
“魔王によって魔法学校が支配されそうになっている、ゲームをクリアしてアイテムを集め、みんなで魔王を倒せ”。保育士を目指す学生が考案した仮想ゲーム「青組in魔法学校〜魔法学校を救え〜」が山梨学院小を舞台に5月26日、108名の幼稚園児が参加して繰り広げられた。企画を考えたのは、山梨学院短期大学専攻科保育専攻1年の16名、山内紀幸教授の実践研究授業として取り組まれた。参加したのは、山梨学院大附属幼稚園の年長園児108名。幼稚園から大学院までの学校教育体系を一貫させた学園の特性を生かし、短大専攻科としては学生が現場を体験する実践研究、幼稚園としては園児が小学校を知る幼少一貫教育として行われた。園児たちは、2人で息を合わせてバランスボールを転がすゲームや、天秤を使って帽子と同じ重さの重りを見つけるゲームなどを実施、それぞれが獲得したアイテムを集め、みんなで魔王を倒すことに挑戦した。
魔法使いのお姉さんと子供たちが話し合っていると、魔王の声が聞こえて来た。「魔王学校侵略まで、残り1時間じゃ」午前10時30分、ゲームが始まった。最初のゲームは『ドラゴンを倒せ』、子供たちは好きな空気砲を選び、空気の力を使って的のドラゴンを皆の力で倒す。『水晶を操れ』ゲームでは、大きなバランスボールを2人一組でスロープの中間地点まで運び、そこから下にいる仲間に大玉を転がしていく、笑顔がはじけた。天秤を使って帽子の重さを計るゲームや秘密の魔法実験、隠れているものを見破れ教室など、次々に8つのゲームでアイテムを集めた。アイテムに書かれた文字をつなぎ合わせると“たすけあうこころ”という呪文が現われた。全員で力を合わせて呪文を唱えると恐ろしかった魔王がついに倒れた。魔法学校を助けたお礼に魔法メダルを受け取った園児たちは意気揚々と幼稚園に戻っていった、というのがストーリー展開。魔法教室は、スポーツフェスティバルに向けて児童が古屋記念堂に移動した山梨学院小の教室やスポーツ館を利用して繰り広げられた。短大専攻科保育専攻1年の16人の学生は、ゴールデンウイーク明けから準備を始め、この1週間は毎日夜遅くまで準備に取り組み本番に備えた。リーダー役を務めた
名取春香さんは「子供たちの反応は、自分たちの想像以上でした。回って来た12チームの園児の反応に合わせて臨機応変に対応するように努め、子供たちの目線で考えなければいけない事を実感しました」と感想を述べた。山梨学院大附属幼稚園の
田村優子主任教諭は「色々な不思議を体験する事で、子供たちが何だろうと考えるきっかけをもらえました。幼稚園の遊びの中にも取り入れて行きたい」と語った。指導に当たった山梨学院短大専攻科
山内紀幸教授は「単に楽しませるということではなく、各ゲームには小学校につながっていく要素が組み込まれている。理科的な要素や道徳的要素、数学的要素などを通じて、子供たちに一人では出来なくても、皆で協力して取り組むと何かが出来る事を実感させたい、子供たちの小学校へのあこがれにつながっていければ」と研究授業の成果を期待している。 (M.I)
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