山梨学院パブリシティセンター
●昭和町議員と山学大学生が政策に関するワークショップ
〜ワークショップでの議論を基に学生が政策提案〜
〜全国初の議会と大学との連携協定も3年目に〜

山梨学院大学と昭和町議会は11月24日、山梨学院大学において昭和町の政策に関するワークショップと政策提案報告会を行った。昭和町議会は、議会改革の一環として平成20年に全国初となる連携協定を山学大ローカル・ガバナンス研究センターと締結。昭和町議会では「学ぶ議会」「行動する議会」「改革・革新する議会」を目標に掲げ、これまでに、山学大の政治学や行政学を専門とする教授陣による議員研修や学生による模擬議会、議会活動報告会を実施し、大学の「知」や学生の若い感性を政策に取り入れている。この日行われたワークショップでは、法学部政治行政学科の学生が行政改革や地方分権、福祉、医療、農業、観光などからテーマを設定し、研究報告を行い、昭和町議員と意見交換。その後、学生はワークショップでの内容を踏まえ、山学大法科大学院の模擬法廷で昭和町議員に対し政策提案を行った。全国的にも珍しい、議会と大学(学生)の実のある連携に注目が集まっている。

昭和町議会とのワークショップ・政策提案報告会には、昭和町議会から18名の議員が参加し、山梨学院大学からは法学部政治行政学科8ゼミ15グループが参加。全体会で昭和町議会の浅川武男議長が「議員と学生とのワークショップが肩肘張らない意見交換になれば有難いです。今までに学生から色々な意見を頂いていますが、議会として具現化しているものがあまりありません。どうしたら実行できるのかという切り口でも議論できればと思います」と挨拶。山梨学院大を代表して日高昭夫法学部長が「地域が元気になるには地域の中で課題を解決し、工夫をしていく必要があります。その中で非常に重要な役割を果たしているのが地方議会の議員さんです。しかしながら、議員と住民との交流があまりありません。こうした連携を通じ、学生と議員は意見交換することによって政治に若い学生の感性を活かせられると思います」と意義を述べた。この後、昭和町議会の3つの常任委員会(総務・教育厚生・産業土木)に対応する形で会場を分け、ワークショップが行われ、学生の報告に続いて、議員による質疑応答・意見交換が行われた。

以下、各ワークショップの内容(各テーマの制限時間は12分。時間内に報告、質疑応答等を行う。)

■総務委員会(税財政、人事・給与、政策評価、組織改革、地方分権等)
@人事評価の導入について(外川ゼミ) A政策評価の導入について(外川ゼミ) B自治基本条例の制定について(江藤ゼミ) C実効性のある総合計画の策定について(江藤ゼミ) D観光の推進について(山本ゼミ)

■教育厚生委員会(福祉・保健・医療、介護保険、保育、教育等)
@いじめ対策について(日高ゼミ) A源氏蛍による地域参加について(大高ゼミ) B生涯学習の場の充実について(大高ゼミ) C生涯学習と平和教育について(小菅ゼミ) D高齢者と児童のふれあい促進について(小菅ゼミ)

■産業土木委員会(農業、商工業、観光、都市計画、まちづくり、環境等)
@公園に関する提案について(小菅ゼミ) A環境対策について(丸山ゼミ)Bバス等公共交通機関について(中井ゼミ) CJR身延線等公共交通機関について(中井ゼミ) D公共交通機関の充実について(大高ゼミ)

ワークショップに続いて、山学大法科大学院模擬法廷を会場に、政策提案報告会が行われた。政策提案では、ワークショップでの報告・質疑応答・意見交換を踏まえ、15グループの代表が議員に対し、より具体的な政策を提示。その事案に関係する常任委員会の議員が、今後の取扱いや方向性について回答した。各グループは持ち時間が2分間と少ない中、ワークショップでの議論を踏まえ、今まで大学で身につけた学問を最大限に活かし、若者の感性を十二分に発揮させた具体的な政策を提案した。学生の提案に対し、議員は現在の昭和町の実状や町政を踏まえつつ、今後の取扱いや議会としての見解を回答した。最後に昭和町議会の萩原馨副議長が「色々と研究し、提案して頂いたことを感謝いたします。街作りは若者や他者(第三者)の視点や考えを反映させることが重要だといわれています。今回提案頂いた、学生の若い目や外から見た目を町政に活かせられればと思います」と総括した。また、山学大ローカル・ガバナンス研究センターの江藤俊昭センター長は「議場について考え、住民が発言し、議論したりする新しい議会の方向性を探る良い機会になりました。学生は、机上の勉強だけではなく、生きた学問を勉強し、住民自治にとって議会は重要な意義のある事だとわかったと思います。議員の皆さんは、学生の若い目からの提案にハッとすることもあったかと思います。今後の町政に活かして頂ければと思います」と述べた。

全国初となる議会と大学との連携は、今年3年目を迎える。議会にとっても大学にとっても良い刺激となり、これまでに模擬議会や議員研修の実施など有機的な関係を築いている。住民自治、議会改革の推進に寄与する大学(学生)と議会との連携に全国から注目が集まっている。(Y.Y)
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