山梨学院パブリシティセンター

第41回全日本大学駅伝
~山学大、エース不在なるも総合力で5位、シード権確保~
~詰めの甘さやスタミナの活用が今後の課題~


第41回全日本大学駅伝が11月1日、名古屋市熱田神宮から伊勢市伊勢神宮までの8区間106.8キロで行われ、紅葉色づく伊勢路を舞台に、駅伝大学日本一を決める熱いレースが繰り広げられた。「全日本大学駅伝」は、10月の「出雲駅伝」正月の「箱根駅伝」とともに大学三大駅伝の一つと称され今年で41回を数える。先月の出雲駅伝を制した日本大学を含む、昨年度6位までのシード校や各地区予選会 を勝ち抜いた全国の代表25校とオープン参加の東海学連選抜チームの26チームで競われる。今年、23年連続23回目の出場となる山梨学院大学は、エース・コスマスを体調不良で欠きながらも、キャプテンの岩田真澄や今年の箱根駅伝9区・区間賞の中川剛、駅伝初出場で区間2位の力走を見せた松枝翔らの走りで、5時間2 6分05秒の5位でゴールテープを切り、来年度のシード権を獲得した。また、出雲の覇者・日本大学が5時間21分04秒で優勝し大学駅伝2冠を達成し、以下2位・東洋大学、3位・明治大学、4位・早稲田大学、5位・山梨学院大学、6位・中央大学などとなった。


午前6時、選手や応援団が集まり始めた早朝の熱田の杜上空は、厚い雲で覆われていたが、スタート時には雲の切れ目から青空を覗かせ、戦国駅伝の幕開けを告げているかのようであった。午前8時10分、106.8キロの大学駅伝日本一を決める戦いが静かにスタートした。

■第1区(愛知県・熱田神宮西門 → 弥富市筏川橋西詰 14.6km)
 後藤敬(4年 高千穂) 44分57秒[15位]  総合・44分57秒「15位」
後藤はスタート直後、自分のペースを確認するかのように落ち着いた表情で集団の中ほど左側をキープ。第一工大のキラグ・ジュグナが集団から抜け出してからは、10キロ付近まで4位集団に属し懸命に順位を落とすまいと食らいついたが、最後まで粘れずトップから2分10秒差の15位で2区の高瀬に襷を繋いだ。

■第2区(弥富市筏川橋西詰 → 三重県・川越町高松 13.2km)
 高瀬無量(3年 市立尼崎) 39分03秒[4位]  総合・1時間24分00秒「8位」
高瀬は、15位で襷を受け取ると区間4位の走りで7人抜きをし、トップ駒澤と1分42秒差、シード権内の6位明治まで31秒差まで追い上げ、3区の松本に襷を繋いだ。

■第3区(川越町高松 → 四日市市六呂見町 9.5km)
 松本葵(4年 鹿児島商) 29分11秒[10位]  総合・1時間53分11秒「10位」
松本は、ペースをあげることが出来ず、東農大・木下と日大・堂本にかわされ順位を2つ落とし、トップ駒澤と2分22秒差、シード権内の6位明治とは57秒差で4区の大谷に襷を繋いだ。

■第4区(四日市市六呂見町 → 鈴鹿市寺家 9.5km)
 大谷康太(4年 出雲工業) 42分49秒[6位]  総合・2時間36分00秒「8位」
大谷は先月の出雲駅伝5区で区間賞、昨年の全日本は7区を走り区間5位の好走をしている。今年は10位で襷を受けるとスピードを上げたが、残り3キロを残し足が止まり、区間6位の走りで順位を2つ上げ、トップ早稲田と2分30秒差、シード権内の6位東海に40秒差で5区の小山に襷を繋いだ。

■第5区(鈴鹿市寺家 → 津市上浜町 11.6km)
 小山大介(4年 倉敷商) 35分36秒[7位]  総合・3時間11分36秒「8位」
小山は昨年度と同じ5区を任された。昨年より18秒遅れて区間7位の走りで8位のまま、トップ明治に2分41秒差、シード権内の6位第一工大と23秒差で6区の松枝に襷を繋いだ。

■第6区(津市上浜町 → 松阪市曽原町 12、3km)
 松枝翔(2年 鹿児島実業) 36分53秒[2位]  総合・3時間48分29秒「6位」
松枝は、大学駅伝初出場。今年度の10,000mの記録は29分42秒57。駅伝初出場ながらも区間2位の力走を見せ、前を行く東農大、駒澤をかわし、シード権内の6位に躍り出た。積極的な走りで存在感を示し、トップ明治と2分18秒差にまで縮め、7位駒澤には33秒差をつけ、7区の岩田に襷を繋いだ。

■第7区(松阪市曽原町 → 松阪市豊原町 11.9km)
 岩田真澄(4年 富山商) 36分41秒[6位]  総合・4時間25分10秒「5位」
7区はキャプテン岩田。キャプテンらしい力強い走りで、前をいく東海・永田をとらえ5位にまで浮上。東海に16秒差をつけ、区間6位の走りでトップ明治に2分53秒差で8区アンカー中川に最後の襷を託した。

■第8区(松阪市豊原町 → 伊勢神宮内宮 19.7km)
 中川剛(4年 豊岡南) 1時間00分55秒[4位] 総合・5時間26分05秒「5位」キャプテン岩田から襷を託された中川は、今年の箱根9区区間賞の実力者。今日のレースでは一時後方から迫る駒澤・深津に抜かれるも粘りのある走りで後につけ抜き返し、5位を死守。トップの日大・ダニエルがトップでゴールテープを切ってから5分22秒後の5時間26分05秒の5位で小雨が降る中フィニッシュ した。


1区を走った後藤敬選手は「コースの起伏が足にきて思い通りの走りが全く出来なかった。区間15位と遅れて後輩に助けられて不甲斐ない。今回の反省を克服して箱根ではしっかりと走れるようにしたい。」と悔しそうに語った。
一方、5位のゴールテープを切った中川剛選手は「シード権争いの重圧があったが最低でも5位を守るつもりで走った。早稲田に近付けたが抜けなくて悔しい思いをした。焦りはなかったが力不足だった」とレースを振り返った
上田誠仁監督はレース後に報道陣に対し「結果は、シードが取れてホッとしている。コスマスが走れず体制が十分ではなかった。エースが不在ということで選手は意気込みすぎていた部分があった。詰めの甘さやスタミナの活かし方などを箱根までに修正を加えなければいけない。1つのミスが痛手になるので箱根では図太く精度の高 いレースをしたい。」と語った。


戦国駅伝と評されるように次々と順位が入れ替わり、シード権内のチームも入れ替わった。その中で山梨学院は、エース不在ながらも選手一人一人が自分がやるべきことを意識し、総合力で取り組み、5位・シード権を獲得した。箱根駅伝まで残り2ヶ月。それぞれが課題を克服し、チームとして粘りのあるレースを展開し“ 勝利”することを期待したい。(Y.Y)
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