男子第84回・女子第71回全日本ホッケー選手権大会が、岡山県赤磐市熊山運動公園多目的広場などで開催され、日本一を決める大会に山梨学院大学ホッケー部が男女アベック出場した。予選リーグ3日目の11日、山学大男子は、ブラスティ名古屋と対戦し2―2で引き分け、通算2勝1分けで12日の決勝進出を 決めた。一方女子は、4連覇中のソニーHCと対戦し、終盤の3連続PCのどれかが決まっていれば勝利のところまで最強の敵を追い詰めたが0―0で引き分けた。1勝1敗1分けで3位タイとなり決勝進出はならなかった。今年度の山学大男子は、春の日本リーグで創部初優勝、秋のインカレで初の大学日本一を獲得している。決 勝で名門名古屋フラーテルに勝利すると3連続初優勝、夢のまた夢であった三冠王を一気に達成することになる。
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≪男子予選リーグ第3戦 山学大vsブラスティ名古屋≫
山学大男子は、9日の初戦で小矢部RED OXを3−1で下し、10日の第2戦で明治大に10−0と快勝して第3戦のブラスティ名古屋戦を向かえた。ブラスティ名古屋は、日本最強チーム名古屋フラーテルのOBらで組織するチーム。30代後半の選手が多いが、元日本代表選手が顔を揃える社会人2位の強豪チ ーム。試合は、前半終了間際と後半7分に相手にPS(ペナルティ・ストローク)を与え0−2とされる非常に苦しい戦いとなった。しかし、今年の山学男子は劣性になっても、そこから挽回する実力がある。相手のシュートをGK山普@元(3年 北海学園)が俊敏な動きで食い止め、後半9分に久保良太(4年 伊吹)がPC(ペナルティ・コーナー)からナイスシュート、試合終了1分前の34分に久保貴寿(4年 不来方)が同点シュートを決めて2−2に追いつき、土壇場で引き分けに持ち込んだ。
第84回全日本男子ホッケー選手権大会 予選リーグ第3戦
≪山学大vsブラスティ名古屋≫(12/11) 於 岡山・赤磐市熊山運動公園多目的広場 |
山梨学院大 2 |
前半 0−1
後半 2−1
引き 分け |
2 ブラスティ名古屋 |
得点 久保良太・久保貴寿(山学) 吉田一男2(ブラスティ) |
今シーズンの山学大男子は、7人の4年生が週交代で主将を務めるという、日本では前例がないユニークな主将制を採用し、最高のチームワークで大躍進して来た。今週の主将久保良太選手は「試合前に、大敗しない限り決勝に行けると分かっていたので、心のどこかにスキがあった。明日は今シーズン最後の試合、全力を尽くします」明日の試合終了とともにスティックを置き、現役を引退する山学史上最強のディフェンダーは、ホッケー人生集大成のプレーをする。寺本祐治男子監督は「最後に追いついて負けないでよかった。明日の対戦相手は、名古屋フラーテルになるか、立命館大になるか、これから対戦するので分かりませんが(結果的には名古屋フラーテルが2−0で立命館大を下し決勝進出)、4年生を中心に今年1年かけて積み上げてきた力を全力で出し切りたい」山学男子は、創部初のホッケー日本一を目指す。
≪女子予選リーグ第3戦 山学大vsソニーHC≫
山学女子は、9日の第1戦南都銀行戦でつまずいた。初戦の硬さから自分たちのホッケーが出来ず1−2で敗れた。しかし10日の第2戦で、ライバルの天理大を3−0で打ち破り、第3戦は千葉香織を筆頭に山学大の先輩が6人いる大会4連覇中の女王ソニーHC(ホッケークラブ)と対戦した。前半が終わり0−0、ハーフタイムで円陣を組み「最後まで集中して、絶対1点取って勝ちましょう」と気勢を上げた。後半も前半同様に一進一退の激しい攻防が続いた。山学女子は先輩たちに臆することなく堂々と渡り合った。そして、後半終盤、28分・33分・35分に3連続PCのチャン スを得た。しかし、3回ともGKに弾き返され得点を奪えず、あと一歩のところで勝利を逃した。2勝1分けのソニーが決勝に進み、コカコーラウエストと対戦することになった。山学女子は1勝1敗1分けの3位タイで今シーズンの全ての試合を終えた。
第71回全日本j女子ホッケー選手権大会 予選リーグ第3戦
≪山学大vsソニーHC≫(12/11) 於 岡山市瀬戸町江尻レストパーク多目的広場 |
山梨学院大 0 |
前半 0−0
後半 0−0
引き 分け |
0 ソニーHC |
谷口育代キャプテン(4年 羽衣学園)は「初戦は自分たちのプレーができなかった。気持ちを切り替えて天理大に勝ち、強いソニーに勝とうと皆で一丸となってぶつかりました。勝つことは出来ませんでしたが、自分たちのホッケーが出来たと思います。個人的には、この4年間苦しいことが多かったです。なかなか試合には出れませんでしたが、自分を成 長させることが出来た4年間でした。最後のソニー戦で最高のプレーが出来ました、悔いはないです」言葉を詰まらせながら語った谷口は、この1年間丁ナリ(4年 松谷女子)と2人で主将を務めた。目立つ選手ではなかった。縁の下の力FBとしてチームを黙々と支えてきた。そして、最後の試合で最も光り輝くプレーをした、最後までチームを支え切った。試合後選手全員を集めたジョン・シアン女子監督は「ソニーを恐れない試合が出来た。このゲームに関しては、胸を張ることが出来る。取り組んできた練習の成果が出た」と称え、取材陣に対して「今年のチームは、インカレの決勝では勝てなかったが、1年間よく健闘した、非常によく努力してくれた」と選手の健闘を称えた。
最終日の12日は、女子の決勝戦が午前11時からソニーHC対コカコーラウエストで行なわれる。男子の決勝戦は午後2時から行なわれ、山学大と名古屋フラーテルが激突する。男子決勝戦の模様はNHK教育で全国生中継される。 (M.T)
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