山梨学院パブリシティセンター
平成21年度関東大学テニスリーグ
〜山学大が入れ替え戦で筑波大を下し1部に昇格〜
〜創部からわずか4年 最速で強豪校の仲間入り〜

平成21年度関東大学テニスリーグは9月30日、女子入れ替え戦を行った。2部2位で入れ替え戦に進出した山梨学院大女子テニス部は1部5位の筑波大と対戦した。試合は筑波大グラウンドで行われる予定だったが、雨のため茨城県稲敷市のすだちインドアテニスクラブに移動して行われた。山学大女子テニス部は平成18年に強化育成クラブとして誕生し初年度5部優勝、一昨年4部優勝、昨年3部優勝し今期は2部に昇格した。2部初戦の慶大戦には敗れたが、第2戦以降は青学大・東海大・日体大・駒大を連破して4連勝。疾風の速さで入れ替え戦に進出、最短最速で1部に昇格した。伝統校と肩を並べ強豪の仲間入りをした部員たちは、指を1本突き上げて1部昇格の笑顔をカメラに向けた。
秋雨の影響で会場がインドアに変更され、午前中は1面、午後からは2面での試合運営となったため、試合の進行は大幅に遅れた。開始したのは午前9時40分、競技が終了したのは午後6時25分。夢が実現された日は4年間でもっとも長い1日となった。

<D2 三浦麻奈美・大澤愛加ペア VS 恒松瑞希・品田祐希ペア >
最初の試合は主将の三浦麻奈美(4年 山梨英和)と新人の大澤愛加(1年 学芸館)組がコートに立った。大澤のサービスエースで第1セット第1ゲーム開始。三浦・大澤ペアは第2ゲームで相手のサーブをデュース7回の末にブレークして波に乗った。4年間チームを引っ張ってきたキャプテン三浦にとってはこの試合が引退試合、ボールに気迫を乗せ、4年間で最高のプレーをした。6−2、4−6で迎えた第3セット、二人の呼吸が完全に一致、6−0のストレートで勝利。チームに勢いがついた。三浦麻奈美選手・大澤愛加選手は「第1セットは簡単に取れたが、やはり相手は1部校、簡単には勝たしてくれない。最終セットは気持ちが引いた方が負けだと思い、気合で押しました(三浦)。リーグ戦を主将と組んで一度も負けないでやってきた。全勝で引退してもらうことが出来てよかった(大澤)」二人はチームに流れを呼び込んだ。

<D1 阿部瑠美・奥田なる美ペア VS 前澤かおる・畑中葵ペア >
阿部瑠美(4年 徳島商)・奥田なる美(2年 堀越)ペアの相手前澤・畑中ペアはダブルスランキング上位の格上の相手、厳しい戦いが予想された。第1セット第5ゲームまでは、互いにサービスをキープ。第6ゲームで山学ペアがブレークして試合が動いた。気迫が違った。山学は勝負どころで相手のサーブをブレーク、こちらのピンチは強い気持ちで乗り切った。6−3で第1セットを取り、その勢いを第2セットに持ち込んで最後は畑中のボールがネットにかかり6−2で終了、連勝でダブルス戦を終えた。阿部瑠美選手・奥田なる美選手は「チャレンジャーなので攻めて行った。最初のD2ペアが取ってくれたので思い切ってトライすることが出来た。今までで一番良かった(阿部)。戦績は相手の方が上だったが集中して向かっていった。勝ててよかった〜(奥田)」2連勝でチームは勢いに乗った。

<S2 牛山菜緒子 VS 関真由美 >
牛山菜緒子(4年 山梨学院高)にとっても、この試合が引退試合。試合前は心の高ぶりを抑えることに集中した。フォアでつなぎ、得意のバックで決めるいつも通りのプレーをしようとコートに向かい、気力で相手を圧倒した。6−0,6−3、圧勝だった。牛山菜緒子選手は「自分が勝ってチームを引っ張ろうと思って待っていた。まさかストレートで自分の出番になるとは思わなかった。皆の応援のおかげでいつも通りのプレーが出来ました」3連勝で昇格に王手をかけた。

<S5 大麻桃子 VS 田島亜也奈 >
大麻桃子(3年 鳥取東)と田島亜也奈の試合は、2時間半を超える長い試合となった。互いにベースラインに腰をすえてのストロークを繰り返すラリーの応酬、ミスしたほうがポイントを奪われる消耗戦となった。健闘及ばず4−6,6−2,2−6で敗れ、対戦成績は3勝1敗となった。

