
2010東日本学生レスリングリーグ戦最終日の21日、山学大は早稲田大と最終戦を戦った。戦前には、全勝の早大が圧倒的に有利と見られていたが、山学大は予想以上の戦いを見せ軽中量級で2勝1敗とリード、あわやの展開に持ち込んだ。しかし、あとが続かず逆転負けで最終戦を落とした。早大は、優勝決定戦でAグループ1位の拓大にも勝利し実に62年ぶりの優勝、古豪が復活した。今年の山学大は、昨年までの主力ムジコフ・ボリス、森川一樹、小俣将太の主力3人が卒業、下級生主体で臨む狭間の年となった上に、120s級の増田拓也と新留学生バヤラーを怪我や風邪で欠く苦闘の4日間となった。しかし、96s級の有薗拓真・金澤勝利の2人が専門外の種目や階級で活躍した上に、主将の岩下寛敏、2年の鈴木友希・高橋功紀が苦しい台所を支え、最終戦まで優勝争いに絡む健闘を見せた。
東日本学生リーグ7回戦 ≪山学大vs早大≫ (5/21) 於 東京駒沢体育館
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55kg |
60kg |
66kg |
74kg |
84kg |
96kg |
120kg |
山学大 |
梶 |
高橋 |
後藤 |
竹内 |
鈴木 |
|
有薗 |
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○ |
● |
○ |
● |
● |
● |
● |
早 大 |
西 |
松本 |
田中 |
石田 |
山口 |
大坂 |
鈴木 |
山学大2勝5敗敗戦
大会4日目最終戦、早大との7回戦の布陣は、55s級梶雅晴(3年 育英)、60s級高橋功紀(2年 明桜)、66s級後藤佳吾(3年 峡南工)、74s級竹内寿夫(4年 霞ヶ浦)、84s級鈴木友希(2年 八戸工大第一)、96s級金澤勝利(2年 種市) 、120s級有薗拓真(2年 育英)の7人で臨んだ。
最初の55s級、梶雅晴が昨日精彩を欠いたのは、肩と膝を痛めたためだった。右肩と左膝をテーピングで固めた梶は満身創痍の体で踏ん張った、第3ピリオドまで持ち込み、最後はボールピックアップから相手を投げ飛ばして勝利、昨日の悔しさを気力で晴らした。66s級の後藤佳吾も健闘した、1Pを片足タックルから相手を場外に押し出して取り、2Pも片足タックルから持ち上げ3−0とリードした。いったんは6−0の判定が出たが早大が抗議、ビデオ判定の結果3−0に戻され、最後は3−1と迫られたが逃げ切った。この段階で2勝1敗とリードしたが、この後が続かなかった。96s級の学生チャンピオン金澤が勝てば判らない展開だったが、敗れた時点で勝利はなくなり早大に敗退した。下級生主体で臨んだ今年の山学大は通算成績5勝2敗でリーグ戦の全日程を終了した。優勝は早大、準優勝拓大、山学大の最終成績はBグループ3位となった。
55s級梶雅晴選手(3年)「55kg級が1番手なのでもっと勝ちたかったが、肩と膝を痛め、体がついてこなかった」。
60s級高橋功紀選手(2年)「負けたのは早大戦だけ、日大戦の相手は新人戦で負けた相手だったので、自信につながる」。
66s級後藤佳吾選手(3年)「最初のうちは緊張から動けなかったが、最後の早稲田戦は自分がキーマンだったので全力で挑んで勝てた。来年も対戦する相手なので、次も勝てるよう努力したい」。
84s級鈴木友希選手(2年)「まだ力が足りなかった。もっと力を付けて、もっと体を大きくしたい」。
96s級金澤勝利選手(2年)「W大戦は勝って当たり前の相手、自分が勝っていれば勝っていた、自分のせいで負けた。技がばれている、新しい技を覚えないといけない」。
120s級有薗拓真選手(2年)「大事なところで勝ちたかった。このあとは本来のグレコに戻り、インカレとグレコ選手権の2冠を目指したい」。
66s級岩下寛敏主将(4年)「今回の試合で一人一人が課題をもらった。3年生以下が多いチームなので、一人一人が課題を克服していけば来年は優勝できる」。それぞれが胸の内を語った。
高田裕司監督は選手に向けて「梶以外は皆残るのだから、今日から来年の事を考えろ、負けた強い相手に勝つためには、相手より多く練習するしかない。悔しいと思ったら練習の後も練習しろ]と厳しさを求め、取材陣には「レギュラーは3年生以下で挑んだが、早稲田戦はちょっとだらしなかった、気持が弱かった、もっと戦えた、今年は我慢の年」と言葉を結んだ。
小幡邦彦コーチは「若いチームだったのでもっと差をつけられると思ったが、意外にやれた。選手はそんなに差がない事が判ったと思う、若いうちは3カ月で逆転出来る力をつけられる。本人たちに力と自信をつけさせて、フリー王座に向かわせたい」と語った。4年生は今年頑張れ、下級生は“今年は我慢の年”、駒沢で流した悔し涙と武徳館でこれから流す汗が 来年の糧となる(M.I)
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