山梨学院パブリシティセンター
●第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第6日)
●山梨学院打線爆発 大月に10対0 5回コールド3回戦へ
●〜豪腕・平間 5回9奪三振、無安打、3四球と好投〜

□第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第6日)は9月19日、甲府市の小瀬球場で二回戦一試合、三回戦二試合を行った。最終戦となった二回戦は、地区シードの山梨学院と大月短大附が対戦。後攻の山梨学院は、先発に1年生右腕、背番号11・平間凛太郎(世田谷シ)を起用。平間は、立ち上がり1・2番打者を投手ゴロに仕留めると、3番打者を3球三振に打ち取る力投で波にのり、5回を9奪三振、無安打、3四球と好投。攻めては、3番・主将の田口蒔人(2年・青葉緑東シ)の1回裏2-3からの「インコース真っ直ぐ」を左線に弾き返す二塁打で先取点を奪う4打数4安打3打点と、1番・鈴木孝昌(2年・八王子シ)の四球に二塁打、三塁打、一塁打の3打数3安打5打点と猛打が目立った。山梨学院は1年生ながら豪腕ぶりを披露した平間と、13安打の猛攻を見せた打線が上手く絡み、10対0の5回コールドで大月短大附に大勝し初戦を突破した。


☆第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第6日)   於 小瀬球場

大月短大附 0 0 0 0 0 0       0
山梨学院 1 1 0 4 4 ×       10

[山梨学院] 先発投手:平間(5回、69球、0安打、1犠打、3四球、9三振) 捕手:丸山(盗塁刺1) 二塁打 田口・鈴木   三塁打 鈴木 
[大月短大附] 先発投手:小林(4回、80球、8安打、0犠打、3四球、2三振) 2投手:加藤(1/3、24球、4安打、0犠打、1四球、0三振、1暴投) 投手:小林(1/3、3球、1安打、0犠打、0四球、0三振) 捕手:矢ヶ崎

▲後攻の山梨学院は1回表、先発マウンドに背番号11の1年生右腕・平間凛太郎(1年・世田谷シ)を送った。右腕・平間は、立ち上がり1番打者を初球で投手ゴロに仕留めると、2番打者を2球で投手ゴロに、3番打者を3球三振に打ち取る好発進。
▲1回裏、1番・鈴木孝昌(2年・八王子シ)が、相手・右投手から四球を選び出塁すると、盗塁で二塁に進塁。一死後、3番・主将の田口蒔人(2年・青葉緑東シ)が「初戦で皆固かったので、先取点を取りチームをリラックスさせようと狙った」と、2-3からの「インコース真っ直ぐ」を左線に弾き返す二塁打で、鈴木を生還させ先取点を奪う。
▲2回表、右腕・平間は4番打者を2-3から空振り三振に、6番打者を三塁ゴロに仕留めるが、7番打者に四球を与え出塁させると、1-0からの変化球で盗塁を仕掛けられる。しかし、捕手・丸山陵司(2年・調布シ)の「肩は自信がある」と、二塁に矢のような球を投げタッチアウトとし、バックが平間を守り立てる。
▲2回裏、好守を見せた6番・丸山が四球を選び出塁。続く7番・坂上泰斗(1年・静岡裾野シ)が1-2から中前安打し、無死一二塁。二死後、1番・鈴木が1-0からの2球目を叩き左線二塁適時打で2対0。
▲3回表、右腕・平間は先頭打者の7番の1-1からの3球目に空振りを奪うが、これがワインドアップポジションでのアマチュア違反投球となり、一転1-2。捕手・丸山が、即座にマウンドに駆け寄り1年生投手・平間を落ち着かせるが、四球とし無死一塁。続く、8番打者を迎え、「セットポジションで投げるように」と須田喜照監督の伝令。右腕・平間は落ち着きを取り戻し初球ストライクで2球目に犠打をさせ一死二塁とした。「セットポジションで投げたら、しっくり行きリズムを取り戻せた」と9番打者の0-3のピンチも2-3とし、止めは137キロで空振り三振に、続く一番打者も変化球の空振り三振で打ち取り、平間は自ら招いたピンチを自らの好投で切り抜ける。
▲山梨学院は4回裏、6番・丸山が相手野手の失策で出塁。7番・坂上が初球を中前安打し無死一二塁。8番・平間の犠打が1-5となり、一死一二塁とし、9番・飯野湧介(2年・甲府南シ)の四球で一死満塁。1番・鈴木の0-1から中越えの走者一掃の三塁打で5対0。続く2番・青戸角太郎(1年・青葉緑東)の0-1から右前適時打で6対0とリード。
▲5回表、右腕・平間は6番打者を三振。7番打者を内野失策で出塁させるものの、8番・9番打者を三振に打ち取る好投。
▲5回裏、代わった左投手から5番・小林義弘(1年・千葉市シ)が2-1から中前安打で出塁し、続く6番・丸山の1-0からのワイルドピッチで二塁に進塁。6番・丸山の左前安打で無死一三塁。一死後、8番・平間の一球目で丸山が盗塁し、一死二三塁。8番・平間は2-3からの8球目を自らのバットで中前適時打し小林を生還させ7対0とする。一死一三塁、9番・飯野が四球を選び一死満塁。1番・鈴木が1-1から右前に運び丸山が還り8対0。たまらず、相手二番手・左投手は先発の右腕に交代。ここで2番・青戸に坂本海(2年・千葉市シ)が代打で送り込まれたが、内野フライに倒れ二死満塁。3番・主将の田口が、初球を右前に運び、平間と飯野を生還させ、10対0の5回コールドで初戦(二回戦)を突破した。三回戦は9月23日午後2時から小瀬球場で、富士学苑とベスト8進出を賭け対戦する。

