
ニュースファイル特集"夏に鍛える"第3回は中高一貫教育で難関大学への進学を目指す山梨学院中学校の取り組み−合格は夏が決める−。山梨学院中学・高校は、中学3年間と高校3年間を1本のカリキュラムでつなぎ、山梨学院中学に入学した生徒全員が山梨学院高校の特別進学コースに進む中高一貫教育に取り組んでいる。6年間を、基礎学力養成期、実力養成期、完成期の3期に分けて学習を進め、時間的にも、精神的にもゆとりをもって学力向上を図っていく。山梨学院中学の創立は14年前、東大などの超難関大学を始め、生徒が志望する大学への全員合格を目指し平成8年に開校された。中学3年生は、この夏、学校伝統のオーストラリア語学研修を体験して帰国したばかり。その3年生を始め全校生徒が、夏休み返上の課外授業で学力アップに励んでいる。
山梨学院中学は、1学年3クラスの少数精鋭主義、英語学習を重要視しており、全員が英検の上位取得を目指している。平成21年度は、準1級1名、2級2名、準2級26名、3級116名の実績をあげた。第1期生から実施されている学校最大の行事であるオーストラリア語学研修は、中3の1学期末から夏期休暇の2週間にわたる海外研修旅行。語学力の向上と、国際感覚を身につけて国際理解を深めることを目的に実施され、今年で13回目を数える。3年1組から3組の98人の生徒たちは、7月14日に日本を出発してオーストラリア、クイーンランド州トゥーンバ市の約80軒の家庭に1人から2人でホームステイ、外国人家族と9日間寝食を共にし、ホストファミリー宅からダウンランド・カレッジなど3校に短期通学して英会話授業などの語学研修を受け、全員元気に帰国した。
日本列島がこの夏3度目の暑さのピークを向かえ、甲府の37度を始め全国142地点が猛暑日を記録した8月17日、山梨学院中学・高校で夏休み後半の課外授業が始まった。中学は7月28日から31日に前半、8月17日から20日に後半の課外授業を実施。普段の50分授業では出来ないきめ細かい授業を行うために90分授業が行われている。今年度は特に英語と数学に力を入れ、2科目については習熟度クラス編成にして、生徒の実力に応じた授業で全員の学力アップを図っている。また高校では提携している河合塾の講師による特別課外授業が17日から始まった。ともに猛暑とは無縁のクーラーの効いた涼しい教室で授業が進められている。真冬のオーストラリアを体験し、真夏の甲府盆地に帰って来た中学3年生も元気に登校、ひとしきり研修旅行の思い出話しに花を咲かせたあと、真剣なまなざしで90分授業と向かい合っていた。指導に当たる
深沢源一教諭は「今年度は特に英語と数学に力を入れています。この2科目については、普段のクラス編成とは変えて、習熟度に応じたクラス編成を試みています。実力に応じたきめ細かい課外授業に取り組み、生徒一人一人の学力を着実にアップさせて行きたい」と話している。
中学と高校が連携したハイレベルな教育によって平成21年度の山梨学院高校特別進学コースの現役合格率は92%に達した。課外授業に取り組む中学3年1組のクラスには、風の如く素早い行動、林の如く静かな授業、火の如く熱い絆、山の如く広い心、と書かれたクラス目標が掲げられていた。生徒たちは、3年後の冬の出陣に向けて、静かに熱く夏を過ごしている。(M.I)
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