山梨学院パブリシティセンター
●ホッケー全日本選手権 決勝
〜山学大名古屋フラーテルに惜敗初優勝ならず〜
〜残り1分に失点"岡山の悲劇"を忘れるな〜

男子第84回・女子第71回全日本ホッケー選手権大会は12月12日、岡山県赤磐市熊山運動公園多目的広場で男女の決勝戦を行なった。予選リーグを勝ち抜き決勝に進出した山学大男子は、前身の表示灯時代から通算14度の優勝を誇る名門名古屋フラーテルと対戦した。試合は両者が一歩も引かぬ激闘となった。 どちらもよく攻めどちらもよく守った試合は、70分間では決着が付かず、延長戦でも得点が入らないままだったが、終了直前の残り1分に一瞬の間隙を突かれて得点を許し0−1で惜敗した。かつて日本サッカーが体験した"ドーハの悲劇"の光景と重なる"岡山の悲劇"、山学男子はフィールドに崩れ落ち、声援を送り続けた山 学女子は、観客席に涙を落とした。今年の山学男子は、日本リーグとインカレの二冠を獲得、全日本初優勝の夢は果たせなかったが準優勝という創部最高の成績を収めた。そして、最強のチームを作った4年生は、後輩に「この岡山の悲劇を忘れるな」と言葉を残し、夢を託してフィールドを去った。


≪男子決勝 山学大vs名古屋フラーテル≫
山学大男子は、9日の初戦で小矢部RED OXを3−1で下し、10日の第2戦で明治大に10−0と快勝、11日の第3戦ブラスティ名古屋戦は2−2で引き分け、2勝1分けでB組トップとなり、決勝に進出した。対戦相手の名古屋フラーテルは、選手のほとんどが日本代表という名門チーム。4月から6月にか けて行なわれた日本リーグで対戦した時は、順位決定戦で勝利して初優勝を果たしたが、リーグ戦では敗れている強敵。山学男子は、最強の相手に臆することなく、猛然と戦いを挑んだ。試合開始と同時に激しいプレスで相手のボールを奪いに出る。一方、名古屋は巧みなスティックワークでボールを奪い返そうとする。両者とも一 歩も引かぬ激しい攻防を繰り広げた。前半は名古屋がやや押し気味で5本のPC(ペナルティ・コーナー)を奪われたが、矢のようなシュートをGK山崎 元(3年 北海学園)とDF陣が体を張って防いだ。

前日に(決勝戦で勝利し優勝した)ソニーHCと引き分け、2勝1分けのソニーが決勝に進み、1勝1敗1分けの3位タイとなり、決勝進出を果たせなかった山学大女子は応援席で、声を嗄らして大声援を送り続けた。

後半は両チームの攻防がさらに激しくなった。ワンプレーごとに両者が敵陣深くにボールを持ち込む肉弾戦を展開した。後半28分には、北里謙治(3年 小国)がドリブル突破で激しく切れ込んだが、あと一歩届かず0−0で70分間が終了した。延長戦は、前半7分30秒・後半7分30秒・Vゴール方式の15分間の戦い。延長に入ると、スタミナ豊富な若い山学が疲れの見える名古屋を一方的に押した。延長前半も後半もボールのほとんどを支配して攻め込んだが 、ゴールが遠かった。そして、延長終了直前の84分、残り1分のところで名古屋に一瞬の間隙を突かれてサークル内に進入され、山堀貴彦にシュートを許した。その瞬間に試合終了、0−1、山学男子の全日本選手権初優勝と三冠達成の夢は、惜しくも果たせなかった。勝者名古屋フラーテルの日本代表三澤孝康選手(山学大OB)は「ここまでの大接戦になるとは思わなかった。2年前の僕らの時よりずっと強い、力のあるいいチームになった」と後輩を称えた。

第84回全日本男子ホッケー選手権大会 男子決勝戦
≪山学大vs名古屋フラーテル≫(12/12) 於 岡山・赤磐市熊山運動公園多目的広場
● 山梨学院大 0
前半 0−0
後半 0−0
延長
前半 0−0
後半 0−1
1 名古屋フラーテル ○ 
得点 山堀貴彦(名古屋) 


試合終了のホーンが鳴り響き、選手はフィールドに崩れ落ちた。そして、ベンチで悔し涙を流し、万歳と胴上げを繰り広げる名古屋フラーテルの歓喜を、呆然と見つめた。7人の主将の一人、今週の主将久保良太選手は「色々な方に応援して頂いていた、勝ちたかった。ああいう形になって敗れたが、自分たちの力は出せたので悔いはないです。皆で助け合っていいゲームが出来たと思います。後輩たちは、最後の1分を忘れずに新チームを作ってほしい」二冠と全日本準優勝という創部最高のチームを 作り上げ、集大成のプレーをした4年生は、全員が涙をぬぐい静かにフィールドを去った。引き継ぐ3年生の北里謙治選手は「頼りになる先輩ばかりでした、お世話になった恩返しが出来なかったことが残念です。来年はリーグとインカレを連覇して、この全日本を取って先輩に恩返しをします」岡山で体験した悔しさを胸に、来シーズンのチーム作りに向かう。寺本祐治男子監督は「心技体揃ったいいゲームをした。結果的には負けたが、4年生を中心に山梨学院の新しいホッケーを作ってくれた。4年生には感謝している、よくチームをまとめてくれた。下級生は、今年積み上げたものをしっかり受け継いでもらいたい」とラストゲームを振り返り、創部最高成績に貢献 した4年生を称えた。

平成22年度の全日本選手権は、男子優勝 名古屋フラーテル(2年連続通算15回目)、準優勝 山学大、3位 立命館大・小矢部RED OX。女子優勝ソニーHC(5年連続13回目)、準優勝 コカコーラウエスト、3位 山学大・東海学院大となった。 (M.T)
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