山梨学院パブリシティセンター
第62回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第8日)
〜山学 エース左腕・中根の完封でベスト8〜
〜4回裏 二塁打の鈴木が生還し決勝点〜

第62回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第8日)は9月22日、甲府市の小瀬球場で3回戦3試合を行った。第2試合は夏・春連続の甲子園出場を目指す山梨学院が、巨摩と対戦し1対0で勝ち準々決勝に進出した。山梨学院は、息詰まる投手戦の0対0で向かえた4回裏。先頭打者の2番・鈴木悠介はインコース高めの直球をジャストミートし左線を破る二塁打で出塁すると、3番・山田の二塁ゴロで三塁に進塁。続く、4番・小林夏樹の左犠飛で「当たりが大きかったので余裕をもって生還で来た」と、ホームを踏み1対0とした。結局、これが決勝点となった。2回戦で12安打放った打線は、巨摩の守りの前に二塁打2本と単打2本の4安打と精彩を欠いた。守っては、エース左腕・中根龍也が1 06球、無四球、1三振、6安打と、三塁を踏ませることなく、無失点に抑える安定した投球術でチームを勝利へと導いた。山梨学院は27日、小瀬球場の第2試合(12時30分)で、富士学苑とベスト4進出を賭けて戦う。


■山梨学院は、2回戦の駿台甲府戦で17安打を放つ打撃戦の末に9対8で破った巨摩と対戦。先発はエース左腕・中根龍也(2年・大田シニア)。エース・中根は1回表、先頭打者を内野失策で出塁させる展開にも、後続を捕飛、左飛、二塁ゴロに仕留めエースの貫禄を見せた。
■その裏の二死後、前試合3打数3安打と波に乗る3番・山田凌(2年・八王子シニア) が1ー0からの2球目を左線を破る二塁打でチャンスをつくるも、4番・小林夏樹が遊ゴロに打ち取られ先取点を挙げることが出来なかった。
■2回裏先頭打者の1年・田口蒔人(青葉緑東シニア)は、「バッティングが良いので5番に起用した」(須田監督)との監督の期待に、「緊張はなかった。2ー2からの直球」を振り抜くと左へ、左翼手がさがりながらフェンスに激突しながら捕球。スタンドからはどよめきが沸き起こったが「バットの先だった」とフェンスを越えることはなかった。だが、その存在感を誇示すには十分な当たりだった。
■4回裏、先頭打者の2番・鈴木悠介(2年・青葉緑東シニア)は「インコース高めのストレート」をジャストミートし左線を破る二塁打で出塁。3番・山田は「外を攻められたので二遊間を狙い、悪くても進塁させるバッティングに徹した」と、二塁ゴロで鈴木を三塁に進塁させた。続く、4番・小林夏樹(2年・長野北シニア)は「1回にチャンスを潰したので、鈴木を絶対還そうと思った」と、1ー1からの3球目を左犠飛。これで鈴木が先取点のホームを踏み1対0とした。
■6回裏、先頭打者の俊足9番・高橋雅英(2年・三島シニア)は、初球を中前安打し出塁。1番・青山祐己(2年・浦安シニア)の1ー0から牽制が2球行われた後に、スチールを試みるが捕手の二塁への送球でタッチアウトとなりチャンスを潰した。
■8回表、エース左腕・中根は先頭打者に1ー0から左前安打され、犠打で二塁に進塁された。しかし、後続を中飛、一塁ゴロに打ち取った。
■8回裏、6番・相馬彰吾(2年・猿橋中学)は2ー1から左前安打で出塁。主将の松浦航平(2年・青葉緑東)の犠打で二塁に進塁したが、後続が打ち取られ生還できなかった。
■1対0で向かえた9回表、エース左腕・中根は先頭打者を投ゴロに、後続を中飛、左飛に打ち取りる技巧を披露。結果、エース中根は106球、無四球、1三振、6安打と、三塁を踏ませることなく、無失点に抑える安定した投球術でチームを勝利へと導いた。

エース左腕・中根龍也(2年・大田シニア)は囲む記者に「チームの守りからテンポをつくり攻撃に繋げる投球に徹し、自分の持ち味である三振を取るより打たせて取る投球に専念出来た」と試合を振り返り、「次の試合は、今日以上に集中して臨みたい」と自身に言い聞かせていた。

主将の松浦航平(2年・青葉緑東)は「負けていた試合。勝って反省ができることに感謝したい。反省点は、相手の外野が深く守っていたのに、各打者が大きいフライを上げてしまったこと。また、ゴロを打つ練習に励んだのにフライで倒れてしまったこと。今日は中根に勝利を呼び込んでもらった。次回までに、練習し反省点を克服したい」と、試合を振りかえるとともに、次回へ闘志をみなぎらせていた。

須田喜照監督は取材陣に「今日の試合はマイナス四十度。打者は空回りしすぎて、内容が悪すぎた。勝てたのが奇跡。相手投手のスライダーと、深く守る相手の守備に翻弄された。野球の怖さを知ったと思う。次回までに気持ちを切り替えさせ修正したい」と酷評。他方、「エースの中根は、自分の持ち味を出して良く投げてくれた。初めて5番に起用した田口も、5番らしく思い切り良くプレーしてくれた。2回裏のレフトフライはスタンドに入ったと思った」と評価。

■山梨学院は、攻めては4安打と抑えられ苦戦を強いられながらも1得点を奪った。守っては、6安打されながらも無失点に抑えた。特に8回表はノーアウトの打者を背負い犠打で二塁に進塁されるも慌てることなく、後続を打ち取り危なげなくベスト8へと駒を進めた。須田監督の「打線は水物、堅守から少ないチャンスをものにする」という、チームスローガンを掲げての、日頃の練習が実を結び勝利を呼び込んだのだと思う。次の試合も、自分たちの野球に徹して、勝利を勝ち取ってもらいたいと願う。(H・K)
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