平成21年度関甲新学生野球秋季リーグ戦(第6節)第1日は10月10日、埼玉県の平成国際大学野球場で2試合が行われた。第一試合は山梨学院大学と平成国際大学が対戦。山梨学院は、攻めては5回裏二死後に1番・土橋浩章が2ー2からの内角真っ直ぐを中前安打。2番・坂田親哉の四球で一二塁とし、続く3番・成田竜也の中前適時打で土橋が生還し先取点を奪った。2対1とされた7回裏、1番・土橋は左前安打で出塁し、四球と犠打で三塁へ、指名打者4番・此川悠の犠飛で生還し3対1とした。土橋は「1番打者としチームに流れを呼び込みたかった」と、この日4打数3安打とマルチヒットを放つ大活躍 。山梨学院は、さらに7回裏に5番・林の中越え二塁適時打で、4対1と平成国際を突き放した。 守っては、成長著しい3年の佐藤嘉絋が先発。188センチの長身から繰り出す140キロ台の伸びのある直球と変化球で6回まで4奪三振2安打と好投。しかし、7回表二死後から2連打されて1失点すると、8回表にも1失点し、4対2でエース雨宮敬のリリーフを仰いだ。エース雨宮は、4対3と詰め寄られ満塁とされるものの落ち着いたマウンド裁きで、4番打者を併殺ゴロに仕留め、平成国際に勝ち点で王手をかけた。山梨学院は明日正午、同球場で平成国際と戦う。
平成国際 |
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山梨学院 |
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× |
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[山梨学院]
投手:佐藤(8回、141球、7安打、3四球、8三振、失点2、自責点2)
雨宮(1回、26球、2安打、2四球、失点1、自責点1)
捕手:村川(逸球1、許盗塁1)
二塁打 林
▲山梨学院は1回表、マウンドに成長著しい右腕・佐藤嘉絋(3年・清水商業)を送った。佐藤は「初回から気持ちを入れて飛ばした」と、先頭打者を外野飛、2番に四球を与えるものの3番を三振、4番を内野ゴロに打ち取り素晴らしい立ち上がりを見せた。
▲その1回裏一死後、2番・坂田親哉(4年・済美)、3番・成田竜也(3年・木更津総合)、指名打者4番・此川悠(4年・山梨学院)が、相手右腕から連続安打し満塁とした。しかし、5番・林亮佑(1年・育英)が「先取点を欲しかった。左中間、右中間を狙って打席に立ったが、力んでしまった」と、内野ゴロの併殺に倒れチャンスを潰した。
▲山梨学院は5回裏二死後に、1番・土橋浩章(4年・韮崎)が「0対0だったので流れを引き寄せたかった」と、2ー2からのインコース真直ぐを中前安打。2番・坂田親哉(4年・済美)の四球で三塁へ。続く3番・成田竜也(3年・木更津総合)の「佐藤が良く踏ん張っていたので土橋を還したかった」と、内角高めの直球を中前適時打し先取点を奪った。
▲6回裏、この回から投手交代した左腕から、 5番・林亮佑(1年・育英)は「直球に山を張って打席に入った。初球読みどおりに直球が来たので迷いなく振り抜いた」と 右前安打を放ち出塁し、主将・作田和樹(4年・木更津総合)の犠打で進塁。ここで、左の代打の切り札・赤池勇輝(2年・甲府工業)を打席に送ったが右飛に倒れ二死二塁となった。8番・村川達則(2年・北越)は内野ゴロ、これでチャンスを逸したとスタンドから溜息が漏れたが、相手内野の失策で一三塁とした。ここで高橋監督は、もう一人の左の切り札・折居祐(2年・甲府工業)を指命。折居は右前適時打を放ち、監督の起用に見事に答え2対0とした。
▲7回表に188センチの長身から繰り出す140キロ台の伸びのある直球と変化球で6回まで4三振2安打と好投していた先発の佐藤が、二死後から2連打されて2対1とされた。
▲山梨学院は2ー1とされた7回裏、3人目の投手右腕から1番・土橋は「1点取られたので1点取り返そうと思い、2ー1からの外のチェンジアップを強振した」と出塁、2番・坂田の四球、4人目の投手右腕から3番・成田が犠打し土橋は三塁へ、4番・此川の犠飛で土橋が生還し3対1とした。続く5番・林亮佑(1年・育英)は「『伊藤コーチからサインは出さない。思い切って行け』といわれた」と、任されたことを意気に燃えて外の高めの真っ直ぐを叩き、中越え二塁適時打で4ー1と突き放した。
▲8回表、疲れの見える佐藤は平成国際に3安打されながらも失点を1点に抑えた。
▲9回表、4対2でエース雨宮敬のリリーフを仰いだ。エース雨宮は、マウンドがしっくり行かないのか何度も何度も足で整える。8番を中飛に打ち取るも、9番と1番に四球を与えて一死一二塁、2番・3番に連打されて4対3と詰め寄られ満塁。しかし、雨宮は落ち着いたマウンド裁きで4番を内野ゴロで併殺に仕留めエースとしての貫禄を見せつけ、平成国際に勝ち点で王手をかけた。
■先発した右腕・佐藤嘉絋(3年・清水商業)は「今日は落とせない試合。白鴎戦で崩れチームに迷惑をかけた。初回に悪いときは崩れるので、悔いが残らないように最初から飛ばした。今日は腕が振れて、ストレートが走っていた。カーブ、スライダーも良かった。村川捕手のリードを信じて投げた。終盤、得点されて雨宮さんに助けてもらい、チームが勝てて良かった」と、大事な一戦を白星スタート出来て安堵していた。
■主将・作田和樹(4年・木更津総合)は「今季のリーグ戦は中盤から若い力が良い形で出て来て、勝っているので大変雰囲気が良い。4年生は、最後まで諦めることなく、残り少ない時間、試合で、チームに何か残したいと思っている。明日は全員野球に徹して、楽しく、元気よく、積極的に戦い、自ら後輩に範を示したい」と将来を見据えて力強く述べた。
■高橋一三監督は「今日は大事な一戦だった。両投手をつぎ込んでも勝ちたかった。チームは粘って粘って勝つことが出来るようになった。チームは着実に力をつけて来ている。こうした競り合う試合に勝つことでしか、教えられないことがある。今日の試合に勝ったことによって、選手は多くを学び培ってくれたと思う。選手にとって良い財産になった。攻めては、先取点をとり、すぐ得点されても、すぐ取り返し、リードを広げることも出来た。また、先発の佐藤は6回まではストレートが走り素晴らしい投球をしてくれた。7回、8回は打たれながらも最少失点で、雨宮に繋ぐことが出来たことが大きい。雨宮は落ち着いて良く裁いてくれた。予定どおりの展開。明日は、さらに大事な試合となる 。 勝つことによって、可能性(2位=関東大会出場)が残る。バッテリーは雨宮、村川。捕手の此川には指名打者4番でバッティングに集中してもらい、攻めの要として大活躍してもらいたい。とにかく総力戦で、今日以上にもっともっと積極的に戦う。このことにより、選手のもっている潜在能力がさらに呼び起こされる」と、4位から2位までを視野に熱く語った。(H.K)
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