山梨学院パブリシティセンター
●酒折連歌講座2010
〜連歌・俳諧の歴史を知り、歌作りを学ぶ講座開講〜
〜第1回「酒折宮寿詞」読み解きと「付合」を学ぶ〜

山梨学院生涯学習センターと酒折連歌賞実行委員会は5月27日、酒折連歌講座2010を開講させた。酒折連歌賞10周年を記念して始まった講座は今年で3年連続開催、昨年同様に3回の歌あそび講座が実施される。第1回の27日は、川手千興実行委員長が講師を務め、連歌発祥の地「酒折宮」境内に立つ本居宣長の「酒折宮寿詞(ほぎごと)碑」の文面を現地で読み解くとともに、山梨学院大に移動して俳句と連歌の違いや、連歌と連句の違いなどについて学ぶ講座が開かれた。約70人の参加者の多くは、還暦を過ぎた方々で説明に耳を傾け、熱心にメモを走らせていた。第2回は6月10日に、選者の廣瀬直人氏(俳人/俳誌「白露」創刊主宰)を講師に「実作指導−ことばの広がり−」。第3回は6月24日に、同じく選者である三枝昂之氏(歌人/歌誌「りとむ」発行人)を講師に「実作指導−問答の魅力−」が行われる。


連歌は古代、甲府市の酒折宮に立ち寄った日本武尊が「新冶筑波(にいばりつくは)を過ぎて幾夜か寝つる」と歌ったのに対し、その場に居た火焚き役の翁が「日々(かが)なべて夜には九夜日には十日を」と返歌したとする故事から、酒折宮が発祥の地とされる。「酒折連歌賞」は山梨学院大学と酒折連歌賞実行委員会が発祥の地にちなんで創設したもので平成11年から募集が始まり、2年前の10周年記念大会には史上最高の5万2703句もの答えの片歌が寄せられた。その折に実施された記念特別講座が反響を呼び、再開を望む声に応えて今年度も第3回講座が開講された。酒折宮の境内には、山県大弐による漢文の「酒折祠碑」と、本居宣長による万葉仮名の「酒折宮寿詞碑」という二つの石碑がひっそりと佇んでいる。講師の川手千興実行委員長は、今年度は本居宣長の「酒折宮寿詞碑」について、入念に調べ上げた資料を元に参加者に分りやすく説明するとともに、二つの石碑の微妙な距離関係や歴史背景について説明を行った。参加者は現地訪問のあと、山梨学院大キャンパスの生涯学習センター講義室に場所を移し、俳句は連歌の発句であることや、連歌・俳諧の用語「付合(つけあい)」の意味を学び、蕉風俳諧における「匂い」や「響き」などの発想を知り、自らの歌作りを広げる知識を身に付けていた。

「酒折連歌賞」は問いかけの五・七・七の片歌に、答えの片歌を五・七・七で返す二句一連の返歌問答。作歌上の約束事は五・七・七で返す以外はなく、自由な発想で遊びのように楽しく詠んで応募することができる賞。今年の第十二回酒折連歌賞の応募期間は4月1日から9月30日、最優秀作品の大賞には文部科学大臣賞と副賞十万円が贈られる。詳しい募集内容と応募の問い合わせ先は、山梨学院大学酒折連歌賞事務局(TEL055-224−1641 ホームページ http://www.sakaorirenga.gr.jp
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