
第83回関東学生選手権水泳競技大会が、8月3日から5日の日程で、東京辰巳国際水泳場を舞台に繰り広げられている。山梨学院大水泳部は男子が出場。1日目に池田慶太(400m自由形)と大須武(100m平泳ぎ)が優勝したのに続き、2日目も200m個人メドレーで山崎智史が2位を2秒近く引き離す圧倒的強さで優勝に輝いた。2分02秒50の大会新記録を樹立、関東に敵なしのブッチギリ優勝だった。また、1500m自由形に出場した菅原和也が、米村亮悟(神奈川大)とスタートから2人だけ異次元の泳ぎでデッドヒートを演じ、大会新・県新・山学新・自己新の記録尽くめで準優勝を飾った。この他の出場全選手も健闘、インカレ出場シード校で2連覇を目指す女子同様に、男子もまた9月のインカレに向け、2日目の段階で確かな手応えと弾みを手中にした。
≪男子1500m自由形タイム決勝 菅原和也≫
男子1部1500m自由形には、19人の選手が出場した。1組と2組に分かれ、タイム順に順位を決める「タイム決勝レース」が行なわれた。菅原和也(3年 花巻東高)は2組6レーンで臨んだ。レースは隣の5コースを泳ぐ米村亮悟(神奈川大)と菅原との一騎打ちとなった。スタート直後から、他の選手をどんどん引き離し、2人だけ異次元の泳ぎでデッドヒートを繰り広げた。菅原の泳ぎは、呼吸をする側の左手を大きく振り、反対の右手は素早く小さくたたむ。頭を大きく動かし、天井が見えるほど顔を上げる独特の泳ぎ、隣の米村の左右対称のスマートな泳ぎとは対照的な荒削り泳法、豪快に体を前に引っ張っていく。米村とは持ちタイムで10秒近い差があったが、この大会は終始1秒前後の遅れで食い下がった。1400mで3秒差に離されたが、ラスト50mを頑張り、最終タイムは米村15分32秒46、菅原15分33秒52、1秒06差まで詰めてゴール、二人とも大会新だった。菅原和也選手は「調子は良かった、みんなの期待を裏切らないようにと思って食い下がった。大会新は嬉しいが、米村さんのほうが上手でした」と話し、この借りはインカレで返すとその心に誓った。
≪男子200m個人メドレー決勝 山崎智史≫
男子1部200m個人メドレー決勝に山学大から2人が進出した。予選1位通過の山崎智史(4年 山梨学院高)は5コース、予選7位の重森俊二(1年 鹿児島情報高)は2コースでレースに臨む。スタート前の選手控え所、重森は落ち着いた表情、山崎はいつものようにやや硬い表情、コールを受けた山崎は、フゥーと息を大きく吐き出し、心を落ち着かせてプールサイドを歩き出し、スタート台に向かった。山崎は最初のバタフライでいきなりトップに出た。背泳ぎでさらに加速、100mでは2位に2秒の差をつけた。平泳ぎも安定した泳ぎでつなぎ、ラスト50mのクロールも一気に泳ぎ切り、2分02秒50の大会新記録でゴール、他を寄せつけない圧倒的強さで優勝した。重森は2分06秒59の自己ベストで7位に入った。山崎智史選手は「2秒台は久し振り、ジャパンオープンは3秒台だったし、去年の自分を超えられた。1ヵ月後のインカレに向けていい感触をつかめた」と話し、ラバー水着でない水着での記録に手応えを掴んでいた。
この他の山学大勢では200m自由形の上地孝昌(3年 青森山田高)が決勝進出、1分54秒66の自己ベストで6位入賞した。上地孝昌選手は「最初から行って、後半は残る力を全部出すようにした。ベストの泳ぎが出来てインカレにつながる」と語った。400mメドレーリレー(原能成・大須武・山崎智史・武田晃則)は5位に入った。大会は明日5日に最終日を迎える。(M.T)
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