3月10日午前12時26分、山梨学院60周年記念館サザンタワー3階の床面に張られた24枚のミラーガラスが一斉に輝きだし、そこから発せられた光線が4階5階の吹き抜けを射抜いて最上階の天井を七色に染める現象が起きた。これは、建学の精神を象徴する光として、サザンタワー建設時に設計者に依頼し、建築者が苦心して完成させた芸術作品。建物の中央を突き上げて設けられた天窓から、レインボープラザと名づけられた3階の床面に太陽の光が降り注ぎ、そこから色彩を抽出して、天井に虹を浮かび上がらせる演出が施された。この虹が現れるのは1年に2回だけ、秋の10月4日12時05分と、卒業式目前の春3月10日12時26分、天候に恵まれないと見られず、わずか15分前後で姿を消してしまう幻の虹。未来へと途切れることなく続く光は、1946年以来変わらぬ建学精神の象徴として、今年もサザンタワーに姿を現した。
虹が現れる少し前の10日正午過ぎ、山梨学院三神廣俊法人本部長、短大前学長の三神敬子学事顧問、短大教職員がサザンタワー3階フロアーに集まり、光の芸術ショー開始を待った。出窓から射し込んだ光が、反射板を伝って徐々に舞い降り、やがて天井に虹が浮かび上がり、歓声が沸き上がった。三神敬子短大学事顧問は「60周年を記念してサザンタワーを作る時に、南に向かって、太陽に向かって大学が発展してほしいという願いを込めた象徴を、建物自体に施して頂いた。専門分野の方々が苦心して下さり、人工の光ではない太陽の自然の光を利用した作品に仕上げて下さった」と語る。山梨学院短大は、年2回のこの時を建学の精神を再確認する時と位置付け、秋を「木犀の会 正午」、春を「巣立ちの時 正午」と命名、レインボープラザに次の言葉を表示して大切な時にしている。
RAINBOW PLAZA
−未来へつなぐ光の演出−
レインボープラザに降り注ぐ透明な太陽光。そこから色彩を抽出し天井に映し出す演出を施した。プラザに集う学生達は様々な経験や交流を通じて多様な個性へと成長し、その可能性を大きく広げて行く。未来へと途切れることなく続く光は、1946年以来変わらぬ建学の精神の象徴として、10月4日12:05[木犀の会 正午]、3月10日12:26[巣立ちの時 正午]、サザンタワーに虹となって姿を現す。 |
文(M.I) カメラ(白鳥 仁)
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