
平成21年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会が11月14日、千葉ポートアリーナで開幕した。男女7階級の柔道日本一を決める大会に山梨学院大から初日の女子の部に13名が出場した。今年の山学大女子は最軽量の48kg級と52kg級の2階級に各3人を送り込むなど、軽量級に人材が豊富、48kg級3年の浅見八瑠奈には2年ぶり優勝、52kg級1年の加賀谷千保には初優勝が期待された。浅見八瑠奈は、先月の全日本学生で敗れた近藤香(帝京大)を3回戦で下し決勝に進出、ライバル山岸絵美(三井住友海上)と対決した、指導1対指導2の僅かな差で敗れ準優勝となった。一方、加賀谷千保は3回戦で同学年の渡辺美樹(東海大)に一本負け、3位決定戦でも中3の山本杏(六角橋中3年)に優勢負けで5位に終わった。この他黒江優希(48kg級)、浅海静香(52kg級)、飯田有香(70kg級)、山部佳苗(78kg超級)が3位決定戦まで進み何れも5位となった。男子の部は15日で山学大からは5名が出場する。
【浅見八瑠奈(3年 新田)】48kg級
2回戦から登場、笠原歩美(日体大)を優勢勝ちで下し、3回戦で10月の全日本学生体重別選手権で敗れた近藤香(帝京大)と対戦した。開始25秒に小内刈りで有効を奪い、そのまま有利に試合を進めて勝利、雪辱を果たした。プールファイナル(準決勝)の伊部尚子(筑波大)戦はGS(ゴールデンスコア)方式の延長戦でも決着がつかず、3人の審判の旗判定までもつれたが3−0で判定勝ち。福見友子・山岸絵美・浅見八瑠奈の3強の一人、ライバル山岸絵美との決勝に臨んだ。浅見と山岸は喧嘩四つ、右利きの浅見に対し左手リードの山岸、両者は激しく組み手を争った。開始2分、山部伸敏監督から「距離を詰めろ」の指示、果敢に飛び込んで背負い投げを見せたが不十分、残り1分20秒で両者に指導、残り56秒で浅見だけに指導2の判定、僅かな差で山岸の勝利となり、浅見は準優勝となった。
浅見八瑠奈選手は「今回は優勝を狙っていたので悔しいです。差はあまり感じなかったが、攻め時に攻めきれなかった。逆に指導狙いの相手の足とり攻撃を3回連続許したことが敗因だと思う。来週の第1回女子体重別団体優勝大会では自分の役割をしっかり果たして、皆で優勝したい」と語った。
【加賀谷千保(1年 藤枝順心)】52kg級
2回戦の秋吉沙織(帝京大)戦は内股1本勝ち。3回戦の橋本優貴(金沢学院大)戦も鮮やかな内股で1本勝ち。プールファイナルの渡辺美樹(東海大)戦も押し気味に進めたが、残り52秒で大腰を決められ逆転負け。3位決定戦では気持ちを切り替えられず中学3年の山本杏(横浜・六角橋中)に良い所なく敗れた。
【黒江優希(2年 横須賀学院)】48kg級
2回戦の末成雅子(横浜国立大)戦は、背負い投げ1本勝ち。3回戦の宝真由美(コマツ)戦はGS方式延長戦でも決着つかず判定(3−0)で勝利。プールファイナルで優勝した山岸絵美に敗退。3位決定戦で近藤香に敗れ5位。
【浅海静香(3年 広陵)】52kg級
1回戦の阿部宏美(道都大)戦は横四方1本勝ち。2回戦の津村美希(環太平洋大)戦もけさ固め1本勝ち。3回戦の叶梨絵(福岡大)戦はGS延長で背負い投げで有効を奪い勝利。快調に進んだがプールファイナル戦で、優勝した西田優香(了徳学園)に指導2で優勢負けした。3位決定戦では橋本優貴(金沢学院大)に横四方固を決められ5位。
飯田有香(3年 渋谷教育学園)70kg級
1回戦で杉本明日翔(淑徳大)に勝利。3回戦で渡辺美奈(コマツ)に敗退。3位決定戦に進んだが5位。山部監督は「力のある選手に勝って3決まで進出した。これを機会に自分の柔道に自信を持ってもらいたい」と健闘を評価。
山部佳苗(1年 旭川大附)78kg超級
2回戦の松村市子(千葉薬品)戦は横四方固めで勝利。3回戦は石山麻弥(帝京大)と対戦、払い腰で有効ポイントを2回取られ、敗者復活戦に回った。敗復で山本恭奈(桜丘高)に勝利したが、3位決定戦で強敵の田知本愛(東海大)に開始早々に寝技に持ち込まれ5位となった。
山部伸敏監督は「目標の優勝を取れなかったのは残念。3位決定戦に5人回ったが、負けた後の切り替えが出来ていなかった。3位と5位では大違い、3位だと強化選手の可能性があるが5位だと難しい。総体的なレベルは上がっているが、そこから3位・2位・優勝に持って行くことが今後の課題。連戦で厳しい戦いになるが、来週の第1回女子体重別団体優勝大会は初の女王の座を取りに行く」と総括した。 (M.I)
浅見八瑠奈選手アルバムはこちら