山梨学院パブリシティセンター
山梨学院ワイン講座2009
〜日本のワイン文化を作る人々〜
〜第1回ぶどう栽培論〜

山梨学院生涯学習センターは11月27日、山梨学院ワイン講座2009「日本のワイン文化を作る人々〜夕べのテーブルにおいしい日本ワインをのせるため〜」を開講させた。第1回のテーマはぶどう栽培論、新しいぶどう栽培技術「新短梢(しんたんしょう)栽培」の発案者小川孝郎氏が「原料生産の課題と新短梢栽培」と題して講演を行った。小川氏は講演の中で「山梨をワイン産地として売り出したいのなら、作り手と絞り手、ワインメーカーが共生・共感できる産業にしなければいけない」と熱く語った。このワイン講座は、ワインには食文化、流通、サービス、産業振興など醸造以外にも多くの論点が見いだされると山梨学院生涯学習センターが昨年から取組を始めた講座、今年度は5回の開催が予定されている。第1回の講座には講演だけを聞くハーフ・コースに36人、ワインの味をテイスティングするフル・コースに26人が参加、秋の夜のキャンパスに大人のワイン談議が花開いた。


最初に挨拶した山梨学院生涯学習センター永井健夫センター長は「国内有数のワイン産地に立地している大学として、本学なりにワインの世界に貢献できる方法があるだろうと昨年から取組を始めました。講座への参加を通じて、ワイン産業やワイン文化について理解を深めて頂きたい」と参加者に語りかけた。総合講師として5回の講座をコーディネートするワインツーリズムLLP代表の笹本貴之さんは「ワインそのものではなく、ワインにかかわるもの全体がワイン文化、講座を通じてその文化を作り出す人々にスポットを当て、山梨のワイン文化の全体像が見えるようにしたい」と話した。第1回の講師グリーンファーム山梨の小川孝郎氏は、元県農務部職員、効率よく高品質のぶどうを作り出す「新短梢栽培法」の考案者。講演の中で小川孝郎さんは山梨のぶどう酒生産の生い立ちから、歴史、現状の問題点などについて話し、「ヨーロッパはアルカリ土壌、日本は酸性土壌、ヨーロッパと同じワインを作ろうとしても無理な話、山梨の土壌ではどの栽培がいいのか、どのワインがいいのか、気象と土壌と栽培方式の観点から捉える必要がある。山梨をワイン産地として売り出したいのなら、作り手と絞り手、ワインメーカーが共生・共感できる産業にしなければいけない」と情熱を込めて熱く語った。講演の後、フル・コース参加者は小川氏が栽培する甲州市塩山千野の畑産ぶどうを醸造したワインなど3品を飲み比べるテイスティングを行い、意見を交換した。(M.I)
アルバムはこちら


第1回 11月27日(金) ぶどう栽培論
「原料生産の課題と新短梢栽培」
小川 孝郎(グリーンファーム山梨/新短梢栽培発案者)

第2回 12月11日(金) ワイン醸造論
「酒造り比較考 ―ワイン醸造の特徴―」
飯村 穰(元山梨大学大学院教授 <生命工学分野>)

第3回 1月15日(金) ワイン産業論
「ワインツーリズムと地域の力 ―日本と海外の比較―」
鹿取 みゆき(フード&ワインジャーナリスト)

第4回 1月29日(金) ワイン行政論
「ワインにかける公務員の挑戦 ―3つの現場(ぶどう畑・ワイナリー・市場)の真ん中で―」
仲田 道弘(山梨県ブランド推進監)/石原 久誠(甲州市ワイン振興担当)

第5回 2月5日(金) ワインサービス論
「山梨のワインをなぜ売るのか―中心市街地にあるカフェの日々の試み―」
大木 貴之(フォーハーツカフェ店主/企画法人セツゲツカ代表)

Copyright (C) 2008 YGUPC. All Rights Reserved.