山梨学院パブリシティセンター
全国高校サッカー選手権 準決勝
〜山梨学院高が矢板中央高を下し決勝に進出〜
〜山梨県勢27年ぶりの歴史的快挙を実現〜

第88回全国高校サッカー選手権大会は1月9日、高校サッカーの聖地国立競技場で準決勝2試合を行った。初出場チームとは思えない圧倒的な攻撃力と鉄壁の守備力で鮮烈に全国デビューし、一気にベスト4に進出した山梨代表の山梨学院高校は、2年ぶり3回目出場の栃木代表矢板中央高校と夢の舞台で対戦した。山梨学院はこの試合も、高い位置から相手にプレッシャーをかける自分たちのサッカーで攻め込んだ。矢板中央のプレッシャーで、中盤でパスをカットされる場面もあったが、碓井鉄平主将を中心に落ち着いて堂々とプレーした。前半34分に鈴木峻太、後半40分に碓井鉄平がGOAL。GK松田ランが好セーブを連発しDF陣は4試合連続の無失点、2−0で矢板中央に勝利した。山梨県勢の決勝進出は横森巧監督自身が韮崎高を率いて進出して以来27年ぶり。決勝戦は11日午後2時05分キックオフ。山学イレブンは夢のまた夢の舞台で、初出場初優勝というとてつもない記録を目指し、関西大第一を下して進出した青森山田高と対戦する。
雲ひとつない冬晴れの東京・国立競技場。試合開始10分前に両チームの選手が入場して来た。山学応援席は総立ちになり、ベンチに入れなかったサッカー部員たちは応援席最前列で肩を組み「俺たちの夢を・・・」大合唱で出迎えた。12時05分、準決勝第1試合は矢板中央のキックオフで始まった。両チームの布陣は、お互いに4−4−2の布陣、ともにDFラインを高い位置でキープし、ボールへのプレッシャーを早めて相手に自由を与えない攻撃型サッカー。矢板は奪ったボールを187cmの長身FW中田充樹に上げてポストプレーからチャンスを作ろうとするが、山学DF陣がしっかり競り合い攻撃を許さない。一方、山学は相手DFラインの裏にスルーパスを通し、そこに2トップのFW伊東拓弥(3年)とFW佐野敬祐(3年)が走り込もうとするが、矢板DF陣が突破を許さない。一進一退の攻防が30分以上続いた後、突然試合が動いた。前半34分、伊東からのパスを受けた主将のMF碓井鉄平(3年)がドリブル突破でペナルティエリア内に持ち込みシュート、GKに弾き返されたボールを走り込んで来たMF鈴木峻太(3年)がシュート、ボールはGKの股間を抜けてゴールネットを揺らした。46分(準決勝からは45分ハーフ)が過ぎた所でハーフタイムになった。

聖火台右下の山学応援席は900人の全校応援の生徒と、球場で応援しようと駆けつけたOBやOGらで満席となった。4月から兄のいる山学サッカー部に入部するという市毛翔太君14歳は母と妹と共に応援席で応援した「これまでの試合と違い、中盤で上手くボーが回せないようですが、きっと後半にもう1点取ってくれると思います」と真剣にゲームを見つめていた。チーム全員の60人で応援に来た甲府市和戸のU‐スポーツクラブのメンバーは「決勝まで行って、優勝してほしい」声を揃えて山学イレブンにエールを送った。

サイドが変わった後半、山学の前線へのパスが精度を欠いた。7分にはパスをカットされた上に、DFの陣形を崩されてシュートを許す。さらにクロスボールを上げられて、そこからチャンスを作られる場面が続いた。立て続けに好シュートを放たれたが、GK松田ラン(3年)がナイスセーブを連発、DF陣もセンターバックのDF関 篤志(2年)、DF中田寛人(3年)を中心に踏ん張り得点を許さなかった。そして、後半40分、伊東からのパスを受けた碓井がゴール左隅に蹴り込み2−0として勝利を確定的にした。DF陣が矢板最後の猛攻を体を張って防ぎ、ロスタイムのゴール正面からのFKもヘディングでクリアして試合終了。夢のまた夢がついに現実になった。

全国高校サッカー選手権大会 準決勝 (1/9)於 東京・国立競技場
山梨学院高 2
{前半1−0}
0 矢板中央高
{後半1−0}
得点 鈴木峻太 碓井鉄平

応援席で後輩の試合を見守った先輩GK岡西宏祐さん(中央大)は「みんなもの凄く頑張った、DF陣は踏ん張ってくれた、松田は4試合連続無失点、よくやった。ここまできたら是非優勝してもらいたい」と後輩を激励した。

先制ゴールを決めた鈴木峻太選手「走り込んでボールを蹴り、顔をあげたら入っていた、自分でもびっくりした。大会前に野洲に勝てると勢いに乗れると皆で話していたが、その通りになった」。好セーブを連発したGK松田ラン選手「2年生の時はケガで1年間プレー出来なかったが、岡西宏祐先輩が励ましてくれて、GKの心構えやポジショニングについてアドバイスしてくれた。プレーできない時に頂いた言葉や学んだことが自分の支えになっている。決勝も出来れば無失点で行きたい」。碓井鉄平主将「前半は相手に攻められたが、鈴木がいい所で点を取ってくれて、ここからリラックスして戦えた。守備は良かったが、攻撃は良くなかった。決勝では大切にボールをつないで攻撃のリズムを良くしたい」。横森巧監督「ここまで来るとは!私たちも驚いている。年末に流通経済大と駒沢大にお願いして練習試合をさせてもらった。大差で敗れたが、どうやれば攻撃が通用するのか、どう守ると防げるのか大変勉強になった。決勝に出てくるチームは格上だから勝てる相手ではないが、最大限の力を発揮して、勝利を目指して一生懸命やります」。

初出場校の決勝進出は6大会前の筑陽学園(福岡)以来。選手たちは10日は軽めの調整を行い、11日(月)14時05分キックオフの決勝戦に臨む。 (M.I)
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