山梨学院パブリシティセンター
「食育のすすめ−大切なものを失った日本人−」
〜服部幸應氏を講師に食育講演会〜
〜「食育」は各家庭の「食卓」から〜

山梨学院短期大学は12月16日、山梨学院メモリアルホールにおいて服部幸應氏を講師に食育講演会「食育のすすめ−大切なものを失った日本人−」を開催した。この講演会は、平成19年度文科省現代GP選定事業「県や栄養士会と連携した地域食育推進の取組〜食育推進ボランティアを通じた学生の食育実践力の育成と地域貢献〜」の一環として実施されたもので、学生や一般市民およそ600人が聴講した。講演の中で服部氏は「食育は「選食能力」「衣食住の伝承」「地球環境」の3つの柱が基本になっており、各家庭での幼少時代の「食卓教育」が特に重要である」と述べ参加者たちはメモを取るなどして熱心に聞き入っていた。




会場となった山梨学院メモリアルホールには栄養学や保育学などを学ぶ山梨学院短大の学生のほか、幼稚園児や中高生などの保護者およそ600人が集まった。講師を務めたのは学校法人服部学園、服部栄養専門学校理事長・校長で医学博士でもある服部幸應氏。服部氏は、内閣府や厚生労働省、農林水産省、文部科学省などの食育関連委員会の委員を務めており、食育を通じた生活習慣病や地球環境保護活動などに精力的に取組んでいる。この講演会は、山梨学院短大の平成19年度文部科学省現代的教育ニーズ取組支援プログラム選定事業「県や栄養士会と連携した地域食育推進の取組〜食育推進ボランティアを通じた学生の食育実践力の育成と地域貢献〜」の一環として山梨県や山梨県栄養士会の後援で実施された。
「食育のすすめ−大切なものを失った日本人−」と題された講演の中で服部氏は、「選食能力」「衣食住の伝承」「地球環境」の3つの柱が食育には重要だと示し、それぞれを具体的な数字やデータなど挙げ解説した。「選食能力」では、食品偽装や産地偽装、人体に危険な食品添加物が蔓延る今、安全・安心・健康な食品を選ぶ能力を身につけることが必要だと述べ、「地球環境」では、スローフード運動や地産地消、有機野菜の購入などで消費者の意識を変え日本の食料自給率を向上させ、「産業革命」から「農業革命」へとシフトし地球環境を守ることが大切であると語った。また、「衣食住の伝承」については、昔は各家庭で行われていた「食卓教育」が現在は孤食や家族がバラバラに食事をしているため行われず、箸が正しく使えない子どもや正しい姿勢を維持できない子どもが増えていることを指摘した。食育は幼少時代、特に3歳から8歳までの期間の食卓教育が重要であると述べ、講演の結びで服部氏は「100匹の魚を与えるよりも釣り針と釣り糸の使い方を教えよ」という言葉を例に家庭教育と学校教育の役割を語り、家庭と学校での一層の食育の推進を訴えた。(Y.Y)
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