山梨学院パブリシティセンター
● 山梨学院理事長賞受賞記念講演会
〜トップアスリートを育てる「見つける力 磨く力」〜
〜横森巧・川上隆史・上田誠仁3名将大いに語る〜

山梨学院生涯学習センターは6月16日、第3回山梨学院理事長賞を受賞した山梨学院高校・大学サッカー部の横森巧総監督、大学スケート部の川上隆史監督、大学陸上競技部の上田誠仁監督の3氏を招き、受賞記念講演会「見つける力 磨く力−トップアスリートの輝きを引き出す指導法−」をトークセッション形式で行った。横森巧総監督は、山梨学院高校サッカー部を全国制覇に導いたインターハイ・選手権2冠の王将、川上隆史監督は、冬季オリンピック日本代表に男女12名の選手を送り込んでいる名将、上田誠仁監督は箱根駅伝24年連続出場、優勝3回、準優勝5回の智将。3人の名匠は、歩んで来た道も、選手を育てる方法も異なるが、共通しているのは選手の素質を見抜く力と育てる力、そして競技への情熱。山梨学院50周年記念館(クリスタルタワー)8階大会議室で行われたトークショーには、山梨県内の体育指導者約100名が訪れ、自分の指導に役立てようと、3人の名将の言葉に耳を傾けた。
山梨学院理事長賞は、教育・研究活動、学校改革、スポーツや芸術文化活動などで、法人の発展に貢献する顕著な功績があったと認められる教職員・団体に贈られる。第1回の平成19年度は小菅信子教授と法科大学院・短期大学。第2回は神田忠彦水泳部監督と附属中高・附属小、第3回の平成21年度は3人の名将に贈られた。
トークショーは、FM甲府の人気パーソナリティー平賀正友氏の質問に、3人の監督がそれぞれの思いを語る形で進められた。
≪横森巧総監督発言趣旨≫
好きな言葉「信」、座右の銘「枝葉で迷ったら幹に戻れ」
「山梨学院高校サッカー部は4年前、何もない所から、県内11人・県外11人の22人でスタートした。選手権の時は、自分を信じ、仲間を信じ、チームを信じろと選手に言い続けた。優勝メンバーの主将碓井鉄平は、入学した1年目から全体練習のあと一人で黙々と自主トレを続けた。その姿を見て他のメンバーも自然と自主トレをするようになっていった。サッカーという競技は強い選手を集めればそれで勝てるというゲームではない。時にも、人にも、風土にも、運にも、地の利にも恵まれなければ勝つことは難しい。個の力を強くする事、そして、その個の力をいかにしたらチームに生かせるかに心を砕いて来た」。
≪川上隆史監督発言趣旨≫
好きな言葉「忠」、座右の銘「速い選手ではなく、強い人間を育てる」
「私は、現役時代の実績があるわけではない。細かいことは言わない指導者。高校時代1番2番の選手は、有名大学・伝統大学に行ってしまう。私が声をかけるのは3番手4番手の選手。まだ光っていない選手を発掘するのは、暗闇の中で黒猫を見つけるようなもの、ただ、その目は光っている。しかし、ただ速いだけの選手を作ろうとは思わない、取り組んで来たのは、人間として強い人間を育てる事。人間はいざという時には、その心の強さが最も重要となる。12名のオリンピック選手を育てたのではなく、強い心を持ってくれた選手が私をオリンピックに連れて行ってくれた」。
≪上田誠仁監督発言趣旨≫
好きな言葉「絆」、座右の銘「疾風知勁草」
「小学校の時に、家の近くの剣道道場に通った。その時に館長から『強くなる人は一番最初に道場に来て、一番最後に道場のカギを閉めて帰る』という言葉を教わった。大人になり指導者になった時、オツオリにその言葉を話したら、その通り実行してくれた。オツオリの姿勢が山梨学院陸上部の伝統の基礎を作ってくれた。箱根駅伝を目指す大学が約30大学ある。選手集めは非常に競争が激しい、現場の指導よりもスカウト活動の方が苦労する。昔、選手を作るという言葉を使った事がある、後になって恥ずかしい言葉だったと反省した。選手が育つ風土を作り、選手が育つ山梨学院にすることを目指している」。
参加者の一人、武井多加志甲府昭和高校教頭は「3人の先生が、三者三様の考え方を持っておられて大変参考になりました。ウエイトリフティングを小学生・高校生・実業団まで教える立場ですが、途中から自分はどのタイプなのかという視点で聞いていました。横森先生のお考えが、自分には合っているなと思いました」かつての名選手は「山梨からオリンピックに行く選手を育てるのが自分の役目、3人のお話を今後の指導に生かしていきたい」と穏やかに語った。(M.I)
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