山梨学院パブリシティセンター
●第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第9日)
●山学エース・中村が技巧術披露 富士学に8対1準々へ 
●〜1年5番・小林 4ー4の3打点 若大将目覚める〜

第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第9日)は9月24日、甲府市の小瀬球場で三回戦2試合を行った。二試合目は、地区シードの山梨学院と夏・準優勝の富士学苑が対戦。後攻の山梨学院は、先発にエース右腕・中村太星(山梨都留シ)を予定通りマウンドに送った。中村は1番打者を三塁ゴロ、二番打者を空振りの三振とし、続く3番打者に右前安打されるものの、4番打者のフルカウントから空振りの三振に打ち取り上々の立ち上がり。その裏一死後、2番・青戸角太郎(1年・青葉緑東シ)が中堅手の頭上を越える三塁打。一死一三塁で4番・岩島範和(2年・青葉緑東シ)が左前に運び先取点を奪う。続く、5番・小林義弘(1年・千葉市シ)が中前安打で満塁とすると、相手失策と中儀飛で得点を重ね3対0とし主導権を握る。2回裏も3番主将・田口蒔人(2年・青葉緑東シ)と5番・小林の適時打などで3点を追加。4回表、中村は無死から連続安打と犠打で一死二三塁とされ、ピンチを迎えたが1失点で切り抜け6対1と踏ん張る。山梨学院は6回裏、5番・小林が「コーチにビデオでフォームを修正してもらった」と、中越え二塁打を放ち2者を生還させ8対1とエース・中村を盛り上げる。中村は7回表、9番の代打を一飛、1番打者を左飛、2番打者を2-2から空振り三振に打ち取り7回コールドとした。中村は7安打されながらも、要所を押える技巧術投球で、相手を翻弄しエースの貫禄を示した。攻めては、4打数4安打3打点と大当たりの若大将・小林が眠りから目を覚まし、チームを勝利に導きベスト8へと駒を進めた。

☆第63回秋季関東地区高校野球山梨県大会(第9日) 於 小瀬球場

富士学苑 0 0 0 1 0 0 0     1
山梨学院 3 3 0 0 0 2 ×     8

[山梨学院] 
先発投手:中村(7回、106球、7安打、2犠打、1死球、6三振)
捕手:丸山
二塁打 田口・中村・小林   三塁打 青戸 
[富士学苑] 
先発投手:渡邊(1回0/3、35球、3安打、0犠打、2死四球、0三振)
2投手:小俣(5回、65球、7安打、3犠打、3死四球、1三振)
捕手:武石(捕逸 1)

▲後攻の山梨学院は1回表、先発マウンドに背番号1、エース右腕・中村太星(2年・山梨都留シ)が立った。エース・中村は、1番打者を三塁ゴロ、二番打者を2-2から空振りの三振、続く3番打者に右前安打されるものの、4番打者を2-3のフルカウントから空振りの三振に打ち取り上々の立ち上がり。
▲1回裏一死後、2番・青戸角太郎(1年・青葉緑東シ)が1-1から、「チャンスをつくりたかったので、真っ直ぐ、真ん中高目を思い切ってスイングした」、球は中堅手の頭上を越える三塁打。続く3番・主将の田口蒔人(2年・青葉緑東シ)が死球で一死一三塁。4番・岩島範和(2年・青葉緑東シ)が2-2からの「変化球を待っていた。インコース低目のカーブを振り抜いた」と左前に運び、三塁から青戸を生還させ先取点を奪う。続く、5番・小林義弘(1年・千葉市シ)の中前安打で満塁とすると、6番・丸山陵司(2年・調布シ)が2-2からの5球目にパスボールを誘い、岩島が三塁へ、田口が生還し2対0。丸山は2-3から中犠飛を打ち、岩島を生還させて3対0。
▲2回表、エース・中村は先頭打者5番に1-0から左中間を破られる二塁打を打たれ、つづく打者の犠打で一死三塁とされ、「力んだ」と7番打者の初球を死球とし一死一三塁のピンチを招くも、切れの良い変化球で8番・9番打者を連続空振り三振としてエースの貫禄を見せ付ける。
▲2回裏、好投する8番・中村が死球で出塁し、続く9番・加藤久也(1年・千葉市シ)の2球目に盗塁、犠打で三塁へ進塁。1番・鈴木孝昌(2年・八王子シ)の左犧飛で三塁から、中村が生還して4対0とする。2番・青戸が四球を選び出塁。続く、3番主将の田口が2-0からの3球目をフルスイングし左線を破る二塁打で、青戸が還り5対0。4番・岩島の0-2からの3球目、田口が盗塁を決め二死三塁。岩島が四球を選び、二死一三塁。続く、5番・小林の初球遊撃手への安打で田口がホームを踏み6対0と追加点をあげる。
▲3回表、エース・中村は「大量得点をもらって、気持ちに余裕ができた」と、1番打者を捕飛に、2番打者を中飛に、3番打者に右前安打されるものの、4番打者を2-3からの内角ストレートで見逃し三振を奪う好投。
▲4回表、3回裏にエース・2回裏に自ら左越え二塁打を放ったエース・中村は、これでリズムを崩したのか、先頭打者の5番に中前安打、6番打者に左前安打と連打され、7番打者の内野ゴロで一死二三塁とされ、8番打者に右前適時打され6対1とされるが、「大量リードと、崩れても平間、廣瀬がいると思い、余裕を持って投げられた」と、後続を打ち取り最少失点でピンチを切り抜ける。
▲6回裏の一死後、2番・青戸が死球で出塁。続く、3番・田口の強い当たりが3塁手の股間を抜け(相手内野手の失策)、一死二三塁。2死後、3打数3安打の5番・小林が「ストレート、外の真ん中」を振り抜き、中越え二塁打し2者を還して、8対1と7回コールドの権利を手中に収める。
▲7回表のエース・中村は、「力みもなく、自分のペースで投げられた」と、9番の代打を一飛、1番打者を左飛、2番打者を2-2から空振り三振に打ち取り、チームに勝利をもたらし、ベスト8へと駒を進めた。9月26日午後1時から小瀬球場で、甲府工業とベスト4進出を賭け対戦する。

