山梨学院パブリシティセンター
● 全日本学生柔道体重別選手権 最終日
〜4年生浅海静香が念願の学生チャンピオン獲得〜
〜加賀谷連覇ならず3位・黒江昨年と同じ3位〜

"体重別学生日本一決定戦"平成22年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子第29回・女子第26回)は10日、東京・日本武道館で2日目(最終日)の競技を行った。男子は中量級から重量級、女子は軽量級から中量級のそれぞれ3階級が行われた。このうち女子52kg級決勝に進出した浅海静香は、準決勝で後輩の加賀谷千保を下して進出してきた東海大の渡邉美樹を、見事な出足払いで畳に沈め1本勝ち、タイトルには無縁だった4年目の浅海静香がラストチャンスの体重別選手権で遂に念願だった学生日本一の座を獲得した。試合後、浅海は「山梨学院に来ていなかったら、私は学生チャンピオンになれなかった」と語った。この他の山学勢は、昨年のチャンピオン加賀谷千保と48kg級の黒江優希が3位、48s級の空閑愛媛と高田知穂の2人が5位に入った。2日間の大会で山学大勢は、優勝1人、準優勝2人、3位3人、5位5人と健闘した。
最後に浅海静香が"優勝"をチームにもたらす
女子52s級の浅海静香(あさうみ しずか・4年 広陵)は、これまで名前の似ている48s級世界チャンピオンの浅見八瑠奈や52s級の後輩加賀谷千保の陰に隠れて、あまり目立たない存在だった。昨年のこの大会で準優勝したが、加賀谷に敗れての準優勝だった。今年の大会も優勝を狙う本命は加賀谷で、浅海は2番手の位置で大会に臨んだ。1回戦・2回戦は、必ずしもいい出来ではなく、準決勝の橋本優貴(金沢学院大)戦でも、序盤で押さえ込まれそうになるピンチや指導を取られる苦しい展開となったが、残り2分に袖釣り込み腰で技ありを奪い逆転、ここからぐっと調子を上げた。加賀谷を破って進出してきた渡邉美樹(東海大)との決勝戦では、試合開始と同時に足払いで相手の体勢を崩すなど、積極的に技を仕掛けて攻め込んだ。そして3分30秒、攻めようと踏み込んできた相手の足を払う出足払いで、見事な1本勝ちを収めた。広島市に生まれた浅海は、兄に習い6歳から柔道を始め、中広中から広陵高に進んだ。高校時代の実績は高くはなかったが、高3の時に広島までスカウトに来てくれた山部監督の熱意に引かれ山学大に進学した。こつこつとひたむきに練習に取り組み、少しずつ少しずつ実力を上げてきた。4年の秋に、遂にその努力が報われる"学生チャンピオン"の称号を手に入れた。浅海静香選手は「決勝で1本を取った技は、反射的に動いたもの、何で相手がひっくり返ったのか分からなかった。学生チャンピオンになりたいと思って4年前に山学大に入学しました。先生や仲間たちに支えられてここまで来た。山梨学院に来ていなかったら、私は学生チャンピオンにはなれなかった」静かな口調で両監督とチームメイトへの感謝を口にした。

2日目の山学勢の主な成績
2連覇を目指した女子52s級の加賀谷千保(かがや ちほ・2年 藤枝順心)は、圧倒的な強さで勝ち進み、準決勝でも一方的に攻め続けた。しかし、十分な組み手でない状態で強引に大外刈りに行ったところを相手の渡辺美樹に小外掛けで返されて1本を取られ3位に終わった。加賀谷千保選手は「怪我も治って、初戦から調子よく臨めた。準決勝は強引過ぎたかもしれない、しっかり反省して体重別団体戦と講道館杯に生かしたい」と語った。女子48s級の黒江優希(くろえ ゆうき・3年 横須賀学院)は優勝を狙っていたが、準決勝で十田美里(近畿大)に有効を取られ昨年と同じ3位となった。黒江優希選手は「調子はよかったが、準決勝戦はただ前に出ているだけで一人でバタバタしていた、相手の方が冷静だった。講道館杯があるので、もう1回気持を切り替えて優勝を目指したい」と振り返った。女子48s級の空閑愛媛(くが あきえ・2年 久留米商)と同じく女子48s級の高田知穂(たかだ ちほ・1年 阿蘇)の2人が5位に入った。

山部伸敏女子監督「女子は3つの優勝を目標にしていたが、結果的には、一つしか取れなかった、目標に達せなかった。今の山学の力からすれば、もっと勝たなければいけなかった。体重別団体戦で初優勝するために、もう一度気を引き締めていく」。西田孝宏総監督「男子の中村は優勝を狙える選手、もっと上に行ってほしかった。1年の清水は優勝したに等しい内容だった。全体として、男子はもう少し意地を見せてほしかった。女子は、加賀谷にしても山部にしても今の実力からすると悪かった。最後の最後に浅海で救われた。スカッとした勝ち方でチームに勇気を与えた」。山学大柔道部は、3週間後の10月30・31の両日に大阪・尼崎市総合体育館で開かれる学生体重別団体優勝大会で、男女ともに初優勝を狙う。(M.T)
アルバムはこちら

山梨学院大勢全成績
成績 階級 名前 学年 備考
優勝 52kg級 浅海 静香 4年  初優勝
準優勝 70kg級 谷口 亜弥 4年  
準優勝 66kg級 清水 健登 1年  世界ジュニア日本代表
3位 52kg級 加賀谷千保 2年  
3位 78kg超級 山部 佳苗 2年  
3位 48kg級 黒江 優希 3年  
5位 73kg級 中村 剛教 2年  
5位 63kg級 上野まゆみ 4年  
5位 78kg級 濱田 尚里 2年  
5位 48kg級 空閑 愛媛 2年  
5位 48kg級 高田 知穂 1年  
3回戦 100kg超級 アドレ・シアマック 2年  
2回戦 70kg級 馬場菜津美 1年  世界ジュニア日本代表
2回戦 81kg級 安田 顕秀 2年  
2回戦 73s級 大隈 直樹 3年  
2回戦 63kg級 磯崎 未佳 3年  
2回戦 48kg級 濱口  光 4年  
2回戦 100kg超級 鈴木 健人 4年  
2回戦 73s級 大隈 直樹 3年  
2回戦 100kg超級 増田 哲也 3年  
1回戦 57kg級 吉元 佳代 3年  
1回戦 78kg級 生田  茜 4年  
1回戦 100kg級 杉山 良太 4年  
1回戦 52kg級 湧川 のな 4年  
1回戦 100kg超級 阿部 亜人 3年  
1回戦 66s級 上村  誠 3年  
1回戦 63kg級 小山 涼子 1年  
計量失格 70s級 飯田 有香 4年  

 

Copyright (C) 2010 YGUPC. All Rights Reserved.