<S4 奥田なる美 VS 津田恵実 >
奥田なる美は小柄ながら全身を使ってパワー溢れる強打を放つ。一方、津田は長身を利してのプレーを図ったが、力は奥田のほうが上だった。第1セット6−0、第2セットも5−0まで圧倒した。しかし、勝ちが見えた途端に奥田のプレーが乱れた。ミスを連発して5−3とされた。若さが出た反省材料だが、気持ちを切り替えて第9ゲームを40−15から取り勝利した。奥田なる美選手は「3勝1敗で自分の番になり、自分にかかってきたが、第2ゲームの5−0までは思い切りいけた。勝ちが見えたら急におかしくなってしまった、最後は自分のプレーが出来ました」この勝利の瞬間に山学の1部昇格が決まった。

<S3 大澤愛加 VS 畑中 葵 >
大澤と畑中が試合を始めた段階ではまだチーム戦の決着は付いていなかった。第1セットは両者激しく打ち合い一歩も引かない展開となった。第10ゲームが終わったところで5−5のタイ、そこから大澤が一気に2ゲーム連取して7−5でセットを奪い、第2セットは勢いに乗って6−0と圧倒して勝利した。大澤愛加選手は「相手はインカレ上位の選手、守るものはないので押していった。審判やボウラーを務めてくれてサポートしてくれたチームメートに感謝しています。来年は1部といっても6位、捨てるものは何も無いので、今年と同じようにどんどん押して行きたい」この段階で5勝1敗となった。

<S1 阿部瑠美 VS 前澤かおる >
最後に4年間山学の絶対的エースとしてチームを支えてきた阿部瑠美が登場した。相手の前澤はこれまで一度も勝ったことのない強敵、両エースの対決は火花を散らすものと見られた。しかし、ラストゲームにかける阿部の気力が前澤を圧倒した、6−1,6−0、阿部の一方的な勝利で全ての試合が終了した。阿部瑠美選手は「直接対決では一度も勝っていなかった、絶対勝ちたいと思って臨み、皆の勢いが勝たせてくれた。個人的にしっかりテニスをやりたいと思って山学に来て最初は自分のことしか考えなかった。学年が上がるに連れて下級生が増えて気持ちも目標も高くなった。今は支えてくれた皆と山梨学院に感謝したい」チームを支えてきたエースは、自分を支えてくれた仲間と大学への感謝を言葉にした。

≪関東大学テニスリーグ1部2部入れ替え戦≫ 於 すだちテニスクラブ

 

山梨学院大

 

筑波大

 

D2−0

S4−1

D1

阿部瑠美・奥田なる美

6-3,6-2

×

前澤かおる・畑中葵

D2

三浦麻奈美・大澤愛加

6-2,4-6,6-0

×

恒松瑞希・品田祐希

S1

阿部瑠美

6-1,6-0

×

前澤かおる

S2

牛山菜緒子

6-0,6-3

×

関真由美

S3

奥田なる美

6-0,6-3

×

津田恵実

S4

大澤愛加

7-5,6-0

×

畑中 葵

S5

大麻桃子

×

4-5,6-2,2-6

田島亜也奈


長い1日の最後に歓喜の時が訪れた。円陣でのエール交換を終えた選手たちを集めた富岡好平監督の目は潤んでいた「宣言したとおり歴史を残せたことに感激した、感無量です。4年生は1年の時から自分たちでチームを作るのだと努力してチームを引っ張ってくれた。下級生たちがそれに応えて一人ひとりが一生懸命プレーし、全員で応援して1部を勝ち取ることが出来た。高校のレベルで見ると上のレベルでなくても、地方でもやれるのだということを皆が立証してくれた、選手と指導陣、大学が一体となっての勝利」と喜びを表現した。三好勲コーチは「いくつもの負けた試合から反省してここまで来た。4年生が残してくれた置き土産を下級生は1部でさらに大きくしていきましょう」と明日を見詰めた。三浦麻奈美主将は「5部からのスタートだったが、長かったようで短い4年間でした。何の歴史もなく少ない人数だったけれど、今年は20人に増えて念願だった1部に昇格させて引退することが出来ます。自分の成績が出なくて自信が持てなくなった時もあったけれど、周りの色々な人のおかげでやってこれました、ありがとうございました」苦悩と努力の末に得た1部だった。三好コーチと4人の4年生が次々に胴上げされ、ナイター照明の光の中で歓喜の輪が広がった。(M,I)
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