1年生右腕・平間凛太郎(1年・世田谷シ)は、終わってみれば5回を9奪三振、無安打、3四球と好投。平間は「野手が点を取ってくれたので、自分のリズムで投げれた。特にストレートが、走っていた」と、満足感を表した。3回表の主審の注意は「ワインドアップのとき、軸足のもう一方のプレイと後方の足が横に(アマチュア規定でプレートの延長線上から横にはみ出していると違反に)際どいと、1回表から促されていた」と、平然たる顔つき。しかし「3回表に注意を受けボールとされたときは、さすがに動揺した。監督からセットポジションでと指示され、すぐに自分のリズムを取り戻せた。春には、打たれて崩れるのではなくて、些細なことで自分からリズムを崩してしまい、チームに迷惑をかけたが、今は周りで声を掛けられると修正できるようになった」と、精神面での成長を強調。「今日は無駄な四球の外は、得意のストレートが走り、カーブ、スライダーも良くて、納得がゆく投球が出来た」と、結んだ。
捕手・丸山陵司(2年・調布シ)は、「内野から新チームになって捕手にコンバートされた」。2回表には盗塁を阻止する強肩も披露し、1年生投手・平間を好リードし無失点とし、捕手の大役を無事務めた。丸山は吹き出す額の汗を拭いながら、「小学校の軟式時代に遊び程度に捕手をしたことはあるが、未経験に近い。それでも肩には自信があるので、抵抗はなかった」と、振り返る。「平間は、真っ直ぐが走っていた。平間は気持ちが乗ってくると、物凄い力を発揮する投手なので、気持ちを乗せるリードに心掛けている」。丸山は平間が3回表の主審の注意で動揺したことを、いち早くキャッチしマウンドに駆け寄ったり、声を掛けたりの献身ぶりで、すっかり捕手が板に付いている。次の試合は、「投手が誰
がきても、それぞれの良さを引き出しリードして行きたい」と述べた。
1番・鈴木孝昌(2年・八王子シ)は、四球に二塁打、三塁打、一塁打の3打席3安打5打点と大暴れ。鈴木は「練習試合では結果が出せずに、調子が悪かった。チームのために、気持ちを切り替えて大会に臨んだ」と、今日は「冷静に打席に立て、球が良く見えた。空振りを怖がらずに、振り抜く自分のスイングに心掛けた」と、出塁100%に安堵の笑みを浮かべた。「次も、1番打者として、冷静に球を良く見極めて、塁に出ることに徹したい」と、不動の1番に意欲を覗かせた。
主将3番・田口蒔人(2年・青葉緑東)は、先制点をあげる4打数4安打3打点の猛打賞の働きでチームを牽引した。田口は「新チームになって、皆で、チームの雰囲気づくりに取り組んだ。大会が近づくに連れて、一人一人の意識が変わり、大会前にはチームが良い雰囲気になり、今日を迎えた」。しかし、「新チームで、公式戦経験が少ない選手がいて、チームは堅くなっていた。チームの打撃の出来は、今日は30%」と、やや辛口評価。投手の「平間は3回表に注意を受けて崩れかけたが、良く立ち直ってくれた。平間は力がある(投手な)ので、如何に平間をリズムに乗せられるかが、僕らの仕事」と、1年生投手の育成も忘れない。次の3回戦は「チームは、自分達の力を十二分に発揮できるように、技術面と体力面は強化していているので、精神面を確り調整し、 さらにモチベーションをあげて、富士学苑戦に臨みたい」と、目を据えて述べた。
須田喜照監督は開口一番、「(チームは)堅いの一言です」。「1年生が4人スタメン(スターティングメンバー)で入っていたので仕方ないか」と、自問自答。平間の投球違反について「今まで注意されたことはなかったので、今日の投球で問題が出たのだと思う。取りあえず、セットポジションで投げさせ、ワインドアップポジションは、焦らずに悪い所(軸足以外の足がプレートの延長線の横枠から出る)を修正したい」と、述べた。「平間はストレートに球威があり、魅力的。MAXは140キロ以上。コンスタントに130キロ後半を出せる投手。春の大会より球速が上がっている。今大会は平間が中心かな」。しかし、「うちには他にも、エース・中村、廣瀬、湯浅、花ヶ崎など、タイプが違う投手が競り合っている。チャンスは皆にある」と、「野手も、実力伯仲」。「明日、練習試合があるし、その後の練習の様子を見て調子の良い選手を起用したい」と、語り小瀬球場を後にした。
□山梨学院の新チームは、打線の層も厚く破壊力があり、切れ目がない。投手陣は個性豊かで層が厚い。田口主将の「チームは、自分達の力を十二分に発揮できるように、精神面を確り調整したい」と言うように、新チームの心技体の『技』『体』は、地区予選や練習試合を見る限り、近年になく秀でている。後は、須田監督のもとに『己』を『チーム』を信じて、気持ちが萎縮せずに、然りとて驕ることなく、平常心へと『心』を誘えば、最強チームとして君臨できる日は近い。サクセスストーリーの幕は切って落とされた。(H・K)
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