山梨学院パブリシティセンター
全国高校サッカー選手権 2回戦
〜山梨学院高が立命館宇治高を下し3回戦進出〜
〜キャプテン碓井鉄平値千金のPKを決める〜

第88回全国高校サッカー選手権大会は正月2日、首都圏8会場で2回戦16試合を行った。大晦日に行われた1回戦で滋賀代表の強豪野洲高校を下して2回戦に進出した山梨代表の山梨学院高校は、埼玉スタジアム2002で京都代表の立命館宇治高校と対戦した。山梨学院は2トップFWが積極的に飛び出す攻撃型チーム、一方の立命館宇治は長身のDF陣がゴール前を堅固に固める守備重視型チーム、対照的なチームの戦いとなった。前半は0−0で終了、得点が入ったのは後半13分、山学MF鈴木峻太がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得した。このボールを主将の碓井鉄平がゴール右隅に強く正確に蹴り込んだ。得点はこの1点だけだったが、山学のボール支配率は7割以上、得点差以上に立命館を圧倒した。3回戦進出を決めた山梨学院は、明日3日午後2時10分から、さいたま市駒場スタジアムで香川西高とベスト8をかけて対決する。

試合は午後2時10分、山梨学院のキックオフで始まった。山学の布陣はいつも通り中盤をボックスに配した4−4−2のシステム、立命館の布陣は4−5−1のワントップ。山学は司令塔の碓井鉄平主将(3年)を中心に、ワンタッチプレーでの局面打開やサイドチェンジから平塚拓真(3年)、鈴木峻太(3年)がサイド攻撃を仕掛けていく。一方、立命は守備のブロックをしっかりと作り、奪ったボールを素早く前線の宮腰に送り、セカンドボールからチャンスを作ろうとする。山学DF陣はこのボールを体を張って奪い取り、相手に決定的チャンスを与えなかった。前半は両チーム無得点で終了した。

バックスタンドの山学応援席は、お正月を返上して応援バスで駆けつけた500人の生徒と保護者の熱気に包まれた。チアリーダー部の天野瑛梨香さん(3年)は「進学が決まったので同級生を応援しようと駆けつけました。3年生にとっては最後の大会、みんな悔いの残らないように頑張ってほしい」たくさんのスポーツ大会で選手を励ましてきた彼女にとってもこれが最後の大会、精一杯の演技でエールを送っていた。揃いのウインドブレーカーで駆けつけた選手の保護者達は「今夜も泊まれるように頑張ってほしい、後半はもっとシュートを打ってほしい」わが子のプレーに身を乗り出し、大声援を送り続けた。

サイドが変わった後半、山学の相手へのプレッシャーはさらに高まった。相手ボールを高い位置で奪い取り、次々にゴール前に迫る。完全にゲームを支配していった。そして向かえた後半13分、ボールを受けてドリブル突破しようとした鈴木峻太がペナルティーエリア内で倒されPKを得た。蹴るのはキャプテン鉄平、碓井はいったんボールに背を向け、深呼吸して心を落ち着かせ、おもむろに振り返ると、矢の様なシュートをゴール右隅一杯に突き刺した。この後はもう、山学が一方的に攻め続けた。公式記録では、この試合で山梨学院が放ったシュートは14本、立命館宇治のシュートは、前半の3本だけ、後半は0。コーナーキック数山学6回、立命1回だった。山学は得点差以上の差で立命宇を圧倒した。



全国高校サッカー選手権大会 2回戦 (1/2)於 埼玉スタジアム2002
山梨学院高 1
{前半0−0}
0 立命館宇治高(京都)
{後半1−0}
得点 碓井鉄平(PK)

好守で零封したGK松田ラン選手(3年)「セットプレーへの対応やマークの確認を、昨夜皆で話し合って試合に臨んだ。県大会の決勝も、1回戦も先制点を与えていたので零点で押さえられて嬉しい。次は予想していた前橋育英ではなく香川西との対戦となったが、気を抜かずにしっかり戦いたい」。PKを決めた碓井鉄平主将「皆が取ってくれたPK、絶対決めるという気持で行った。いったんボールに背を向けたのは、天皇杯の試合を見ていたら、いったん遠くのゴールを見てから、振り返るとゴールが大きく見えて蹴りやすくなると言っていたので、その通りにやってみた。落ち着いて蹴ることができた。明日は気を引き締めて、ここで負けないようにしたい」。横森巧監督「高さに対しての失点が多かったので、その点に注意して臨んだが、今日は全員が勇気を持って身長の上回る相手と対等以上に競ってくれた。特に井上(拓臣)・中田(寛人)の守備ラインが頑張ってくれた、今日の勝利は守備の勝利。選手は連戦で当然疲労しているが、山梨県の理学療法士会の人達がボランティアで選手のケアをして下さっていて、コンディション作りを支えてもらっている。明日は死に物狂いで頑張ってくれると思う」。

山学イレブンは強かった、立命館宇治の高さに負けなかった、勇気を持って飛び上がり、飛び込んだ、今日の勝利は守備の勝利だ!応援に駆けつけた昨年の主将佐野功治さん(横浜桐蔭大)は「あいつら凄い、俺たちの時よりずっと強い」驚きの声を上げた。並外れた速さと強さと守備力で山梨県勢としては14年ぶりのベスト16に進出した山梨学院高は、明日3日午後2時10分から、さいたま市駒場スタジアムで、優勝候補の前橋育英高を下して進出した香川西高とベスト8をかけて対決する。 (M.I)


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