
競泳ジャパンオープン2010第51回日本短水路選手権水泳競技大会2日目(最終日)の2月28日、東京辰巳国際水泳場で男女14種目の予選・決勝が行なわれた。前日に鈴木聡美と山崎智史が銀メダル・銅メダルを獲得した山梨学院勢は2日目のレースも各種目で健闘した。男女計16名が出場、このうち男子は池田慶太、女子は萩原智子・中坊彩・村上優海の3名が決勝に進出した。池田慶太は肩を痛めていたが、気力で3年連続となる決勝進出を果たし、6位に入賞した。現役復帰した萩原智子と村上優海が同じく6位に入り、中坊 彩が8位となった。山梨学院勢は最終日も出場選手の多くが自己ベストを更新する泳ぎを見せ、4月の日本選手権に向けて大きな弾みをつけた。
≪男子 400m自由形 決勝 池田慶太≫
池田慶太(3年 淑徳巣鴨)の肩は悲鳴を上げていた。午前中の予選を出場選手中3位の好成績で通過、決勝では初の表彰台が期待された。選手紹介のテレビ中継カメラに一礼した後、山学選手団席に向けて右腕を上げてスタート台に上った。コースは3コース、隣の4コースを泳ぐのは北京五輪銅メダルの松田丈志(東海SC)。しかし、1日2本の400mレースに肩は悲鳴を上げていた。痛みから100mは8位通過、思い描いたレースが出来ない、それでも、そこから気力で食い下がった。200mで7位に上げ、300mでは6位に上げた、最後まで気力で粘り6位でゴール。タイムは3分49秒55、予選より3秒近く遅れ、ベストには程遠かった。
池田慶太選手は「1カ月前の診断で肩盤損傷と診断された。予選ではまずまずの泳ぎが出来たが、決勝は痛みが出て力が入らなかった。大会後1週間は練習を休んで様子を見る、4月の日本選手権は体調を見て判断したい」と語った。
そのほかの決勝レース結果。
女子200m平泳ぎの村上優海(1年 市立船橋)は後半追い上げて6位に入った。
村上優海選手は「自分は後半型、前半は大きくゆったりを目標にしたが、上手くいかなかった。1ストロークで進む距離が伸びず、結果的にストローク数が多くなってしまった。泳ぎ込まないと調子が上がらないタイプなので、3月にしっかり泳ぎ込んで日本選手権に備えたい」巻き返しを心に誓った。
女子100m自由形の萩原智子(カレッジスポーツセンター研究員)は54秒28のタイムで6位だった(1位から4位は海外招待選手、上田春佳に次ぐ日本人2位)。
萩原智子選手は「前半(26秒22で50m通過)を25秒台で入りたかった、スピードを上げようとするとフォームが乱れた、課題ばかりが見つかった、まだまだ練習が足りない」目標の高い萩智は、自らへの駄目出しを連発した。
女子100mバタフライの中坊 彩(1年 京都外大西)は、隣のレーンを泳ぐ加藤ゆか(東京SC)を懸命に追った、結果は59秒85のタイムで8位。
中坊 彩選手は「予選のタイムよりも遅かったので悔しい結果。楽しく泳ごうと思ったがとても緊張した。自分は後半型だが、前半から付いていけるようにしたい、日本選手権ではしっかり泳ぎたい」と語った。日本人トップの3位(57秒20)でゴールしたOGの
加藤ゆか選手は「都会の生活にやっとついていけるようなって来ました。社会人になったので日本代表になれなかったらやめる覚悟で取り組んでいます」と語った。
大会会場は、佐野秀匡(ミズノ)の2日連続日本新、立石 諒(慶大)の3冠、入江陵介・古賀淳也のライバル対決などで大いに沸いた。日本のトップスイマーとも世界のトップスイマーとも競う短水路での戦いで、山梨学院勢は鈴木聡美(2位)と山崎智史(3位)が表彰台に立ち、萩原智子(4位・6位)・坂井菜穂子(5位)・池田慶太(6位)・須藤勝也(6位)・下中千明(6位)・村上優海(6位・8位)・中坊 彩(8位)の7人が入賞した。2日間の戦いを総括して
神田忠彦監督は「多くの選手が自己ベストを更新する泳ぎをした、まあまあの出来だったのではないかな、日本選手権に向けて弾みがついた」と語った。競泳日本一を決める日本選手権は4月13日から18日の日程で、今回と同じ東京辰巳国際水泳場を舞台に開催される。(M.I)
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