サッカーJ1のヴァンフォーレ甲府は3月19日午後1時半から、甲府駅北口よっちゃばれ広場でチャリティー・イベントを実施した。三浦俊也監督・山本英臣主将を始め、今春山梨学院高を卒業した堀米勇輝選手・加部未蘭選手ら、ブラジル人選手を除く22選手が参加した。「日本の仲間のために!」を合言葉 に助け合い募金の呼びかけが行われ、選手のサイン会や写真撮影会が行われた。この催しに山梨学院大経営情報学部長倉富貴ゼミの学生ら20人がボランティアで参加協力した。チャリティー・キックターゲットに参加した子どもたちに、フォームを撮影した12分割写真や手作りワッペンなどをプレゼントした他、会場に駆け付け た人たちの被災者に向けたメッセージを、インターネットを通じて被災地に届ける動画配信をリアルタイムで実施した。約1000人の支援募金の輪が広がった。
大震災で3月中のJリーグ公式戦は中止され、ナビスコ杯は全試合中止、Jリーグの再開は4月2週目以降となる見通し。チャリティー・イベントは、今自分たちが出来る精一杯の事をしようと、選手・サポーター・長倉ゼミなどが協力して実施された。VF甲府の選手たちは、午前中、自主的に山交前と岡島前で 街頭募金を行い、午後からのチャリティー・イベントに駆け付けた。甲府駅北口に新設された「よっちゃばれ広場」には、ヴァンフォーレ・ユニフォーム姿のちびっこやサポーターが続々と詰めかけ、募金をしたあとに選手と握手を交わし、一緒に写真を撮る光景があちこちで見られた。佐久間悟GMは「サッカーは闘争本能が沸かないと戦えないスポーツ。被災地のチームとは戦えない。今は、悲しみを共有して我慢をする時、長倉先生・サポーターの皆さん・選手会の"私たちで出来ることから始めましょう"という声でイベントを実施しました」と話した。実家が岩手県釜石市の三浦俊也監督は「両親とは4日後に連絡が取れて、無事だとわかりました。津波の被害は免れたようです。連絡が取れた友人は、亡くなった人の分も頑張ると言っていました、言葉がありません」と語った。山本英臣主将は「何か役に立ちたいと、これだけの人が集まってくれたことに感謝します。サッカーが全てではないが、サッカー選手として出来る範囲で、グランド以外でも支援の輪を広げていきたい」と語った。
山梨学院大の学生たちは、会場の一角で、チャリティー・キックターゲットを実施した。参加した子どもたちのフォームを撮影、12分割写真をパソコンからプリントアウトして渡し、手作りワッペンやVFグッズをプレゼントした。また、会場に駆け付けた人たちの被災者に向けたメッセージを、インターネット の動画ストリーミングサイト「USTREAM」を通じて被災地に届ける動画配信をリアルタイムで行った。率先して呼びかけた経営情報学部2年の東 敬大(あずま たかひろ)さんは「実家は釜石で、家は津波で流され、家族や仲間たちとは連絡が取れません。居ても立ってもいられなくて、何か役に立ちたいと長倉先生に相談して、このイベントに参加協力できることになりました」と話している。学生たちが持つプラカードには"小さなことの積み重ねが大きな 力になることを信じて"と記されていた。ヴァンフォーレ甲府は、寄せられた浄財を山梨中央銀行に預け、週明けに募金額をホームページに乗せ「Jリーグ東北地方太平洋沖地震災害義捐金基金」を通じて被災地に送ることにしている。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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