山梨学院パブリシティセンター
●全日本学生テニス選手権
〜山学大女子テニス部から4選手がインカレ出場〜
〜聖地の初舞台大澤・奥田・松田・松山が躍動〜

平成22年度全日本学生テニス選手権大会(インカレ)が8月27日から9月5日の日程で、テニスの聖地東京・有明テニスの森公園で始まった。学生テニス界最大の大会に、2006年に強化育成クラブとして誕生した創部5年目の山梨学院大女子テニス部から、関東大会3位の大澤愛加と、奥田なる美、松田望実、松山愛の4選手が揃って初出場の夢を実現させた。4人が出場する女子シングルス1回戦が28日に行われ、強烈な暑さに襲われた熱波のコートで、4人はそれぞれの思いを胸に、聖地での初舞台に挑んだ。試合の結果、2年の大澤愛加と松田望実の2人が1回戦を突破し2回戦進出を決めた。3年の奥田なる美と4年になって念願の舞台に立った松山愛の2人は惜しくも敗退した。




山梨学院大女子テニス部は、2006年に強化育成クラブとして誕生した。関東大学テニスリーグ5部からスタート、初年度5部優勝、2007年4部優勝、2008年3部優勝、2009年に2部優勝と1部2部入れ替え戦勝利を果たした。今年度のチームは、9月の関東学生リーグ戦では念願の1部でプレーする。昇格の原動力となった阿部瑠美・三浦麻奈美・牛山菜緒子らの1期生は卒業したが、後を引き継いだ下級生が力を伸ばし、大澤愛加(2年 学芸館)・奥田なる美(3年 堀越)・松田望実選手(2年 鳥取中央育英)・松山 愛選手(4年 静岡市立)の4人が、インカレ出場選手に成長し初舞台に立った。

午前9時からの第1試合で、大澤愛加が3番コート、松山愛が7番コートでほとんど同時にプレーを始めた。大澤は、対戦相手の泉文恵(東北福祉大)をまったく寄せつけなかった。強打で圧倒しわずか1時間でストレート勝ちした。一方松山は、立ち上がりでつまづいた。相手の内仲葵(関西大)は同じようにロブを多用する上に、時折前に出てくるスピードとテクニックを備えたプレーヤー、リズムに乗れないまま第1セットを簡単に奪われた。しかし、第2セットは松山のペース、リズムに乗り一時は5−2とリードした。追いつかれてタイレークになった時も6−2とリードしセットを取れるところまであと一歩だったが、大事な所で守りに入り、追いつかれて逆転を許し最後は7−9で敗れた。
大澤愛加選手は「始めてのインカレで最初は硬くなったが、徐々に自分のプレーが出来るようになりました。いい出だしが出来たが、次の相手は我慢を強いられる相手で、きつい試合になることは分かっています。少しでも長く有明にいられるように頑張ります」と笑顔で語った。松山愛選手は「最初で最後のインカレ、チャレンジャーの気持で楽しもうと思ったが、第1セットはすごく緊張しました。第2セットになって落ち着き、自分らしいテニスができましたが、リードしてから守りに入ってしまいました。練習したプレーが出来なかったことは悔しいが、1年の時からの目標であった一生に一度のすごい経験をすることが出来ました」涙をこらえながら誠実に応えた。

奥田なる美と松田望実の試合は、気温が最も高くなる午後3時過ぎから始まった。ハードコート上の体感気温は40度にもなっていたであろう、相手だけでなく猛暑との戦いでもあった。奥田なる美は14番コート、松田望実は6番コート、2人の試合は同時進行で進んだ。奥田は1カ月ほど前から調子を崩している、しかも対戦相手の長布紗子(福岡大)は九州大会トップ通過の九州No1プレーヤー、第1セットはまったく力を発揮できずに落としてしまった。第2セットに入り、持ち前のパワーテニスが出始め、あと1ゲームでセットを取れる5−3とリードしたが、そこからリズムが崩れブレークを許してミスから自滅、5−7と逆転されて敗退した。一方、松田は第1セットの立ち上がりに成功して自分のテニスを展開した。変則的な握りから打ち出される高く跳ねるボールが相手の朴芝仙(青森大)を戸惑わせ、第1セット、第2セットともに6−3で危なげなく勝利した。
奥田なる美選手は「空回りして自分の思ったプレーが出来なかったことが悔しい。第2セットはいったんいい形になったが、リズムが崩れたあとの我慢が出来なかった、気持が引いてしまった。調子が悪いときにどうするか、課題がたくさんある」と話し「来年またこの場所に戻ってきたい」と気持を奮い立たせた。松田望実選手は「最初は緊張したが、自分のやるべきことをきちんと試合に出そうと強気で頑張りました。第2セットは自分も相手も調子が上ってきて激しい戦いになったが、我慢強くプレーしました。2回戦も緊張すると思うけれど、自分を出して行きたい」と振り返った。

平成22年度全日本学生テニス選手権女子シングルス1回戦
(8/28) 於 有明テニスの森公園
大澤 愛加(山学大) 6-1,6-0 泉 文恵(東北福祉)
松山 愛 (山学大) 1-6,6-7 内仲  葵(関西大)
奥田なる美(山学大) 0-6,5-7 長 布紗子(福岡大)
松田 望実(山学大) 6-3,6-3 朴 芝 仙(青森大)

山学大女子テニス部は、出場選手だけでなく部員全員が会場に駆けつけ、出場選手をコートサイドで応援した。試合後、部員全員を集めた三好勲コーチは「勝った選手は気持ちを次の試合に向けなさい、負けた選手はここで悔しい思いをしたことを次の自分につなげるように努力しなさい」と話し、出場できなかった選手に対して「ここで見たこと、学んだことを、個人個人が次の試合で出すように」と促し、一人でも多くの選手が聖地の舞台でプレーすることを願った。そして、各選手のプレーについては「全員が初出場だったので、皆立ち上がりは緊張したが、大澤は自分の力を発揮した。松田は相手を飲み込み、最後まで我慢強くプレーした。奥田は相手に負けたというより自分に負けた。調子を崩しており、リーグ戦までに修正しないといけない。ボールを多く打たせて自信を取り戻させたい。松山は頭が良いので自分で戦略が立てられる、セカンドセットは戦術を変えていい戦いをしたが、ここぞという勝負時に気持が守りに入ってしまい、最後の一歩が出ずに相手を蘇らせてしまった」と4人の戦いを振り返った。大澤と松田が進出した女子シングルス2回戦は30日に行われる。(M.T)
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