山梨学院パブリシティセンター
●平成22年度山梨学院短大オペレッタ発表会
〜「小さなガラスのくつ〜シンデレラ〜」を上演〜
〜「憧れる魔法」をテーマに160名が熱演〜

山梨学院短期大学保育科は7月1日、平成22年度オペレッタ発表会『小さなガラスのくつ〜シンデレラ〜』を山梨学院メモリアルホールで行った。このオペレッタ発表会は、保育科2年生全員が「保育内容 総合活動(表現)」の授業で取り組み、「企画・脚本・演出」「キャスト」「音楽表現」「造形表現」「身体表現」の5部門に分かれ、1年次に学習した保育に関する基礎理論や保育内容、基礎技能などを実践し、保育に関する学習を総合的に深めていくことを目的にしている。学生自身が企画・立案・実行し、一つのステージを作り上げるという山梨学院短大の伝統的でユニークな授業の一つに挙げられ、今年は160名の学生が熱演した。招待された県内の園児・児童たちは、間近で繰り広げられる、歌や演奏、ダンスなど学生たちの想いが沢山詰まった発表を小さな目を大きく見開き、時に手拍子でリズムを取り、時に飛び跳ねて歓喜し、ユーモアと感動いっぱいのステージを楽しんでいた。

オペレッタとは、19世紀中頃から後半にかけてパリやウィーンで流行し、ヨーロッパ全般に広がった台詞と踊りのあるオーケストラ付きの歌劇で、イタリア語で「小さなオペラ」を意味する。山梨学院短大では伝統的にこのオペレッタに取り組み、過去5年は「こびととくつや」「はだかの王さま」「つぐみひげの王さま」「ありときりぎりす」「うらしま太郎」を上演し、今年は、ペロー童話の「シンデレラ」を保育科2年生160名が熱演した。脚本から演出、劇中の歌や曲、大道具や衣装など全てを学生が自分たちで表現したいもの、子どもたちに伝えたいものを意識して作り上げ、午前・午後の部合わせおよそ1,000名の子どもたちが観覧した。昨年のうらしま太郎では、亀が空中移動して会場を沸かせたが、今年の見せ場はシンデレラの灰かぶりの衣装から舞踏会のドレスへの早着替え。魔法の合図と同時に舞台裏でわずか40秒で着替え、再び舞台に登場すると子どもたちからは驚きの歓声が起こった。上演後は割れんばかりの拍手がホールを包み込み、カーテンコールでは、感動のあまり、涙を浮かべる学生たちも。観客を見送る際には、子どもたちの満面の笑みや観客からかけられる温かい言葉に感極まって泣き出す学生もおり、表現することの難しさや、伝えることの楽しさを身体全体で感じ取っているようであった。山梨学院短期大学保育科長の白川和治教授は「オペレッタには伝統があり毎回レベルアップし、質も高くなっている。学生たちは、前年より更に良いものを作りたいというプライドを持って取り組んでいました。来年取り組む学生たちにはマンネリ化せず、常に良いものが出来るように斬新な演出などを期待したいです」と講評した。

キャスト部門でシンデレラ役を務め、将来は保育士になりたいという糸乗瞳(いとのり ひとみ)さんは「緞帳が上がるまでは緊張してとても不安でした。演じている時には、普段の私を忘れてシンデレラになりきることができました。自分では大きく動いているつもりでも、舞台上では、小さな動きに見えてしまうので、第三者から見てもらうことが大切だということを学びました。オペレッタを通じ、子どもの側に立って考え、子どもがどう感じているのかが良く分かったのでとても勉強になりました」と感想を述べた。
音楽表現部門で器楽を担当した中学・高校と吹奏楽部の菊池明里(きくち あかり)さんは「本番では緊張しましたが、一つの音楽を作り上げることが出来て楽しかったです。今回のステージで使われる16曲を合唱担当と器楽担当でそれぞれ8曲ずつ作りました。同じような曲調にならないように金管楽器と木管楽器のバランスや配置を工夫しました。それぞれの場面に応じ、楽しそうな曲、流れるような曲、カッコよい曲などみんなで一生懸命練習し演奏できたのが良かったです」と語り、仲間と作り上げたステージ音楽に満足気な表情を浮かべた。
脚本リーダーの丸山佳菜さんは「今まで凄い不安の中で作り上げてきたものが、子どもたちの歓声や飛び跳ねて喜ぶ姿を見てホッとしている。登場人物一人一人のキャラクター性を大事にして「憧れる魔法」をテーマに脚本を考えました。作品を作りながら常に不安な気持ちでいっぱいでしたが、「子どもたちのため」を思って作り、最後に子どもたちの心に届いているのが実感できたのが嬉しかったです。将来は専攻科に進み、更に保育の専門分野を学び最終的には保育士になりたいです」と述べ、オペレッタを通じ得たものを胸に秘め、将来を見据えていた。
造形部門で衣装リーダーの萱沼しおりさんは「大道具・小道具・衣装とが全体的にまとまりがあったので良かったです。衣装は、去年の先輩が残したもので使えるものは使いましたがほとんどが手作りです。主人公のシンデレラの衣装は子どもたちから見て憧れの的になるように白とピンクを取り入れ、魔法使いの衣装は神的な存在になるように工夫しました。洋裁が得意で服は作ったことがありましたが、舞台衣装を作るのは初めてだったので、色々と研究してみんなで協力し合い作り上げました。今回の見せ場のシンデレラの早着替えも成功して良かったです」と話し、緊張から解き放たれ笑顔を見せた。

この後、授業では学生自身が自分たちの舞台の様子をビデオで再確認し、来場者アンケートなどとともに自己評価や部門ごとに評価を行い、将来保育者として必要な対人関係能力やチームワーク力や問題解決力、社会貢献感などを再認識し、人間性の醸成を図る。(Y.Y)
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