山梨学院パブリシティセンター
●第87回東京箱根間往復大学駅伝競走(往路)
〜コスマス(3年)区間賞 11人牛蒡抜き〜
〜山学 大混戦往路13位 復路でシード権目指す〜

新春を彩る第87回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は1月2日、3連覇を狙う東洋大、出雲・全日本で優勝し3冠を目指す早大、昨年2位の駒大と3位の山学大、そして関東学連選抜などの20チームが参加して東京・大手町読売新聞旧東京本社から神奈川・箱根町芦ノ湖までの5区間108.0キロで行われた。昨年総合3位・過去3度総合優勝で25回連続25回目出場の山学大は、1区 松枝翔(3年)・2区 高瀬無量(4年)・3区 オンディバ・コスマス(3年)と昨年同様のオーダー、4区は初出場の伏島祐介(2年)、5区は藤岡将大(2年)から中村悠二(3年)にエントリー変更し ての布陣で挑んだ。レースは1区・松枝が、早大と日大の飛び出しに付いて行かずに、3位集団で牽制し合い大きく溝をあけられるものの、早大、日大、駒大、日体、中央学院大に次ぐ6位と好位置に付ける。花の2区・高瀬は、競り合いに負け15位に沈んだ。早大、日大に次ぐ3位には20位に沈んでいた東海大が、4位には1 5位から明大が急浮上するという乱戦。3区のコスマスは「気候が、暑くもなく寒くもなくベストだったことと、怪我、体調不良が無かった」と「前、前、前に」と無心で走り、「いままでで最高の走り」と、11人を牛蒡抜きにする区間賞でチームを4位に浮上させた。5位には10位から駒大が、6位には13位から日体大が、 2位から日大が9位に後退する激しいレース。4区・伏島は「どんなレース展開でも対応できるという自信はあった」とスタートしたが、「10キロでの東洋・駒澤・日体に追いつかれた時には、自分の走りが出来なくなっていた」と堅実な走りの伏島が9位とリズムを崩した。往路最終区の5区・中村は9.1キロの大平台では堅実な走りを見せ付けたが、最後の下りで一気に順位を落とし芦ノ湖に、13位のシード権圏外でゴールした。また、東農大は7位から11位に、帝京大は8位から12位に落ちシード権圏外へ、14位から8位に中大、12位から6位に国学院大が、11位から7位に城西大がシード圏内 に入る大混戦で幕を閉じた。往路優勝は最終区で早大と2分54秒差で襷を受けた東洋大の山登りの申し子・柏原竜二が早大に27秒差をつけて3年連続の往路優勝を果たした。明日は午前8時に東洋大がスタートし、山学大は8時7分2秒にシード権を目指しスタートする。 


○大手町読売新聞旧東京本社前に東洋大、駒大、山学大、中大、東農大、城西大、早大、青学大、日体大、明大のシード権校と拓大、国学院大、帝京大、中央学院大、上武大、東海大、日大、神大、専大の予選校、そして出場できなかった大学の成績上位者らで編成する関東学連選抜を加えた20校がスタートラインに整列し た。午前8時00分、号砲がビルの谷間に炸裂すると、母校の名誉と青春のドラマを襷にかけたランナーが一斉にビル街に吸い込まれて行った。

◇1区(21.4キロ 大手町 ⇒ 鶴見) 松枝翔(まつえだ しょう[3年・鹿児島実])
☆総合6位 1時間4分20秒 / 区間6位 1時間4分20秒
◇スタートして間もなく早稲田と日大が飛び出す。山梨学院の松枝は「コンディションも体調も良かった」と1キロ地点で18名で3位グループを形成。松江は10キロ付近でも、先頭の早稲田と約400メートルの差で3位集団。「3分ペースはゆとりを持って行けた」とスローペースでの牽制。しかし、このままでは駄目 だと思い「幾度か仕掛けようと思ったが、力不足で先頭を取ることが出来なかった」。駒澤・東洋などに引き離され、京浜急行蒲田踏切(15.4キロ)を8位〜20位の集団で通過。六郷橋(18.0キロ)でスパートし鶴見中継所で待つ、主将の高瀬無量に6位で襷を託した。
■1位 早大、2位 日大、3位 駒大、4位 日体、5位 中央学院大、6位 山学大、7位 関東学連、8位 東洋大、9位 国学院大、10位 中大(シード権) 

◇2区(23.2キロ 鶴見 ⇒ 戸塚) 高瀬無量(たかせ むりょう[4年・市立尼崎])
☆総合15位 2時間13分31秒 / 区間15位 1時間9分11秒
◇花の2区・高瀬は、「練習で去年のタイムを目安にして走り込んだ。練習は順調にこなした」。コーチから「自分の走りをするように」とアドバイスを貰った。「自分の走りはガンガン攻める走りなので」と、集団に追いついてすぐ前に出て、「自分も確り力を付けていたと思っていたのであまり周りの選手のことは気にか からなかった」と激走。横浜駅前8.2キロ地点では5位集団を形成。しかし、中盤以降ズルズルと落ち権太坂15.2キロ地点では9位集団で通過。高瀬は「10月上旬に一度左の太腿が痺れたので、無意識にかばい脹脛(ふくらはぎ)とアキレスに過剰負担をかけ思う走りが出来なかった」。「最後に確り上らなければいけない所で、走ることが出来なかった」結果15位に沈んだ。高瀬は出遅れを取り戻してくれるように とコスマスに願いを込めて襷を手渡した。早大、日大に次ぐ3位には20位に沈んでいた東海大が、4位には15位から明大が急浮上するという乱戦。
■1位 早大、2位 日大、3位 東海大、4位 明大、5位 青山大、6位 東洋大、7位 拓大、8位 東農大、9位 帝京大、10位 駒澤大(シード権)

