
山梨学院小学校(山内紀幸校長)の児童が、山梨県立美術館で開催中の「小林一三の世界展〜逸翁美術館の名品を中心に〜」(10月30日〜11月30日)を校外学習授業で見学した。小林一三は、韮崎市出身で阪急の創業者・宝塚歌劇の創始者。鉄道・映画・デパート・野球など多分野で事業を興した経済人であり、国宝や重要文化財など国内外の一級美術品を約5000点も収集した文化人の顔も持つ立志伝中の人物。山梨学院小は、郷里が生んだ偉大な人物のことを詳しく学ぼうと、11月1日にオクトーバープロジェクト(児童が関心を抱いた文化的・芸術的活動について、学年の壁を取り払い、チーム単位で一つのテーマを研究する課題探求型授業)の一環として企画展を見学した。参加したのはプロジェクトの「文芸コース」を選択した1年生から6年生の14人、子供たちは「斬新奇抜な人、こんなすごい人がいたんだ」と瞳を輝かせていた。
山梨学院小は、子供たちの「自律性を育てる」「想像力を育む」「ともに生きることを学ぶ」を教育の3本柱にして、文科省の「研究開発学校」の指定を受け、学習指導要領の枠を超えた先進的な教育プログラムを実施している。
オクトーバープロジェクトは、秋恒例の文化的・芸術的活動についてチーム単位で学ぶ2週間の課題探求特別授業、この期間中は学年の壁を取り払い、1年生から6年生の児童が一緒に学ぶ。今年は「ピタゴラスイッチチーム」「映画制作チーム」「文芸チーム」など10チームが選んだテーマや課題についてそれぞれ探求している。山梨県立美術館を訪問したのは「文芸コース」を選んだ1年生から6年生の14人、観察ボードを手に1時間半にわたり作品を一つ一つ丹念に観察していた。
会場には小林一三氏のコレクションを所蔵する逸翁(いつおう)美術館(大阪府池田市)の名品が展示されている。教科書にも登場する狩野光信作の重要文化財「豊臣秀吉画稿」など50点の美術品の他、小林一三に関する資料を収める池田文庫(同市)所蔵の阪急・宝塚関係の資料や書簡など、氏の人柄や明治・大正・昭和をしのばせる貴重な資料が多数展示されている。
見学を終えた6年生の男子児童は「名所を作ってお客を呼ぶなど斬新奇抜なアイデアの持ち主で、企画力に秀でた人だと思いました」と話し、女子児童は「日本のものや外国のもの、不思議なものがたくさんあって楽しい。一三さんはとても一人では出来ないと思うほど、色々なことをやっていてびっくり、こんなすごい人がいたんだ」と驚いていた。生徒を指導する
斎藤由紀子教諭は「、子供たちの想像力、企画力を養うためのプロジェクトに取り組んでいますが、小林一三氏はまさに想像力、企画力の人、そういう力を持った山梨の先輩の存在を子供たちに伝える最高の機会になりました」と話している。
山梨学院小は、春に行われる運動要素の「スポーツプロジェクト」、秋の文化的・芸術的活動主体の「オクトーバープロジェクト」、冬の「言葉」「数」「自然」「社会]の中から課題を追求する「ウインタープロジェクト」の3大プロジェクトを中心に子供たちの探究心を高める教育プログラムを実践している。この秋のオクトーバープロジェクトで子供たちが学んだ成果は、最終日の11月13日に開催される「オクトーバーフェスティバル」でそれぞれ発表される。(M.I)
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