
平成22年度青少年読書感想文山梨県コンクールで、山梨学院高校3年の角田和香奈さんの作品「命の輝き」が、最優秀作品に贈られる山梨県知事賞を獲得した。12月6日に表彰式が行なわれ、知事賞に輝いた角田和香奈さんと、県議会議長賞、県教育長賞、毎日新聞社賞、高校生の本だな賞を受賞した5人に表彰状 と楯が贈られた。知事賞の角田さんと県議会議長賞受賞の富士北稜高2年荒井麻希さんの2人が、受賞作品の朗読を行った。角田和香奈さんは受賞について「びっくりしました、中学生の時に『夏の庭』を読んで感動し何度も読み返しています」と話し「死は人間の終わりなんかじゃない、心の中で、大切な人は生き続けているのだ から」と感想文を綴った。山梨学院高生徒の知事賞受賞は初、全国コンクールへの参加は、平成13年度全国学校図書館協議会長賞を受賞した宿澤知沙子さん以来2人目となる。
青少年読書感想文コンクールは昭和30年に始まり、平成22年度で第56回を数える息の長い読書運動、小学校・中学校・高校の部などがある。夏休みなどに児童・生徒が書いた感想文は、校内審査、地区審査、都道府県審査により知事賞などの各都道府県賞が決まる。県代表3作品は全国審査会に送られ、内閣総理大臣賞、文部科学大臣奨励賞、全国学校図書館協議会長賞などが選考される。全国入賞作品と県代表作品は、読書感想文集「考える読書」(毎日新聞社刊)として3月に刊行さ れる。
平成22年度 第56回青少年読書感想文山梨県コンクール 高校の部入賞者
賞 |
学校名 |
生徒名 |
題名 |
書名 |
作者名 |
県知事賞 |
山梨学院高 |
角田和香奈 |
命の輝き |
夏の庭 |
湯本香樹実 |
県議会議長賞 |
富士北稜高 |
荒井麻希 |
桐島、部活・・読んで |
桐島、部活やめるってよ |
朝井リョウ |
県教育長賞 |
都留高 |
渡辺絢 |
インパラの朝−約束― |
インパラの朝 |
中村安希 |
毎日新聞社賞 |
桂高 |
宮野祐太 |
戦うことは孤独か |
一瞬の風になれ |
佐藤多佳子 |
高校生の本だな賞 |
甲府第一 |
山本文香 |
「人間」を生きる |
人間失格 |
太宰治 |
県知事賞・県議会議長賞・県教育長賞の3作品は山梨代表として中央審査会に出品
山梨県コンクール・高校の部には、合計9074点(課題図書の部1113点、自由図書の部7961点)の応募が寄せられた。10月に第一次審査、11月に第二次審査が行なわれ、5人の入賞者と課題図書の部・自由図書の部それぞれの特選・入選・佳作が選定された。12月6日に塩山高校創叡館で行なわれた表 彰式には、入賞した5人が出席しそれぞれに表彰状と楯が贈られた。
知事賞に輝いた角田和香奈さんの作品「命の輝き」は、湯本香樹実著「夏の庭」に登場する老人と3人の少年の関りを、天国に旅立った祖父と自分との関りと重ね合わせて捉えた作品。百歳以上の老人所在不明ニュースに象徴される現代社会の歪みに目を向け、繊細な文章で人間の生と死を見つめている。「死は人間の 終わりなんかじゃない、心の中で、大切な人は生き続けているのだから」と感想文をまとめた。
講評を行なった
井上ゆう子副部会長は「角田さんの作品は、文章の構成が巧み、生きることへの思いが上手く綴られた感動的な作品」と言葉の構成力とその表現力を称えた。表彰後
角田和香奈さんは「びっくりしました、中学生の時に『夏の庭』を読んで感動して何度も読み返しています。読書が好きで、学校の先輩辻村深月さんの本も好きなんですが、今は受験の真っ最中、出来れば教育学部に入りたいと思っています、今は読書ではなく参考書とにらめっこです」と笑顔を見せながら話し た。
山梨学院高からは角田さんの他、平塚一輝君(2年)・野中咲希さん(1年).小林昌史君(2年)・白石さやかさん(1年)の作品が入選、小澤穂奈実さん(2年)の作品が佳作に選ばれた。また、山梨学院中からは、鈴木康大君(3年).古屋くるみさん(3年)の作品が甲府市の部入選に選ばれた。 (M.T)
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