
第88回全国高校サッカー選手権大会は12月30日、東京・国立競技場で開会式を行い、地区大会を勝ち抜いた全国の精鋭48チームが憧れの舞台“国立”に結集した。前年優勝の広島皆実高を先頭に北から南の順に入場行進を行い、山梨代表の山梨学院高校サッカー部は17番目に登場した。先頭は碓井鉄平主将、フィールドプレーヤーはプルシアンブルー、ゴールキーパーはイエローのユニホーム、イレブンは初出場の感激を胸に、爽やかに堂々と入場行進した。選手を代表し新潟代表・北越高の神田貢主将が「勝利を信じて、全力で闘います」と選手宣誓を行った。山梨学院高は、31日にさいたま市駒場スタジアム午後0時05分キックオフで、5年連続6度目出場の滋賀代表・野洲高と1回戦を闘う。山学イレブンは自分を信じ、仲間を信じ、勝利を信じて大晦日対決に全力で挑む。
東京・国立競技場観客席メインスタンドは、防寒着の保護者・学校関係者とウインドブレーカー姿の控え部員たちで満ち溢れた。12時10分、前年優勝の広島皆実高を先頭に参加48代表(東京はA・B代表)が揃いのユニホーム姿で登場、赤・青・黄・広いフィールドいっぱいに色鮮やかな花々が咲き乱れた。強化指定わずか4年で夢の初出場を果たした山梨学院高は、一際色鮮やかなプルシアンブルーとイエローのユニホームで17番目に登場、碓井鉄平主将を先頭に25人の選手が爽やかで堂々とした入場行進を行った。挨拶した犬飼基昭日本サッカー協会会長は「日本のサッカー界は、この大会を軸に発展してきた。今や世界が相手のスポーツとなり、より早く、より激しく、よりクリエイティブに進化している。世界で戦える選手になってほしい」と選手を激励した。選手宣誓を行った新潟代表・北越高の神田貢主将は「自分を信じ、仲間を信じ、勝利を信じて、最期まで全力で闘います」と一つ一つの言葉に力を込め、しっかりと宣誓した。
開会式を終えた
碓井鉄平主将は「ハプニングもあって印象に残る入場行進になった。いいものだなと思いました。開幕試合を行う帝京高の主将とは友達で、“頑張れ”と声をかけた。野洲高のメンバーとは互いに目線を合わせないようにした。相手がどこということではなく自分たちのサッカーをして、“明日は勝ちます”」照れ屋の主将が最期の言葉に力を込めて勝利を宣言した。
スタンドで見守った
吉永一明ヘッドコーチは「自分も参加するのは初めて、大きなイベントだなと改めて実感した。参加出来て良かったという思いと、いよいよ戦いの時だという思いです。野洲は野洲のスタイルで来るでしょう、我々は我々のスタイルで戦います。特に3年生からは、この大会に賭ける思いが強く伝わってきます。体調が万全な選手も万全でない選手もいますが、全員で全力で闘います」若き指導者の心は国立から埼玉・駒場に飛んでいた。
平成5年の韮崎工以来17年ぶりに国立の舞台に立った
横森巧監督は「サッカーをやる子供たちにとっては憧れの場、ここに立てたことは幸せなこと。そして、ここで1勝することはどのチームにとってもとても遠い。サッカーの質も内容も変わってきて進化している。互いに相手チームの戦い方を徹底的に調べ、研究して試合に臨む情報戦でもある。しかしながら試合を最期に決めるのは自分の力、自分の持ち味を出せたチームが勝ち、出せなかったチームは勝てない」67歳の名匠は報道陣の質問に穏やかに応じながら、その目は勝負師の輝きを取り戻していた。
前日まで山梨学院和戸サッカー場で厳しく走り込んできた山学イレブンは、開会式直後の開幕試合東京・帝京高VS熊本・ルーテル学院戦を全員で観戦したあと、試合会場のあるさいたま市に移動、夕方から軽めの調整をして大晦日対決に備えた。(M.I)
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