
男子第60回、女子第21回全国高校駅伝競走大会が12月20日、京都市西京極陸上競技場を発着点に行われ、記念大会となる男子は地区代表を加えた58校、女子は各都道府県代表の47校が寒風の都大路で母校の襷を繋いだ。山梨からは、女子は3年ぶり9回目の山梨学院高、男子は2年連続19回目の山梨農林高が出場した。午前10時の天候は晴れ、気温9度、湿度48%、南西の風1,2m、絶好のコンディションで女子のレースが始まった。1区を任された山梨学院のエース深田伊万里はスタートから積極果敢に飛び出し、先頭で集団を引っ張った。しかし、故障上がりの体調は万全ではなく、次第に遅れ35位で襷をつないだ。山学チームは2区の鈴木千春、3区黒岩みさき、4区田中里実が快走、順位を27位にまで上げたが、アンカーの山崎楓が伸び切れず最終成績は1時間13分39秒、32位となった。女子の優勝は愛知代表の豊川高、男子の優勝は広島代表の世羅高、山梨男子代表の山梨農林は2時間09分43秒で34位だった。
京都・西京極陸上競技場に、3年ぶりに山梨学院の幟がはためいた。バックスタンドに陣取った山梨学院の応援団は、華やかに舞うチアリーダー部を中心に、生徒会・応援委員会・吹奏楽部が一丸となり、寒さをものともしない演奏と声援で選手にエールを送った。女子のレース開始時刻は午前10時20分、NHKの全国中継カメラと報道各社のカメラ放列の中でレースがスタートした。山梨学院の5人は師走の風となり、古都・都大路で襷をつないだ。
1区 深田 伊万里(2年)[6km 西京極陸上競技場⇒平野神社前]
深田伊万里は積極果敢に飛び出した。スタート直後に先頭に出てトラックを1周、敢然とロードに飛び出した。しかし、都大路の石畳は膝に故障を抱える深田の足に負担を強いた。しだいに遅れ始め、自己ベストには程遠い21分20秒、35位で2区につないだ。
深田伊万里選手は「先頭でレースを引っ張って中間点までは行こうと飛び出した。1,5キロで足が思うように動かなくなり、先頭集団から離れてしまった。1区を任せてもらったのに結果を残せなかった、チームに貢献できなかった」エースの口からは反省の言葉ばかりが出た。
2区 鈴木 千晴(1年)[4.0975km 平野神社前⇒烏丸鞍馬口]
鈴木千晴は疾風となって快走した。たすきを受けた時は集団に置いて行かれた非常に走り辛い状況だったが、ここから猛然と前を追い6人抜きを見せた。13分38秒、区間16位の好走、順位を29位に引き上げて3区につないだ。
鈴木千晴選手は「監督から最初は様子を見るようにと指示され、突っ込み過ぎないように注意して走った。ラスト3キロの下りからスパートした。目標の13分37秒より1秒遅かったけど、楽しく走れました」1年生は来年につながる大健闘の走りを見せた。
3区 黒岩みさき(1年)[3km 烏丸鞍馬口⇒折返し⇒北大路船岡山]
黒岩みさきも1年生、始めての都大路に全力で挑んだ。体調はやや重く折り返しで1人に抜かれてしまったが、ここから粘った。前を行く選手を抜き、抜かれた選手にも食い下がった。10分32秒、区間30位、順位を保って4区につないだ。
黒岩みさき選手は「目標にしていた大会にベストの体調で臨めず、悔いの残るレースになった。それでも笑顔で走れた。田中先輩が抜けるだけなので、来年はこのチームで優勝圏内を狙っていきたい」記者団の質問に気丈に答えた。
4区 田中 里実(3年)[3km 北大路船岡山⇒西大路下立売]
田中里実は3年間の集大成と言える最高のレースをした。京都に入る前から調子を上げ、自らの体をベストのコンディションに仕上げてレースに挑んだ。29位で受けた襷を27位に引き上げてアンカーにつないだ。タイムは10分15秒、区間19位だった。
田中里実選手は「監督からすぐには襷をかけないで、最初はリラックスしてピッチで走れと言われ、9分台を目指しました。風が強くて途中からはタイムを気にせずに夢中で前を追いました」キャプテンは最後の駅伝は楽しく走れたと語った。
5区 山崎 楓 (2年)[5km 西大路下立売⇒西京極陸上競技場]
山崎 楓はハチマキに“全身全霊”と縫い込んでレースに臨んだ。しかし、アンカーのプレッシャーが山崎の全身を襲った。懸命に走るが足が前に出ない、17分54秒、区間38位だった。
山崎 楓選手は「最初に突っ込みすぎてしまい、後半バテテしまった。沿道の人の『山梨学院頑張れ』という声に励まされて走り切りました」小柄なファイターは来年こそ全身全霊で走りきると心に誓った。
第21回全国高校女子駅伝 山梨学院総合成績 32位 タイム 1時間13分39秒
区間 |
ランナー |
区間タイム |
区間順位 |
合計時間 |
総合順位 |
1区 |
深田 伊万里 |
21.20 |
35位 |
21.20 |
35位 |
2区 |
鈴木 千晴 |
13.38 |
16位 |
35.58 |
29位 |
3区 |
黒岩 みさき |
10.32 |
30位 |
45.30 |
29位 |
4区 |
田中 里実 |
10.15 |
19位 |
55.45 |
27位 |
5区 |
山崎 楓 |
17.54 |
38位 |
1.13.39 |
32位 |
渡辺繁生監督は「1区の深田は万全な体調ではなかったが、全国を経験させたいという思いもあり、10番前後を期待して走らせた。気持は入っていても練習不足の体がついていかなかった。2区の鈴木、3区の黒岩、4区の田中は良い走りが出来た。5区の山崎はアンカーのプレッシャーに負けたかな、やはり京都の舞台は甘くない」と話し「1・2年生主体のチームなので、もう一度じっくりトレーニングして、ケガをしない体を作って帰ってきます」と来年の巻き返しを誓った。(M.I)
女子ベスト3
1位 豊川(愛知)1:08:27 2位 須磨学園(兵庫)1:08:48 3位 興譲館(岡山)1:09:10
男子成績
1位 世羅(広島)2:04:09 2位西脇工(近畿)2:04:37 3位 青森山田(青森)2:04:39……34位 山梨農林2:09:43
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