エース右腕・中村太星(2年・山梨都留シ)は、7回を7安打されながらも縦横の変化に緩急を付けた要所を押る投球術で1失点とエースの貫禄を見せ付けた。中村は「先発は前日に監督から告げられた」。「調子は悪くなかったが、中盤に『力み』がでて、肘が下がる悪い癖が出た」。しかし、「打撃陣が良いので、3点以内に押えれば、必ず打線が、それ以上点を取ってくれるし、自分が崩れても、平間(右腕)や廣瀬(左腕)がいると思い、安心して投球が出来た」と振り返る。甲府工業戦は「打撃陣も投手陣も良いチーム。相手を意識するのでなくて、自分の投球に集中したい。最上級生になり、甘えもなくなり、夏以降、練習試合での実践で完投を積み重ね、投球術は備わったと思うので、あとは精神面を確りだし、四死球を無くし、粘りのある投球で戦えば勝てると思う」と、エースは早くもベスト8へと気持ちを切り替えていた。
5番・小林義弘(1年・千葉市シ)は、6回裏二死一二塁、7回コールドとなる左中間を深く破る2点適時打など、4打数4安打3打点と猛打爆発。小林は「やっと、最近調子が上がってきた。スランプで悩んでいたとき、田中コーチに相談した。田中コーチはフォームを分析してくれて、ビデオで撮り分かりやすく指導してくれた。結果が出せて嬉しい。田中コーチに感謝したい」と、はにかんで微笑んだ。帰ってきた若大将・小林は「今後、維持できるように、さらに練習に励みたい」と謙虚に話した。
2番・青戸角太郎(1年・青葉緑東シ)は、先取点の足がかりとなる三塁打、四球、安打、死球と出塁率100%とチャンスメーカーとなった。青戸は「先頭打者が倒れたので、自分がチャンスをつくりたかった。真ん中高めを、思い切ってスイングした。(三塁打を)打てて良かった」。「自分は出塁して、チャンスをつくるのが仕事。今日は良い仕事ができて満足」と、目をくりくりさせ笑顔を見せる。「甲府工業戦でも、出塁して次の打者に繋げることに心掛けたい」と、小兵の青戸は小さな体に闘志を漲らせていた。
4番・岩島範和(2年・青葉緑東シ)は、1回裏一死一三塁2-1から左前適時打し先取点を奪った。岩島は「四番として決めたかった。変化球がくると予測し、変化球を待っていた。内角低目にカーブがきたので、思い切り振らずに繋げるバッティングに切り替えた」と、目を細めた。地区大会の甲府工業戦では2ホーマー放っている。9・26決戦の甲府工業戦では「4番として、本塁打に拘り果敢に狙って行きたい」と、怪物は目を輝かせた。
主将3番・田口蒔人(2年・青葉緑東シ)は、死球、二塁打、安打、失策出塁の1打点。初戦の4打数4安打3打点の好調を維持しチームをリードしている。田口は「打撃のチーム。各バッターがバットの芯に当たる回数が増えている。守りも、初戦(前回)はエラーが1あったが、今回はノーエラー。ベンチも良く声が出ていて、チームのモチベーションは高まっている」。「チームは一丸となり、一つ一つ課題を克服し、試合で実行している。チームの雰囲気はますます良くなっている」。初戦から2試合で全て出塁し、連続8出塁にのばした田口は「今日は力が入って体が開き、イメージ通りのバッティングが出来なかった」と、3打数2安打を悔いた。甲府工業戦は「自分達の野球、打撃で打ち勝ちたい」と、簡潔に決意を述べた。
須田喜照監督は「中村は予定通り」と一言。「死球一つ。打たせて取る投手、安打数は7安打と多かったが、要所で押えたので、中村のリズム。ある程度の失点は覚悟していたが、失点1と上々のマウンド裁き。ただ、内へ内へ入るのを注意しただけ」と、エースに信頼を寄せる。打線については「1年生投手が先発してきたので、立ち上がりを叩くように全力を尽くせと指示。その通りに、1回3点と期待にこたえてくれた」と、打線にも信頼を寄せる。甲府工業戦の話になると「(相手は)打線も投手も良いので、全力で戦う」と気を引き締める。具体的に、どう戦うかの問いに「試合に入ってみないと分からない」ときっぱり。先発は平間と言う問いに「リーグ戦でないから、ローテーションと言うわけにはいかない。中村、平間、廣瀬の中で、当日に調子の良い投手を起用したい」と、語り小瀬球場を後にした。
□エース番号1・技巧派の中村か、1年生ながら豪右腕の平間か、1年生で大型左腕の廣瀬か、全員完投能力があるのでの誰がきても楽しみ。打線は水物と言われるが田口主将の「打撃のチーム」に期待を寄せたい。甲府工業との大一番に須田監督のもと、投打が噛み合い勝利することを願っている。(H・K)
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