競泳日本一を決める第８６回日本選手権水泳競技大会競泳競技“ジャパンスイム２０１０”は、東京・辰巳国際水泳場で２日目のレースが行なわれた。この日の山学大勢は、３人が決勝レースに臨み、女子２００ｍ個人メドレーの加藤　和が圧倒的な強さで優勝した。加藤は福島の短大を卒業して今春山学大に編入したロンドン五輪を目指すホープ、山学選手として臨んだ最初のレースで日本選手権初優勝を手中にした。また、女子５０ｍ自由形決勝では、萩原智子が前日とは別人のような素晴らしい泳ぎでレースを引っ張り、復活を告げる３位となり、６年ぶりの表彰台に上った。萩原とともに泳いだ下中千明は、力みからタイムが伸びず８位に留まり悔し涙を流した。５０ｍ平泳ぎで優勝した鈴木聡美は、この日行なわれた２００平泳ぎ準決勝を1位で突破、１５日の決勝進出を決めた。

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≪女子２００ｍ個人メドレー決勝　加藤　和（いずみ）≫
加藤　和にとっては、福島の桜の聖母学院短大から山学大に編入して向かえる最初の決勝レース。加藤の泳ぎは後半型、最初のバタフライは７位で通過、次の背泳ぎは５位でターンした。ここからが加藤の見せ場、得意の平泳ぎでスパートし一気に1位に躍進、最後のクロールでは後続に大差をつけて圧勝した。２分１３秒３６の自己ベストを樹立、日本選手権初優勝をベストで飾った。報道陣の質問に加藤　和選手は「前半先行されても焦らずに泳ぐことが出来ました。４００ｍも自分らしい泳ぎで優勝を狙いたい」と落ち着いて答えた。

≪女子　５０ｍ自由形決勝　萩原智子・下中千明≫
女子５０ｍ自由形決勝に、準決勝を３位で通過した下中千明(２年　北陸大谷)と５位通過の萩原智子(山学大カレッジスポーツセンター研究員)の２人が出場した。萩原はしっくりしていなかった新フォームから、以前のフォームに戻した。前日の予選とは別人のような素晴らしい泳ぎを見せ２５秒８８でゴール、復活の狼煙を上げて３位の表彰台に上った。一方、下中は３位で決勝に進んだことが逆プレッシャーになってしまった。順位を気にし過ぎて自分の泳ぎが出来ず２６秒０４で８位、レース後しばらくは悔し涙を止められなかった。萩原智子選手は「ジャパンオープンからフォームを変えて、騙しだまし来たが、しっくりしなかった。今日は以前のフォームに戻して臨んだ、１日で修正出来て２５秒台が出た、何よりも気持ちよく泳げたので安心しました」とこの大会初めての笑顔を見せた。下中千明選手は「順位を意識しすぎて力んでしまい、タイムを落としてしまった。１００ｍは苦手意識もある、長い距離も泳げるようになって来たので頑張りたい」と涙をぬぐった。

山学勢はこの他、鈴木聡美(２年　九産大九州)がやや苦手な２００ｍ平泳ぎで、準決勝を１位通過、明日１５日の決勝に駒を進めた。鈴木聡美選手「２００ｍでの決勝進出は初めて、１００点に近い出来だった、決勝でも頑張りたい」と述べた。男子２００ｍ平泳ぎで準決勝に進出した大須　武(４年　鹿屋工)は１３位で決勝進出を逃した。大須　武選手「腕のかき方を変えてフォームが良くなり、後半頑張れるようになった。インカレでメダルを目指したい」と語った。この他、ＯＧの加藤ゆか(東京ＳＣ)が５０ｍバタフライで優勝を飾り、山学大時代から続けているこの大会の連勝を４連覇に伸ばした。加藤ゆか選手「今回は、しっかり練習して来ました、１００ｍでは水着に関係なく日本新を目指したい」と新記録への挑戦を言葉にした。

大会３日目の１５日は、鈴木聡美が出場する２００ｍ平泳ぎと１００ｍ背泳ぎの男女２種目の決勝レースの他。１００ｍバタフライ予選・準決勝などが行われる。（M.I）
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山学勢２日目の成績

成績	種目	名前	学年	自己ベスト	大会タイム	備考
優　勝	200ｍ個人メ	加藤　和	2年	2.13.65	2.14.02	日本選手権初優勝
3位	50ｍ自由形	萩原智子	職員	25.24	25.88	復活の笑顔で表彰台へ
8位	50ｍ自由形	下中千明	2年	25.87	26.04	悔し涙の8位入賞
決勝進出	200ｍ平泳ぎ	鈴木聡美	2年	2.25.84	準決2.26.42	準決1位で決勝へ
準決敗退	200ｍ平泳ぎ	大須　武	4年	2.13.91	準決2.15.21	13位
予選敗退	50mバタフライ	松下絵里奈	3年	27.33	27.96	15位
�	200ｍ平泳ぎ	村上夕海	2年	2.26.74	2.30.87	17位
	200ｍ平泳ぎ	山崎　愛	4年	2.33.02	2.31.08	19位（自己ベスト）
	200ｍ平泳ぎ	亀崎健太朗	4年	2.24.42	2.22.25	96位(自己ベスト)
	50mバタフライ	中坊　彩	2年	28.13	28.61	46位
	100ｍ背泳ぎ	竹迫麻弥	4年	1.04.04	1.04.78	45位