
第88回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は10月18日、3回戦8試合を3会場で行った。第3シードの山梨学院高はホームグラウンドの山梨学院和戸第1サッカー場で4年前の優勝校甲府東高と対戦した。この試合、前半の山梨学院は引いて守備を固める甲府東ディフェンスを攻めあぐね、なかなか得点を奪えなかったが、33分にFW加部未蘭が左後方からのクロスボールをヘディングで合わせ先制した。サイドが変わった後半は、山学が一方的に攻め上がる展開となり、5分にFW伊東拓弥がボレーシュートを決めたのを皮切りに、次々に得点を奪い、最後は6−0として完勝した。山学イレブンは6月に関東大会で優勝した後、ケガ人が多く出たが、ここに来てレギュラー陣がほぼ復帰、優勝を狙う体制が整った。この日ベスト8が決まり、山学、航空、韮崎、帝三、上野原、河口、都留、桂が次週25日に行われる準々決勝に進出した。山梨学院は昭和町押原公園天然芝グラウンドにおいて午後1時の日程で上野原高と対戦する。
試合は甲府東のキックオフで午前10時に始まった。立ち上がりは両校の気迫が激突、山学は主将のMF碓井鉄平(3年)を起点にサイドにボールを回して攻めるが、守りを固めた敵陣を崩せない。甲府東は前半15分、山学のボールを高い位置でカットしてカウンター攻撃、ゴール前に詰めてシュート、GK松田ラン(3年)が好セーブして阻止したが、山学ベンチは一瞬ヒヤッとさせられた。しかし、甲府東がシュート場面を作ったのはこの時だけ、このあとは山学が敵ボールを早めにカットして一方的に攻める展開となった。前半33分、FKを得た山学は碓井が右45度35mの地点から鋭いボールをゴール前に上げ、このボールを186cmの長身FW加部未蘭(2年)が体を反転させながら頭で合わせゴール左にゴール。前半を1−0で折り返した。
ハーフタイムの山学ベンチ、選手たちは「サイドを狙いすぎてミスが出ている、もっと落ち着いてやろう」互いに声を掛け合い士気を高めた。
吉永一明ヘッドコーチは「なかなか点が入らないのが普通のサッカー、焦ることはない。サイドばかりでなく真ん中のFWをもっと使うように」と指示して再びピッチに送り出した。
サイドが変わった後半は、山学が一方的に攻め続ける試合展開となった。後半5分、FW伊東拓弥(3年)が左からのクロスボールをボレーシュートで決めて2点目、19分に伊東が再びネットを揺らし3−0、28分に碓井がPKを落ち着いて右隅に突き刺し、40分に後半途中から出場した鈴木峻太(3年)、ロスタイムには宮本龍(2年)がそれぞれゴールを割り、大量6点を奪って完勝した。
高校サッカー山梨県大会 3回戦 (10/18) 於 山梨学院和戸第1サッカー場
山梨学院高 6 |
{前半1−0} |
0 甲府東高
|
{後半5−0} |
得点 加部未蘭、伊東拓弥2、碓井鉄平 鈴木峻太 宮本龍 |
碓井鉄平主将は「前半はパスがうまくいかなかったが、前半終りに未蘭が点を取ってくれて落ち着いた。後半は相手が疲れてきてパスが回った。選手権にはまだ一度も出ていないので頑張って行く」照れ屋の主将が言葉に力を込めた。
横森巧監督は「けがをしていたレギュラー陣がようやく戻って来て、関東大会優勝時の戦力に戻った。もう少しミスのないゲームをしないと上は目指せない。相手がゴール前でミスした決定的事項を得点に出来ないチームは負けていく。絶対やってやるという迫力がないと駄目だ」百戦錬磨の老将は選手と自らの気持ちを奮い立たせていた。 (M.I)
|
アルバム1 |
アルバム2 |