力したい」と語った。
試合後、2日間にわたり西日に照らされながら応援を続けたウインドブラスアンサンブルとチアリーダー部員に対し、選手たちは整列して「皆さんにパワーを貰っていい試合をすることが出来ました、ありがとうございました」最敬礼で感謝の気持ちを伝えた。
高橋一三監督は試合を終えた選手に対し「私が就任してから初めて投打が噛み合ったいいゲームだった。ミスを次のバッターがカバーして得点を取り、2死からも追加点を奪った。ピッチャーとバッターが連係してチームが一つになった」と選手を称えた。取材人の質問には「コツコツと一生懸命努力している川島・赤池ら、これまで試合に出ていなかった選手を先発に起用した、いい場面で打ってくれた。春は最終戦でやっと勝点を取ったが、秋は早い段階での勝点でいい弾みになる。次は春の優勝校との対戦、食らいついていく」。闘志を秘めた物静かな語り口だった。
山学大の次の試合は、1週間あいだを挟み10月3・4日の両日、春のリーグ戦優勝の白鴎大と群馬県伊勢崎市の上武大野球場で対戦する。(M.I)
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