山梨学院パブリシティセンター
●関東学生テニストーナメント
〜松山 愛が4年目に念願のインカレ出場権を獲得〜
〜山学大から大澤・奥田・松田・松山4選手出場へ〜

平成22年度関東学生テニストーナメントは5月30日、インカレ出場権を決めるコンソレーション(順位決定戦)最終試合を駒澤大学二子玉川キャンパステニスコートで行なった。山学大の松山 愛(まつやま めぐみ)と筑波大の大塚絵梨奈が8ゲームマッチで対決した。試合は、ラストチャンスに賭ける松山の気迫が大塚の力を上回った。ゲームカウント8−3で松山が勝利、インカレ出場権を獲得した。山梨学院大女子テニス部は、4年前に強化育成クラブとして誕生、昨秋に最短最速で関東学生リーグ1部昇格を果たした。松山は、静岡市立高校から創部間もないテニス部に2期生として入部、強打は持ち合わせていないが3年間ひたむきに正確なショットに磨きをかけて来た努力の人、4年目の春に念願のインカレ出場の夢を実現させた。テニスの聖地・有明テニスの森公園で8月26日から行なわれるインカレ(全日本学生テニス選手権)に、山学大テニス部から大会3位と大健闘した大澤愛加と、奥田なる美、松田望実、それに松山愛の4選手が揃って初出場することになった。
この日、松山 愛(4年 静岡市立)は純白のユニホームでコートに立った。本人は試合後「ものすごく緊張していた」と語ったが、コートサイドからは、心を凛と研ぎ澄まして臨んでいるように見えた。試合は午前10時10分に松山のサーブで始まった。そして、最高の立ち上がりをした。第1ゲームをラブゲームで取り、序盤の山場相手サーブの第2ゲームと第4ゲームを共にデュース3回の末にブレーク、第5ゲームが終わった段階で5−0と大きくリードした。得意のバックハンドからのロブで揺さぶり、時にスライス、時にドロップショット、時に強打に対抗、4年間の努力の結晶をこの試合に全て出した。しかし、相手の大塚絵梨奈(筑波大)はここから反撃して来た。強打を連発して第6ゲームを取ると、第7ゲームは前に出てラブゲームでブレーク、5−2と詰め寄られた。中盤の大きな山場で松山は冷静さを取り戻し踏みとどまった。ロブを多用して第8ゲームを奪い返し、自らの第9ゲームをキープ、7−2として王手をかけた。相手サーブの第10ゲームは落としたが、最後の第11ゲームは、デュース6回の攻防を渾身の力で乗り越え8−3で勝利。開始から2時間後の12時10分、1年の時には遥か彼方、絶望的なほど遠かった夢の切符を、遂に掴み取った。

関東学生テニストーナメント コンソレーション≪松山愛vs大塚絵梨奈≫
(5/30) 於 駒澤大二子玉川キャンパステニスコート
松山 愛(山学大) ○
8 ― 3
● 大塚絵梨奈(筑波大)

試合後松山愛は、静岡から駆け付けてくれた両親のもとに走り寄り、父の胸に顔を埋め、人前で初めて泣いた。父親の松山光儀さんは「テニスが大好きな娘、小学校から高校までは毎年全国大会に出ていたが、狭き門のインカレにはなかなか出れなかった。今日はいつもより辛抱してプレーしていた。最後の年に夢が叶った」娘とよく似た瞳の父もまた、その瞳を潤ませていた。松山 愛選手は「ものすごく緊張しましたが、コーチの言葉を胸に、自分を信じて戦いました。インカレに出れることになってとても嬉しいけれど、出るだけでは終わらせない」夢の舞台での勝利を心に誓った。三好勲コーチは「松山は強い球は打てないが、一歩一歩・一年一年、確実に力を付けてレベルアップして来た。今日は自分のペースを守り、相手のリズムを崩して我慢強くプレーした」教え子によくやったと声をかけた。
松山愛は、テニスプレーヤーとしてはナンバーワンになる体格には恵まれていない。しかし、精一杯の表現でオンリーワンの花を咲かせる事に取り組んで来た。後輩達に、自分という世界に一つだけの花を咲かせる事に、一生懸命になればいい事を体で示した。

試合から2日後の6月1日、インカレ出場を決めた4人は山梨学院横根テニス場で練習を再開させた。大会3位と大躍進した大澤愛加選手(2年 学芸館)は「ベスト8を目標にして、さらに上位を目指したい。今回の経験を生かし、自分の出来る限りのことをやれば、結果は付いてくると思います」。奥田なる美選手(3年 堀越)は「3年になってやっと掴めました。フットワークには自信があるので、前に入って相手にプレッシャーをかけてポイントを取りたい。自分のプレーを貫いて、上位に行けるよう頑張りたい」。松田望実選手(2年 鳥取中央育英)は「インターハイには出たが、勝っていない。インカレでは初戦突破を目標にして、一つでも多く勝てるよう粘り強く全力で行きたい」松山 愛選手(4年 静岡市立)は「出るだけで満足しないで、勝ち負けにこだわりたい。最後の集大成として、自分の持っている力を全部出し切りたい」。4人は、それぞれが、それぞれの思いを胸に、聖地・有明の初舞台に挑む。(M.I)
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