◇3区(21.5キロ 戸塚 ⇒ 平塚) オンディバ・コスマス(おんでぃば こすます[3年・山梨学院])
☆総合4位 3時間15分50秒 / 区間1位 1時間2分19秒(区間賞)
◇3区のコスマスは「怪我などで体調不良が無く、練習で調整し2週間前にベストコンディションとなり、自信を持ってレースに臨んだ」。今日は「気候が、暑くもなく寒くもなくベストだった」と万全。監督に「入りはゆっくりと言われていたので」最初は抑えて走った。OBのモグスに「最後まで諦めないで走れとアドバイスを貰った」と「前、前、前に」と無心で走り、「いままでで最高の走り」が出来たと、気がつけば11人を牛蒡抜きにする区間賞で、チームを4位に浮上させ伏島に襷を渡した。5位には10位から駒大が、6位には13位から日体大が、2位から日大が9 位に後退するなど出入りの激しいレース展開。
■1位 早大、2位 東海大、3位 明大、4位 山学大、5位 駒大、6位 日体大、7位 東洋大、8位 拓大、9位 日大、10位 東農大(シード権)

◇4区(18.5キロ 平塚 ⇒ 小田原) 伏島祐介伏島祐介(ふせじま ゆうすけ[2年・白鴎大足利])
☆総合9位 4時間13分48秒 / 区間18位 57分58秒
◇4区・伏島は「どんなレース展開でも対応できるという自信はあった。その上にコスマスの勢いを借りよう」とスタートした。伏島は堅実な走りで二宮(9.0キロ)地点で4位を堅持。しかし、「10キロ付近で東洋・駒澤・日体に追いつかれた時には、自分の走りが出来なくなっていた」と、堅実な走りの伏島が何故かリズムを崩し始めた。酒匂橋(15.4キロ)では8位で帝京大と並走。「タイムより、ラストスパートで駅伝らしい走りが出来ていなかった」。初めての箱根「比較的、リラックスして本番を迎えたが、応援で感動したが、走りでは箱根の厳しさを体を通して感じた」と、「ラスト3キロでの、のびがなかった。自分の走りでは無かった」と、伏 島は期待通りの走りが出来なかったことを悔いながら、中村に襷を繋いだ。
■1位 早大、2位 東海大、3位 東洋大、4位 明大、5位 駒大、6位 日体大、7位 東農大、8位 帝京大、9位 山学大、10位 拓大(シード権)

◇5区(23.4キロ 小田原 ⇒ 箱根) 中村悠二(なかむら ゆうじ[3年・日高])
☆総合13位 5時間36分52秒 / 区間15位 1時間23分4秒
◇5区の中村は藤岡(2年)からエントリー変更して挑んだ。「完全に決まったのは今日の朝。それでも、自分が走るんだと思って準備していた」ので動揺も無く平常心でスタート出来た。箱根湯本(5.0キロ)地点、大平台(9.4キロ)地点でも9位をキープ。落ちてきた日体大を捕らえるも、帝京大、国学院大、城西大に抜かれて、小涌園前(14.2キロ)地点では10位に後退。中村は落ちてくる東農大を抜き芦之湯(18.2キロ)地点では再び順位を戻し9位で通過。しかし、拓大に再び日体大と東農大に抜きかえされ元箱根(21.2キロ)地点通過では12位。中大に抜かれ芦ノ湖に、13位のシード権圏外でゴールした。
■1位 東洋大、2位 早大、3位 東海大、4位 明大、5位 駒大、6位 国学院大、7位 城西大、8位 中大、9位 拓大、10位 日体大(シード権)

飯島理彰コーチは「今年の箱根駅伝は5キロ、10キロ単位で順位がコロコロ変わる。明日も目まぐるしく厳しい戦いになるだろう。うちの選手がおじけづくことなく戦えるかどうかが鍵となる。腹を据えて部員全員で戦いシード権を取りに行きたい」と、述べた。
上田誠仁監督は「明日は、シード権圏内とタイム差1分以内にいると思うので、明日は激しいレース展開になる。気持ちを引き締めて挑みたい。駅伝は、みんなの気持ちを理解し、そして次の選手に繋げる。我々は25年、その思いを伝えてきた。是が非でも10位以内に入らなければならない。今まで、色んな ことを乗り越えてきた。それを信じて、今日も運んできた。明日も運ぼうと思っている」とシード権奪取に執念を覗かせた。
文(H・K)、カメラ(八巻和夫・今村佳正・平川大雪・小池裕太・Y.Y)
| アルバム往路 | アルバム応援風景 |

Copyright (C) 2010 YGUPC. All Rights Reserved.