
山梨学院大学は11月16日、山梨学院メモリアルホールにおいて第11回山梨学院アルテア室内管弦楽団演奏会を開催した。この演奏会は毎年秋に実施され、今年で11回目を数え、やまなし県民文化祭協賛事業として山梨におけるクラッシック音楽の普及、向上に貢献している。今年はメンデルスゾーン生誕200周年を記念してメンデルスゾーン特集が組まれ、序曲「真夏の夜の夢」op.21、「ヴァイオリン協奏曲」ホ短調op.64、交響曲第4番「イタリア」イ短調op.90などが演奏された。演奏会は昼の部と夜の部で構成され、昼の部では山梨学院小の2年生〜6年生までの児童約300人と山梨学院中の全校生徒約290人が鑑賞し、東京フィルハーモニー交響楽団やNHK交響楽団などに所属する一流の演奏家らの演奏に耳を傾け、「音」を身近に感じ楽しんでいた。夜の部では県内のクラッシック音楽ファンや地域の人々などが鑑賞し、休憩時間にはワインや日本酒、ソフトドリングが振舞われ高尚な音楽の調べとともに秋の夜長を満喫していた。
1年に1度だけ編成される山梨学院アルテア室内管弦楽団は豪華な顔触れとなっている。コンサートマスターは三浦章広氏(東フィル・コンサートマスター)が務め 、ヴァイオリン奏者14人、ヴィオラ4人、チェロ4人、コントラバス3人、クラリネット2人、オーボエ2人、フルート2人、ファゴット2人、トランペット2人、ホルン2人、チューバ1人、ティンパニー1人の39人で編成され、山梨学院短期大学の白河和治教授がタクトを振った。メンバーはいずれも東フィルやN響、東京交響楽団、東京都交響楽団などに所属し、日本国内だけでなく海外などでも広く活躍している。
昼の部の演奏曲目は以下の5曲で、より多くの曲を鑑賞するため、曲によっては第1楽章のみの短い編成で演奏された。夜の部では、以下の曲のうち◎(二重丸)のものが全章演奏された。
◎メンデルスゾーン作曲 序曲「真夏の夜の夢」 op.21
◎メンデルスゾーン作曲 「ヴァイオリン協奏曲」ホ短調 op.64
◎メンデルスゾーン作曲 交響曲第4番「イタリア」イ長調 op.90
○メンデルスゾーン作曲 「夜想曲」(真夏の夜の夢より)
○モーツァルト作曲 フルート協奏曲第1番ト長調
昼の部では、ヴァイオリンやヴィオラの弦楽器の細やかで繊細な音色や弓使いに驚き、普段目にすることのない様々な楽器の演奏を体で感じていた。また、モーツァルト作曲のフルート協奏曲では東フィルのフルート首席奏者の斉藤和志氏がソリストを務め、透き通る音色と息づかいが聞こえる迫力ある演奏に驚き、目を大きくして聞き入っていた。曲の合間には、白河教授が曲が作られた時代背景や歴史、特徴的な箇所を分かりやすく解説し、中学生らは自分の知っている歴史や地域と重ね合わせ感慨深げに頷いていた。
昼の部の最後には楽団メンバーへの質問コーナーが設けられ、一日の練習時間や、スランプの克服法、上手になるためにはどうすれば良いかなどの質問が出され、メンバーらは一つ一つ丁寧に回答していた。夜の部では、県内のクラッシック音楽ファンや地域の人々などがメンデルスゾーンの名作を鑑賞し、休憩時間には県内産のワインや日本酒、ソフトドリンクが振舞われ、秋の夜長にワインと一流の音楽を堪能し贅沢な時間を過ごしていた。(Y.Y)
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