
山梨学院大学松本武彦ゼミは12月7日、記者会見を行い「第2回甲府検定」を明日8日から実施すると発表、合わせて第3回は問題を一般から公募し中国語版も作成する考えを明らかにした。“甲府検定”は、松本ゼミの昨年度ゼミ生が今年1月にWeb上で実施したご当地検定。出題・解答・解説・認定証発行を全てインターネット上で行う学生考案のユニーク検定として評判を呼び、実施期間中は甲府市公式ホームページのアクセス数が急増するなどの波及効果も生まれた。8日からの「第2回甲府検定」は今年度ゼミ生の4人の中国人留学生が出題を担当、フィールド活動で得た知識や高校の歴史教科書などを基に、初級問題20問、中級問題20問を作成した。ホームページ上で1か月間出題され、1月8日に解答・解説が発表される。松本ゼミとWebシステムを担当する経営情報学部伊藤栄一郎研究室は、次年度の第3回検定については日本内外から広く問題を募り、グローバルな視点から日本語版と中国語版を作成する計画を立てている。
外国人留学生が“地域検定”に取り組むこのユニークな試みは、3年前の松本武彦ゼミ(総合教育基礎セミナー)の学生が地域検定ブームの中で「大学がある甲府市のことを楽しみながら知ろう」と発案したのが原点。昨年度のゼミ生が研究成果を「第1回甲府検定」として発表、今年度のゼミ生である4人の中国人留学生がゼミ伝統の勉強スタイルを引き継いだ。4人は甲府市編さんの「マンガ版甲府市史」「中国語版甲府市パンフレット」や「井上靖著『風林火山』中国語版」「高校日本史教科書」などで知識を広げるとともに、フィールドワークで昇仙峡を訪ね、ほうとうや月の雫などの独特の食文化も体験して問題を作成した。
出題内容は「甲府市の鳥は何?」など初級問題編20問、「信玄堤が設けられた河川はどれ?」など中級問題編20問。HPにアクセスした人が初級か中級かを選択してそのままウェブで回答することが出来る択一回答方式。出題の二分の一は留学生が考えた問題、四分の一は前年ゼミからの引き継ぎ、残りの四分の一は第1回の回答者からの提案で構成されている。出題は1月7日まで続けられ、1月8日から解答・解説編がアップされる。回答を寄せた人にネット上で認定証を発行するほか、希望者にはカード型認定証が発行される。
4人の中国人留学生はいずれも経営情報学部3年生。4人は記者会見でそれぞれ感想を語った。
蘭 洋(ラン ヨウ)さん「日本の歴史に興味がありゼミに参加した。初級第3問は美しい昇仙峡に感動して問題文を作った」。
鐘 平(ショウ ヘイ)さん「日本の教科書は、一つ一つの事件・出来事についてとても詳しく叙述してある。古代から現在までひとつのまとまり(継続性)を持っていることを知った」。
李 涛(リ トウ)さん「武田信玄に関心がありもっと詳しく調べたかったが、日本語能力が十分でなく、もっと多くの資料を調査できなかった事が残念」。
馬 鋭(マ エイ)さん「日本の事は判らないことがたくさんある。自分が住んでいる甲府市の事から勉強しようと思ってゼミに参加した。知識が豊富になった事が最大の収穫」。
次回の「第3回甲府検定」について、指導に当たっている
松本武彦教授は「自分たちだけでは視野が狭いので、山梨県人以外の観点から新しい魅力を発見したいと考えた。第2回のホームページ上で第3回の出題募集を呼び掛け、11月ごろに実施したいと考えている。外国人からの出題も期待しています。平易な問題を基本にして、外国に山梨を紹介する形になればと願っている」と語った。
伊藤栄一郎教授は「第3回では、日本語版と中国語版の両方にトライして見たい。出来れば英語版をとも考えたが、システム上の問題で壁を乗り越える必要があると判断し見送った」と話した。
留学生がグループ研究で作り上げた「第2回甲府検定」、インターネットの検索キーワードは「第2回甲府検定」(アドレス
http://itolab.com/kofu/)問題の出題期間は1月7日まで、1月8日に解答・解説編がアップされる。 (M.I)
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