
平成22年U−18山梨ユースリーグは7月17日、第8節5試合を行った。このうち、事実上の優勝決定戦と見られた山梨学院高対ヴァンフォーレ甲府U−18チームの試合が南アルプス市VF甲府八田河川敷グラウンドで行われた。VF甲府U−18チームにはトップチームのプロ選手堀米勇輝と小俣大貴の2人の山梨学院高3年生が所属、山学同士の対決が実現した。試合は、6月27日に全国高校総体県予選で優勝を飾りインターハイ出場を決めたばかりの山梨学院高が、勢いを加速させてVF甲府U−18を圧倒、3−0で勝利した。リーグ戦は8月28日に最終節を向かえるが、トップを走っている山梨学院が7勝1敗勝ち点21に伸ばし、2位・3位に付けている帝京三・VF甲府を突き放した。最終戦の甲府商業戦に勝利すると、全国優勝した昨年のチームも成し得なかった創部初のユースリーグ優勝を手中にする。
「U−18山梨ユースリーグ」は、山梨県内の強豪10チーム「VF甲府U−18・韮崎・帝京三・山梨学院・甲府東・甲府工・都留・甲府商・桂・日大明星(プリンスカップ出場の日本航空を除く)」が4月から8月にかけて総当たり戦で優勝を争う長期リーグ戦。今年度の優勝チームには来年度のプリンスカップ出場権が与えられる。
日本列島が梅雨明けした17日午後3時、富士の左隣に入道雲が現われ、甲府盆地特有の蒸し暑さの中で試合が始まった。前半の山梨学院は硬さが目立った。前線の長身FW加部未蘭(3年)187cmが相手DF陣とヘディングで競り合うがボールを味方に供給することが出来ない。MF陣のパス回しもVF甲府に読まれカットを許す。開始3分に攻め込まれてCKを許したのを皮切りに、17分・21分と3度のCK、得点こそ与えなかったものの、前半の前半はちぐはぐな攻撃が目立った。流れを変えたのはセットプレーからだった。前半28分、左45度・35m地点からのFKに主将のMF宮本龍(3年)が頭で合わせ先制した。
ハーフタイムのベンチで吉永一明監督は「戦術以前に一対一の戦いに負けるな、あと10m走れ、楽をしたらチャンスは生まれない、チームの代表だということを忘れるな、プライドを持て」と鼓舞した。
後半の山学は運動量が増えた。開始6分の加部の技ありシュートはポストにはじかれたが、両サイドからの崩しと加部とFW白崎凌兵(2年)の2トップの連携からチャンスを作る場面が次第に多くなった。12分、スローインからのボールを右サイドで展開し、最後はゴール左に走り込んだMF長谷川紫貴(3年)が決めて追加点を奪った。さらに15分、ゴール前で白崎→長谷川→白崎と回し、白崎がGKをかわしダメ押しの3点目を奪い試合を決めた。
≪U-18山梨ユースリーグ 山梨学院高 VS VF甲府U-18≫(7/17)八田河川敷グラウンド
○ 山梨学院高 3 |
{前半1−0} |
0 VF甲府U−18 ●
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{後半2−0} |
得点 宮本龍・長谷川紫貴・白崎凌兵
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宮本龍主将は「相手の中心選手堀米をフリーにさせないように注意した。前半は中盤で何度を同じ間違いをした。後半はしんどくなった所で点が取れた。昨年のチームでも出来なかった事に一歩近づけたので、8月の最後の試合でも勝てるようにしたい」と汗を拭いた。
吉永一明監督は「前半は硬さがあった、セットプレーで点が取れた所は良かった。らしさが出ていなかったので、ハーフタイムでプライドを持てと鼓舞した。後半は要求した形が少し作れた。追加点を取れて、ゼロで終れたのだから良しとすべき。インターハイに向けて、自信にしてほしい」と振りかえった。山学チームは、明日は韮崎で東京の強豪校、そのあとは大阪で近畿の強豪校と対戦してさらなるレベルアップを図り、沖縄で開かれる8月真夏のインターハイに向かう。(M.I)
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