
男子第60回、女子第21回全国高校駅伝競走大会山梨県予選兼関東高校駅伝県予選が11月3日、西湖の湖畔コース、男子7区間(42,195km)、女子5区間(21,0975km)で行われた。男子16校、女子12校が出場、男女各1校の全国大会(12月20日・京都市)への出場権を賭け各校がたすきをつないだ。男子は午前10時30分、女子は10分遅れの同40分に西湖レストハウス前をスタート、雪化粧の富士と紅葉が迎えた湖畔道路で、高校生アスリートが寒風の中を疾走した。レースの結果、男子は山梨農林が大会新(2:11,06)で連覇、2位山梨学院、3位韮崎となった。女子は、山梨学院が3連覇を狙ったライバル韮崎に一度もトップを明け渡すことなく終始リード、1分29秒の大差をつけて優勝(1:14,17)、2位韮崎、3位巨摩となった。山学勢は男女とも1区予定のエースが体調不良で欠場したが代役が好走、女子は3年ぶり9回目の都大路出場を決めた。男子は60回記念大会のため地区代表枠があり、21日に同じ西湖畔で行われる関東大会で復活出場を目指し再挑戦する。
レース前日の夜、女子のエース深田伊万里(2年)が風邪の症状を訴え、朝になっても喉の痛みは消えなかった。渡辺繁生監督は深田の出場を断念、当日変更で、大石真利那をアンカーにエントリー、鈴木千晴をエース区間の1区に回してレースに臨んだ。急遽起用された大石も、他の4人も山学女子は全選手が任された区間をしっかり走った。
1区の
鈴木千晴選手(1年)は「最初は不安でしたが、都大路を決めた時の笑顔を胸に描いたら気持ちが前に出て、1年生らしく思い切って挑戦しました」、韮崎のエース田中花歩(3年)と堂々と渡り合い10秒差をつけてトップリレーした。2区の
黒岩みさき選手(1年)は「何回も試走していたのでコースは分かっていました。1秒でも早く次の人につなごうとラップはあえて見ないで走りました」、起用された二人の1年生がともに快走、2位韮崎との差は1分17秒に広がった。3区を任された主将の
田中里実選手(3年)は「伊万里が走れないことで不安はありましたが、監督からピンチをチャンスに変えろと言われ、仲間を信じて任された区間をしっかり走ることに専念しました」、キャプテンは気力でチームを引っ張った。4区の
山崎 楓選手(2年)は「途中まではしっかり走れましたが最後はどう走ったか分からない、夢中で『頼んだぞ!』と叫んでたすきを渡した気がします」小柄なファイターはハチマキに“全身全霊”と縫い込み「やるからには全力で取り組むという意味を込めて」全力で走った。5区のアンカー
大石真利那選手(2年)は「出る予定ではなかったので、今朝監督から言われて緊張したが走り出したら思ったより軽かった。沿道の人の『後ろは、まだ来てないよ』という声で安心して走れました。右腕の人差し指を突き上げてゴールしたのは、みんなで話し合って決めていた『1位だぞ』決めポーズです」、アンカーは爽やかに笑った。
一方男子は、1区を予定した有泉 潤(2年)が体調不良で欠場。1区手塚祐太朗(2年)、2区笹本晴希(2年)、3区平塚祐三(2年)、4区上田誠斗(2年)、5区進藤亮太(3年)、6区原 寿人(2年)、7区大竹智樹(3年)の布陣で臨んだ。6区の原 寿人が区間賞を取ったが、他の区間は全て農林(4区・7区は区間新)の選手が取り、2時間11分06秒の大会新で優勝した農林に3分23秒差をつけられ、2時間14分29秒の準優勝だった。
渡辺繁生監督「男子は1区で出遅れて流れを作れなかったが、農林の記録は大会新、相手が強すぎた。女子は1区に起用した鈴木・5区の大石など、全員が力を発揮してくれた、深田を使わずに勝てたのは自信になる。12月の全国に向けて万全な体調を作り、10番前後を目標にしたい」、視線を師走の都大路に移した。 (M.I)
総合順位(上位6位校に関東大会出場権)
男子
1位山梨農林、2位山梨学院、3位韮崎、4位山梨園芸、5位巨摩、6位桂、
女子
1位山梨学院 2位韮崎、3位巨摩、4位山梨農林、5位桂、6位都留、
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アルバム女子 |
アルバム男子 |