山梨学院パブリシティセンター
短大保育専攻生がユニークな卒業制作
〜図画工作科教育研究でソーラーバルーンを制作〜
〜制作期間1カ月、二度目の実験で浮上に成功〜

山梨学院短大専攻科保育専攻の学生が、巨大なソーラーバルーンの制作に挑み3月9日に浮上実験を行なった。幼児教育や児童教育現場に立つために学んでいる学生たちが、図画工作科教育研究の一環として取り組んだもの。テーマは、造形と化学を結びつけたわくわくドキドキ体験の創造。園児がわくわくする授業を するにはどうしたらいいのか、近い将来に小学校や幼稚園教諭・保育士となる保育専攻2年生にとっては、最終学年の後期に取り組む山梨学院短大伝統の実践研究。前年とは違うものを作り出そうと、学生同士で話し合いユニークなものを創造するいわば卒業制作。今年度の9人が制作したのは"巨大な蜘蛛のソーラーバルーン"使 用されている素材は、農業用マルチビニールシート。3グループに分かれて、頭・胴体・足を制作し最後に合体させて完成させた。制作期間1カ月、制作費1万円、2月末に完成して一度実験したが、その時は天候不良で失敗、再挑戦で見事にキャンパス上空に浮かび上がった。


穏やかな日差しに恵まれた9日午前9時過ぎ、山梨学院大キャンパス中央広場付近の上空に、異様な形をした真っ黒い物体がふわふわと浮かび上がった。春休み前のため、学生の数は少なくキャンパスは閑散としていたが、通りがかった教職員らが驚いて上空を見上げた。野次馬には、どうにもそうとは見えなかったが 、凧糸を持ってソーラーバルーンを支えている学生の説明によると、これは巨大な蜘蛛とのこと。縦は約15m、横は約5m、8本足の蜘蛛の素材は、太陽の光を最も効率よく利用するために農業用マルチビニールシートを使用。合体部分をテープで結び、扇風機で空気を送り込んで上空に浮上させた。2月末に行なった最初の実験 は、気象条件に恵まれずフライトに失敗した。卒業式を目前にした学生たちは、このまま卒業しては悔いが残ると休みを返上して登校、リベンジに挑んだ。2度目の実験日は、快晴・無風の絶好のコンディション。バルーン内の空気が太陽熱で温まり、環境にやさしい熱気球となってふわり浮かび上がった。制作に携わった田澤祐美子さん(左)と藤澤亜弥さん(右)は「皆で色々意見を出し合い、最終的に蜘蛛が面白いだろうと決めました。最初に設計図を作り、紙のミニチュアや型紙を用意して準備、頭・胴体・足の3グループに分かれて制作し合体させましたが、空気を入れるのに苦労しました。最初は小さな送風機で試みましたが上手くいかなくて、最終 的に扇風機が一番いいと分かりました。リベンジ大成功です」と顔をほころばせた。指導に当たった伊藤美輝教授は「子どもたちにわくわく体験を教えるために行なう造形と化学を結びつける研究。造形的にも工夫して、チームワークよく共同制作できました。寒くて、風がなくて、陽が出ている今日は最高の条件、再チャレンジした学生たちの意欲がもたらした成功です」と学生の再挑戦を称えた。
文(M.I)カメラ(白鳥 仁)
[アルバム浮上実験]

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